二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: アニメ沿い 『ムゲン・ザ・ハンドを越えろ!』 ( No.30 )
日時: 2011/03/27 14:26
名前: さくら (ID: kEC/cLVA)

空を見上げると、もう日は沈み始めていた。


「ヤバいな。早く帰らないと。」

『何かあるの?』

「うん。まぁ。ミーティングが、」

『えぇ!?ならさっさと帰りなよ!!時間は守らないと!相手がジュリアだったらどうする気!?』

「でも、サクラ一人で帰らせるのは、俺的にも駄目だし。送って行きたいんだけど・・・、でも・・・、あぁぁああああああ!!!!」


そう行って綺麗なブラウンの髪をくしゃくしゃと掻くフィディオ。フィディオの気持ちも分かるけど、多分試合の為のミーティングだと思うから。しかもフィディオは今はキャプテン。キャプテンのフィディオが居ないと始まらない。


『大丈夫大丈夫!!フィディオはキャプテンなんだから。そのまま真っ直ぐ帰らないと駄目でしょ。気持ちだけで良いから!!』

「・・・本当に、大丈夫か?」

『うん!!ほらほら、さっさと帰るー!!』



そういってフィディオと分かれた私。フィディオは「気をつけろよー!」と手を振ってからそのまま走って帰っていった。流石フィディオ。もう見えなくなっちゃった。

すると、反対方向に可愛い洋服屋があった。良く目を凝らして見て見ると、雑貨やアクセサリーなども見えた。


『あ、そうだ!!財布あるんだから、何か買って行こうっとー♪』


(帰る予定だった道からは外れるけど、大丈夫だよね。)















『あっ!!此処の店可愛い!!可愛いよ!!』


カンカン帽にうさ耳カチューシャ、色取り取りサイズ満点のシュシュ達は可愛いし、バンダナカチューシャ、カチューム、マリンキャスまである。洋服も、沢山のジャンルのTシャツは個性豊かだし、ワンピース、スカート、ズボンなど、沢山。他にも、沢山のブランドのポーチなどの雑貨なども沢山ある。まさに楽園だ!!



『あーもう超可愛い!!ぇーっと、これと、これと、あ、後これも———・・・・・』



















『あーもう、買いすぎたなぁ・・・、』


私の両手には抱えきれないほどの紙袋が握られていた。“やっぱりフィディオ連れて来るんだった”と自分の行動に後悔しながらも、もう日が沈みきった道を歩く。

イタリア独特の地中海が再現されているこのイタリアエリア。地中海の波が街灯の光に照らされ、綺麗に輝く。


『どうしよう・・・。持てない・・・。・・・・・・・・・・ん?』


さっきまで重い足取りで進んでいた私の足が止まった。周りを見渡す。見た事が無い風景。迷ったのか?私は一度持っていた全部の紙袋を下ろし、人を探し始めた。・・・が。人が居ない。どうやら私は知らない間に人気の無い所へ出てしまったようだ。


『あああ本当にどうしよう。迷っちゃった・・・、』


後ろを振り向いても、さっき行った店は無い。私は“一度来た道を戻る”という選択権をこの瞬間に無くしてしまったみたいだ。こうなったらもう駄目だ。当ても無く歩いていたら、此処はイタリアだ。マフィアやナンパ男、スリだってわんさか居る。決して、私の心がそれを許さない。


『やっぱり本当にフィディオから送って貰ってるんだった・・・!』


私はそうブツブツと呪文のように独り言を吐き出しながら辺りをぐるぐると廻っていると、近くの路地裏から出てきた誰かと勢い良く衝突したのだった。


***