二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: FAIRYTAIL 〜闇を砕く魔導士〜 一周年企画開幕!! ( No.431 )
日時: 2012/09/19 16:32
名前: 雷人 ◆5GapKydGRo (ID: nrzyoCaD)

〜第197話 〝判定王に感謝〟 —若者よ 人生をまだまだ生きろ— 〜

闘技場で行われたコロシアムも遂に決勝戦まで進出を遂げ、優勝を託されたライクは謎の蛇使い〝オロチ〟と勝負をしようとしていた。
オロチは余裕の笑みを浮かべ、ライクに対して鼻で笑った。

オロチ「今年初出場の輩に俺は負けねェーよ!!!・・・・・にしてもコイツを越えりゃァ、人斬りを越える実力って事が証明出来んなァ!!!」
ライク「残念ながら優勝すんのは俺だ。」

火花散る二人の間にナレーターの声が響き渡る。

ナレーター「それでは最終決勝戦を御覧下さいっ!!!」
オロチ「体ごと消えやがれっ!!!〝消化毒《スペルアウト》〟!!!!」
ライク「ゲッ!!!・・・・・・轟雷神!!!」
オロチ「嘆きの雨は天に突き刺さる!!!文字通り、テメェの攻撃は逆効果って訳だ!!!」

オロチは自分の口から猛毒を吹き出し、ライクの身体を溶かし消そうとする。しかし、ライクは腕に少量の雷を纏わせて、毒を撃ち払った。

ライク「雷神は火を噴く豪雷炎を生み出す。雷ってのは炎を起こす事も出来るんだぜ。炎に弱い毒とは相性が良い。」
オロチ「大蛇ショット!!!噛まれろォ、大蛇の殺し屋に!!!」
ライク「〝轟雷哮〟!!!」
オロチ「お前の魔法を掴んだ、滅竜魔法だな。竜殺しの魔法、一般的に蛇は竜の一種にも含まれる。通りで弱点な筈だ。」
ライク「滅竜魔法を使い過ぎるとこの世界で使用出来る魔力が少量になるんでね。」

この空間のルールを知らないライクでは合ったがレガーから感じる大量の魔力からこの事に気づいたらしい。
この空間では限られた魔力で生死の判定が下るまで耐え切らねばならない。使い切ったとしてもデメリットは無いが荒れてるこの空間で魔力無しに戦う事は無能に近い。

オロチ「〝アクノスネイクショット〟!!!」
ライク「〝轟雷雨〟!!!お前を越えて、必ず仲間の元へ帰る!!!」
オロチ「優勝すんのは俺だ。『騎士王の名の元に帰還するは大蛇の王』!!!召喚・大蛇〝ヤマタノオロチ〟!!!!」

オロチの姿は黒く刻まれた線の紋章が黒光りを放ち、眼を赤くして怪物化と化した。オロチの背に纏わり付く八頭の大蛇は眼を青く光らせ、舌を突き出して牙を光らせる。

オロチ「大蛇の完全体〝ヤマタノオロチ〟だ!!!絶望と闇に堕ちろォ、滅竜!!!完全体と化した化物に意地でも勝てるか?希望はアンのか!!!」
グラミオン「いかん!!!大蛇の完全体は空間の狭間に大きなダメージを与える危険性がある!!観客席に座る者共を直ちに我の城へ!!」

