二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: アリスと兎の逃避行 【イナズマイレブン】チームK戦突入 ( No.239 )
日時: 2011/07/27 17:13
名前: さくら (ID: Rn9Xbmu5)
参照: http://tegaki.pipa.jp/608815/

———ピィィィイイイ!!


さっきのシュートで、チームKに追いついた所で、また試合が再開される。

だが此処で問題が起きた。

デモーニオが動かないのだ。それどころか、何かを探すように辺りをキョロキョロと見回している。



「ボール、ボールは何処だっ!」

「デモーニオッ!?」

「まさか・・・。お前、眼がっ!!」



「拒絶反応が出たか」




「「「!!」」」

『拒絶、反応・・・?』



此処にいるほぼ全ての人が、動揺し、驚愕して試合の流れが止まっている中で、鬼道がミスターKに叫ぶ。

それを、ミスターKは何事も動じない、無表情で冷たく答える。


「お前には鬼道有人を超える存在になれるようにプログラムを与えた。だが、お前の才能ではプログラムを100%開花させることは出来なかったようだな。拒絶反応が出たのはその為だ」


「ふん…そんな事だろうと思ったぜ」

『何て、酷いことを・・・ッ』

「影山…!」


するとしゃがんでいたデモーニオが、声を震わせながら、こう言い放った。


「まだやれる・・・」


と。



「もうやめろ!アイツはお前を利用しようとしているんだぞ!自分の野望のために!」

「構わないさ」


「!」

「お前には分からないだろう、俺達の思いなど…。サッカーをする者なら誰もが憧れる夢、代表として世界大会に出場し、世界一になる。俺達もそんな夢を持っていた。
 だが所詮夢は夢…世界で活躍出来るのは選ばれたヤツらだけ。そんなこと分かっていた。そんな俺達の前に現れたのが総帥だ。総帥は俺達に世界と戦える力をくれたんだ。
 ・・・その力の代償というなら、この程度の苦しみ、耐えてみせる!」



「俺は究極!俺こそ最強!!誰も俺に勝つ事など出来ない!」


『そ、こまで・・・。サッカーが好きなの・・・?こんな、身体がボロボロになるまで・・・?』


ズキリズキリと痛む足を堪えながらデモーニオのもとへ歩く。


「く、くるなっ!!・・・お前には分からないんだっ。強いお前にはっ・・・、俺達がどんな思いでサッカーをやって来たかなんて、お前には微塵も分か『分かるよ』・・・っ」


『分かる。私だって。私だけじゃない。此処に居る人達なら、誰でも。私だって、フィディオだって、円堂だって、鬼道だって、不動だって、佐久間だって、・・・。オルフェウスの皆も、イナズマジャパンの皆も、ユニコーンの皆も、皆、皆、努力をしたから此処に居るの。
 デモーニオ達も、きっと、血の滲むような努力をしたんでしょ?強くなるとその分サッカーが好きになる。
 いくら天才、と騒がれても、その優越感に浸っているだけで、その力を伸ばそうとする努力をしなかったら、他の努力をしてきた人に追いつかれ、追い越されるのは時間の問題。この世に天才は居るけれど、何もしないで進化する天才は、居ないんだよ。
 私だって、天才じゃないし、強くなんかない。だって、まだ進化途中だもの。』


「・・・。」


『なのに、此処でプログラムや薬なんかに頼ったら、貴方は負けだよ。貴方には、まだまだ可能性は無限大にあるのに。
 諦めない。頼らない。此処には努力をしてきた人達だけが集まってる。デモーニオよりも努力した人達がね。
 だから、此処で最後に笑うのは、天才とか強い奴なんかじゃない。・・・諦めなかった人だよ?自分の可能性を信じてる人。
 人間っていうのはね、生きている限り、永遠に進化し続ける!』

「あきら、め・・・?俺は、負け・・・?」


『こんな言葉、知ってるかな?
 Lo sforzo è ricompensato da tutti i mezzi.







                  “努力は必ず報われる”ってね!』


「———・・・ッ!!!」

「デモー…ニオ、」



『鬼道、不動。お願い』

「・・・“あれ”をやるぞ、不動」

「あぁ。」



鬼道と不動に合図をする。

鬼道と不動は、必殺技の練習をしていた。

それに、私も手を貸していた。


ミスターK、いや、影山に見せつけるには、丁度いい技だった。

デモーニオを、助ける為にも。



「影山の野望を打ち砕くにはそれしかない」

「しかし、あの技は未完成だ。上手くいくかねぇ?」

「出来るさ。俺達が影山の作品でも人形でもなければな」

「フッ…、確かに。ヤツに突き付けてやるには調度良いかもしれねぇな」



そう言うと鬼道と不動は2人で技に取り掛かる。

が、コースがズレてしまう。


すると今のシュートを見ていた佐久間が気づき、何故か不動に謝罪をし、俺も混ぜてくれ!((ドヤっと言い放った。

これ程までに鬼道と不動の“二人だけ”の必殺技が許せなかったのだろうか。

“キラーフィールズ”同様、見逃してくれれば良かったのだが。

だがそれが結果いい方に繋がった。



「俺は究極だ…究極の存在なんだ!」

「究極の物なんか存在しない!皆、究極を目指して努力する…努力するから進化するんだ。自分を究極だと認めたら、進化はそこで終わるぞ!」

「黙れ!!」

「———イタリア代表の座は渡さない。」



此処ん所かっこ良くキメているフィディオからのパス。

最後の希望を掛け、鬼道にパスを出した。



「お前達のシュートは高さが足りないんだ!」

「 高さか!」

「ヘッ、そういうことかよ!」

「行くぞ!」

「「おう!」」





「「「“皇帝ペンギン3号”!」」」