二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:アニメ沿い 『ムゲン・ザ・ハンドを越えろ!』 ( No.28 )
日時: 2011/03/27 13:29
名前: さくら (ID: kEC/cLVA)

『此処が、森苺?』

「多分。俺も来たこと無いから分かんないけど。」

『じゃあ、保障は出来ないってか?』

「そういう事。」



この森苺というカフェ。私が前に行った事がある喫茶店に良く似ている。赤い煉瓦の屋根や薔薇のアーチなどは、そっくりそのままの様だ。

私とフィディオがドアの前であーだこーだ言いながらフィディオがドアノブに手を掛けた瞬間。ドアが行き成り勢い良く開き、フィディオの顔面にクリーンヒット。


「いらっしゃい!!サクラ!!って大丈夫かっ!?」

『大丈夫だよ。フィディオはこれ位では死なないから!』














私達がカフェの中に入ると、其処には“ゴッドリーム”の生き残りの面々が集まっていた。やはり、此処は“森苺”だった様だ。

お兄ちゃんにアンヌさん、エドさんに輝さん、リドルちゃんにモコも集まっていた。どうやらお兄ちゃん達もライオコット島に来ていたみたいだ。あの爆発事故の調査の為だろう。

フィディオは未だに頭を押さえていた。そんなに痛かったのか。フィディオの癖に。


「フィディオ。覚えてないか?俺たちの事。」


その言葉にフィディオはゆっくりと頭を上げ、視線が丁度アンヌさんに行った瞬間、フィディオが固まった。


「ね、姉さん・・・?」

「フィディオ、元気にしてたか?」

「え、いや、でも。何で。」

「相当パニくってるよコイツw」

「まぁ、サクラの時もそうだったからな。無理も無いだろ。」


そう言ってフィディオに以前私にも話してくれた事実を話し始めたお兄ちゃん。フィディオは信じたくないけど私より頭も良いから物分りが早く、話についていけてた。私と違って、もしもアンヌさんが生きていたら、というイメージも事前にしていたみたい。まぁ、希望は薄かったらしいけど。

それでもフィディオはたまに分からない所があって、「え?うん?」などと呟いていた。









フィディオは最後、「今まで何処行ってたんだよ!」やら「散々迷惑掛けて!」やら自分の思っていた事を全部吐き出したらしく、満足していた。吐き出している間はどっちが年上なのか、私も分からなくなってきた。


「・・・まだ、調べてるんですか?裕也さん。」

「あぁ。だけど此処に来て、大体の事は掴めた。」

『大体の事・・・?』

「裕也がね、最高の情報屋を雇ったんだ。」

「情報屋・・・、」
「あぁ。此処には居ないけど、優れた奴だ。それにな・・・・・・・可愛い。」

『うん。いい加減にして。』

「ごめんごめん。名前は“鎖月 薺”。これからお前もお世話になる奴だと思う。名前くらいは覚えとけ。」


“鎖月 薺”という名前を頭の中にしまい、私のバッグからケータイを取り出す。お兄ちゃんが「妙にデコってるな。テラッテラだぞ」と言ったのは気にしない。携帯の画面を見ると、もう時間が迫っていた。早く帰らないと監督に怒られる。


『んじゃあお兄ちゃん。私達、もう帰るよ。』

「ん?もう時間なのか。」

『また来るから。・・・頑張って。』


皆さんさようなら。と言ってカフェを出た。空を見ると、もう日が沈み始めていた。

***