闘技場の高台に位置する観客席から見ていた生死判定王のグラミオンは危険を判断し、直ちに観客席で盛り上がる客を部下達に避難させた。

グラミオン「古の言い伝えではこう書き残されている。『大蛇〝ヤマタノオロチ〟は異空間で滅竜魔導士に封印をされた。だが、蛇族であるヤマタ民族は自分達の神を封印死されたという事に怒り振るえ、蛇族の主〝ブラッディ・スネイク〟の体内にヤマタノオロチが封印された魔水晶として封印した。ブラッディが死すと魔水晶は次期族主へ封印され、受け継がれて行った』と言われて居る。彼が現在のヤマタノオロチ所有者だとすれば、解放した現在、彼の体は己の心では操作できず、数千年眠り続け、力を溜めたヤマタノオロチはこの空間だけでなく、別世界をも破壊しかねん。」
王妃〝ロビア〟「簡単に説明すれば、ヤマタノオロチに様々な世界・空間を破壊されるのね。」
グラミオン「彼の身体は既にヤマタノオロチのその物だ。ヤマタノオロチが操作する以上、又しても封印する以外に倒せぬ。」
オロチ《完全体》「数千年の眠りから我、目覚めぬ。この肉体が現在の封印場所か・・・。我を封印した人類に復讐の時、此処に有り!!!〝屑蛇《ダストスネイク》〟!!!」

数十倍の魔力を手に入れたオロチ完全体は放つ魔法一つ一つの威力が絶大であった。ライクは避けながらオロチに近づき、オロチの首を掴んで一発殴ろうとした。
しかし、オロチは背後に潜む八頭の蛇達を使い、ライクに神経毒を味わせた。

オロチ《完全体》「その神経毒は苦痛と共に寿命を削る。若僧には最適の死に方だ。・・・・我は生涯この肉体で生きていく。〝地響のエタナリア〟!!!」
ライク「調子に乗ってんじゃねェっっっ!!!!」
グラミオン「馬鹿者ォ!!!」
ライク「覚醒本能、解禁!!!・・・・・・・・覚醒・雷竜のォ翼撃!!!」
オロチ《完全体》「我を封印した人類は名乗り出ろ!!!・・・・・・っと、邪魔な攻撃は止めろ。〝消化毒《スペルアウト》〟!!!」
グラミオン「・・・・・・・・・」

ライクに噴き掛けられた消化用の毒であったがグラミオンがライクの目の前に立ち、歯を食い縛って護り抜いた。無言の状態で肉体が徐々に腐り、消化されていく姿は正しく蛇の獲物その物だ。

グラミオン「・・・・・・・・これだけは伝えて置こう。この空間で受けたダメージは昏睡状態である御主の本当の肉体へも同じダメージを与える。現在、昏睡状態である君の肉体は神経毒を受けている事であろう。」
ライク「・・・・だから俺を庇ったんッスか?」
グラミオン「違うっ!!!若者には未だ人生を生きて欲しいからだ!!!・・・・・大蛇の完全体をこの空間の何処かへ封印してはくれぬか?」
オロチ《完全体》「獲物は黙ってろ!!!〝蛇剣《ジャケン》〟!!!」

オロチは倒れ掛けるグラミオンの心臓部分を猛毒を刃先に持つ剣で突き刺した。グラミオンは死を遂げる。

ライク「・・・・・・・・・・テメェは———————————!!!!」
オロチ《完全体》「聞こえぬ、最悪な人類が!!!」
ライク「テメェは人の命を何だと思ってんだァァァ!!!!」

オロチは蛇剣を振り回すがライクは背を低くして避け切り、覚醒滅竜魔法の奥義〝紫電煌雷神拳〟をオロチへ与えた。
オロチに刻まれた黒い線の紋章は黒光りを放っていたがそれが消え、目元から徐々に肉体が破損していった。

オロチ《完全体》「グゥゥッッァァァ!!!!馬鹿なっ、滅竜魔法に我が・・・・!!!!」
ロビア「・・・・・・・黄色の髪を靡かせ、雷を巧み操る滅竜魔導士は人々に幸福の祈りを与える。古きにヤマタノオロチを封印した滅竜魔導士に似ているわ。」
ライク「これはただの滅竜魔法じゃねェ、蛇にも対応している!!!」
オロチ《完全体》「グハァァッッ!!!!」

オロチの肉体は元へ戻り、ヤマタノオロチの魔水晶は空間を離れて砕き壊れた。オロチは眼を白くし、倒れる。

ロビア「今年度の大会、優勝者は〝ライク・デスティニー〟!!!」
ライク「・・・・・・・生死判定王の言葉に助けられたのに判定王は死んじまった。こんな俺を憎く思っても良い!!!だけど、これだけは言わせてくれ。〝判定王、感謝している〟!!!!」

第198話へ続く