二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:   アリスと兎の逃避行 (inzm/長篇小説) ( No.373 )
日時: 2012/02/27 18:22
名前: さくら (ID: te9LMWl4)
参照: BUMOMOMOMOMOMOMOMOMOMOMOMO☆









「この世界に、『革命』という名の曲を奏でるなら、」


「咲き乱れる女帝、末永く羽ばたき続けろ。その、欠けた翼でな」




七瀬虹彩。及び、コイロ・シーウェル。
『サッカー』という名の翼を失った虹彩の女帝は、此の世界を変えられるか———。




「…『世の中は公平』なんて…嘘ばっかりじゃん…。」


「あんたらみたいな奴らがあたしは一番大っっ嫌いなんだよ!!」




桜咲く春の入学式。

転入してきた虹彩は、咲夜梓美と出会う。
喧嘩ばかりの世界で生きるしかない。あんな幸せそうにサッカーやってるアイツ等が大嫌い。
あたしは、やりたくても出来ないのに、ちゃんと噛み締めてるのに、唇が血で滲む程我慢して来た。それなのに。




「咲夜。お前、サッカーやらないか?」


「は?」




本当は大好きだったサッカー。
梓美に手を差し伸べた、霧野蘭丸。此れからの二人の運命が、大きく変わる。

あの時霧野が居てくれたから、今のあたしがある。
あんなに迷惑ばかり掛けたのに、あんなに人殴ったのに、怖がる事無く手を差し伸べてくれた霧野やサッカー部の皆に感謝している。




「だってお前、サッカーやりたそうだったから。何時も見てたろ?放課後」




だから今度は、あたしがアイツの事を助けるんだ。
霧野みたいに、あの時あたしを“サッカー”に引き上げてくれたみたいに、今度はあたしが、アイツ———虹彩を。






「確かにお前は強い。一人で俺達全員立てなくする事も出来るだろう。だけど、もう充分じゃないのか?何で、これ以上の強さが欲しいんだ?お前は、」


「お前は、独りじゃないさ。仲間が居るだろ?」




私は此の人が嫌いなのに。
此の人の事が、大嫌いなのに。何で、

神童拓人。今の、墜ちた雷門サッカー部を支える、チームキャプテン。
神童と虹彩の再開が、此の世界に大きな波乱を呼ぶ———!




「独りで抱え込むんじゃない。全て俺達にぶつけても良い。全部受け止めてやるから。だから、

      —————もう少し、周りに頼れよ。もっと、俺達を信じろ!」




そして、二人の間に、新しい感情が、芽生え始める頃。








時を遡る事、10年。
イナズマジャパンがフットボールフロンティア世界大会で優勝し、サッカー界を含め、世界に大きな渦を巻き起こした、あの年。

伝説の、桜の使い手が実在した———。




「サッカーって言うのはね、別に特別な物でもないし、勉強みたいに義務付けられている訳でもない。
 只のスポーツ。そういう遊びなんだけど、その存在一つで世界を変える、大切なものが何か教えてくれる、素晴らしいなスポーツなんだよ。」


「ほら、何処かのサッカー馬鹿が言ってたでしょ?只楽しいだけじゃない。今の自分に必要なものが何か、示してくれるスポーツだって。
 それが、仲間でも、時間でも、…技術でも、ね」



10年前のフットボールフロンティアでは日本代表イナズマジャパンの優勝に大きく貢献した、大会でも数少ない女子選手。
清野サクラ。またの名を、サクラ・カーライト。

虹彩と出会い、10年後の雷門イレブンに革命の火種を植え付け、虹彩と今後の雷門の運命を大きく変える女コーチ。
今、虹彩の師匠———サクラはイタリアから帰国し、日本に居た。





「恐くなんか無い。サッカーは、恐がるモノじゃない。恐がる必要なんてない。お前には、ちゃんと仲間が居るだろ?ソイツ等を信じろ」


「虹彩、お前もサッカーやろうぜ!」




太陽の様な笑顔の似合う伝説のゴールキーパー。
今此処に、アイツが帰ってくる———。




「全く、私も嘗められたものね。こんなんじゃ“ナイトメア・クラウン”の監督も碌にやってられないわ」


「さぁ?其れは貴女が決める事。自分の人生なんだから、自分で決め、一度決めたら其れを絶対に曲げない。
 一度きりの人生。サッカーで生きるんなら其れで良いわ。但し、全うに生きなさい」




海外で“ナイトメア・クラウン”の監督をしている、ジュリア・クラウン。
未だそのサッカーセンスは衰えていない。

突如日本に来日した、彼女の目的とは———?





そして、虹彩が此処までにサッカーを拒否する理由———。




「ええ。状態は今日も安定してるわ。でも、まだ意識は戻っていない。ごめんね、私は専属の医者だと言うのに」


「そ、うですか。……いいえ、大丈夫ですよ。…過去さんの、所為じゃ、無いです。私の所為なんです。私が、日向を!」


「止めろ。お前の所為じゃ無いよ。虹彩。それにこうやってお前は毎日此処に来ている。それだけで日向にとっては充分過ぎる程じゃないのか?」




“日向”とは、虹彩が此処までサッカーを嫌う理由とは、一体何なのか———?

そして、同時に迫り来る、黒い影。




「聖帝。いかが致しましょう」


「…七瀬が雷門に、か。充分に警戒を張っておけ。動きを見せるまで、様子見だ」



「怖気付いて逃げ出したかと思えば、我々に対する革命側に付きましたか。是からの虹彩の成長…ふふっ、見物ですね。
 ですが、成長し過ぎた花は、摘み取らねばなりません。」

「千宮路には伝えたのですか?…白竜とシュウにも、一応伝えて置きましょうか」




フィフスセクターに関係する人間の、隠れた支配者。
彼女は、一体。





「もう、俺は、此のチームには必要無いのかもしれないな、」


「私の為に、こんな事しなくても、—————ッ!?」


「言っただろ。守るって。」





240227
予告完結。改正篇。