二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: アリスと兎の逃避行 (inzm/長篇小説) バトン発行!! ( No.295 )
日時: 2011/10/05 16:28
名前: さくら (ID: yOB.1d3z)

えっと・・・、次から短編です。
ユキナからの手紙に入っていた短編を、カキコにアップして欲しいとの事なので・・・。
ユキナが書いた短編を、私がうpするという重大な役でして。
では、ユキナの完璧なる短編を、得とご覧あれ。



・何かのパロ
・皆大人です。
・風介とカノンちゃん
・それに私が少しアレンジ。
















(尊い人、聡い人、気高い人、)




「おい、カノン、」




(優しい人、穏やかな人、優雅な人、)




「聞いてるのか?おい、カノン、」




(可愛い人、愛しい人、・・・寂しい人、)



「聞いてる。サッカーの話」

「全然聞いてないじゃないか!」


「ん。ごめん。最近、ぼぉーっとしちゃう事が多くてさ、」

「大丈夫なのか?お前、」



とんとん、と机で書類を調えて立ち上がると、風介が心配そうに見て来るものだから、ついつい意地悪をしたくなる。



「大丈夫じゃ無かったら、どうする?」

「・・・病院に連れて行く」

「治ると思う?」

「治すさ、今の医療ってのは凄いからな、」



凄くとも、人と私じゃ違うだろうに。

そう思ったけど、そうだねと、笑って返した。

それしか出来ない。







最近、どうも忘れっぽい。とうとう痴呆が来たとか?なんて、真情と笑っていた。しかし、笑い事では無い位、記憶の劣化が激しく感じる。

何かを思い出そうにも、思い出せない。

思い出そうとしている内に、また、何を思い出そうとしているのか、忘れる。

まだ、生活に支障は無いけれど、悪化したら大変だ。

少しずつ、身体が歳を取ってきている。

その上での成長?これは、違う。これじゃまるで、退化だ。

ああ嫌だ。歳は取りたくないものだ。切実に思う。

少なくとも、私は人の数倍寿命が長いはずなのに。

どんどん忘れてしまうんじゃないか。そんな恐怖。

ああ、映画の見すぎかもしれない。


でも、どうしよう、止まらない。











「あ、おーいっ、カーノーンーっ!」

「えっ・・・ああ、こんにちわ?」

「久しぶりね」

「・・・・・うん。久しぶり、」



茶髪の女性だ。誰だろう。いや、会った事は・・・あるのだろうか?

その隣に、金髪の女性。私は半歩下がって、軽く解釈した。



「これからサクラと食事に行くの。カノンも一緒にどうかしら?」

「カノンも来なよ。ね?美味しいレストランだよ。ちょっと高いけど、ジュリア様万歳だよ?」



やばい、このままでは、やばい。

此処で真価を発揮する日本人の超スルースキルだな、分かる。

私は、名も知らない女性2人に困った顔を作って、



「ごめん、これから、少し仕事が入ってて・・・・・また今度、誘って、ね・・・、」



そうして、もう一度頭を下げて、すっと2人の横をすり抜けた。

それにしても、誰だったのだろうか。

また、もしかして、私が忘れているだけなのだろうか。


しかし私、よくやった。楽観的に捉える以外に、術を知らない。



「・・・ねぇ、カノンって今日完オフじゃなかったっけ?」

「まぁ、そのはずだけど・・・カノンにも色々あるんでしょ。余計な詮索は遠慮しなさいよ?」

「分かってるって」






***
続きます。