二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: FAIRYTAIL 〜闇を砕く魔導士〜 一周年企画開幕!! ( No.467 )
日時: 2012/12/07 16:47
名前: 雷人 ◆5GapKydGRo (ID: r4Z/N5De)

〜第208話 戦陣を切る無数の部隊〜

シーザーがそう言うと白衣を着た男、ギルド内最強の医術師〝シュタイン・フランケン〟が足音を立てて、シーザーの背後に現れた。

シュタイン「シーザーちゃんが望んでた薬品の改良、終わったよ。それと訪問者を一人、斬りそこねたんだけど、良いかな?」
シーザー「別に構いはしねェさ。お前の意地《プライド》を自覚出来てねェ新人だろ。」

シュタインの意地《プライド》とは背後に人を立たせず、医術室にも足を踏み入れさせないという意地である。それを妨害した物には刑罰として斬り殺されるという。シュタインはそう言う者を〝訪問者〟と呼ぶ。

メリー「アタシにも何か薬品は無いのか、例えば強くなる薬とかさ。」
シュタイン「一応有る事は有るんだけど、これだけは譲れない。下手したら人格を失くす効果を放つからね。魔力を増加させる薬なら現在試作中さ。」
シーザー「本当にこの粒で全身を硬く出来んだろうな?」
シュタイン「その薬は最高と言って良い程の傑作だ。名を〝硬鉄薬〟。望む肉体精神を思い募らせる事が出来たら、鋼鉄の如し頑丈な肉体が実るはずだ。」

シュタインは眼鏡をクイっと上げ、光らせる。その後、白衣のポケットから赤色を帯びた謎の薬を手に取る。

シュタイン「硬鉄薬の効き目が浅ければ、これも飲んでみると良い。〝TM《トリックメディカル》〟。一度飲んだ薬品の効果を引き寄せる薬品だ。」
シーザー「これを飲めば———」
シュタイン「99/100の確率でフレイに勝てる。」
シーザー「フレイ・・・・今度こそはアイツをブッ飛ばす。」

第六黒書〝フレイ・ジークフリード〟。炎の海賊団を結成させ、現在は長旅に出ているが近々帰還するらしい。実力は第二黒書のシーザー以上である。

スカル「正式には彼の方が実力は上だが旅がどうとかでマスターの気に障ったらしく、現在は第六黒書まで下がったか。」
シーザー「実力何ぞはどうでも良い!!!アイツに勝てさえすりゃァ。」
シュタイン「フレイの魔法は〝炎の造形魔法〟。鋼鉄に成ろうとアイツの魔法は避けられないと思うけどな。」
クルト「フレイさんのマグマは尋常じゃありませんからね。」

—————時同じくして、妖精の尻尾:ギルド内

マカロフ「またこっ酷く壊滅された《やられた》モノじゃ。」
ミラジェーン「マスター、工事の手配手続き終わりました。事情を説明したら無償対応して頂けるそうです。」
ラクサス「俺がもう少し早くクエストから帰ってりゃ!!!」
ゼオン「お前の性じゃねェよ、全部は野郎共がワリィんだ。」
グレイ「爺さん!!!このまま放って置いて良いのか?」
マカロフ「放って置く訳無かろうが!!!・・・・・・・こっちはギルド破損、ナツ重傷、ワシの腹一つ、その他色々を踏み台にされとるんじゃ!!!・・・・・・・・流石のワシも堪忍袋の緒が切れたわぃ。攻めるぞ、敵ギルドに。」

全魔導士は攻める準備をし、ナツの看病はミラジェーンとリサーナに任せて敵ギルド〝暗黒の神脅〟へと攻め込んだ。

マカロフ「良いな、誰が倒れようとも振り向くでない。ただ真っ直ぐに。敵のギルドマスターだけを集中して攻撃じゃ。・・・・・・他の魔導士共は今のお前等じゃ、一対一だろうと十対一じゃろうと負けるにきまっとる。」
ライク「評議院全面戦争を仕出かした奴共だからな。」
マカロフ「一心同体、絆で勝利を収めるのじゃっ!!!」
全魔導士「シャァッッ!!!」

マカロフを先頭に全魔導士は銃やら長刀やら、剣やらを持ち歩いた。ただ敵ギルドを目指して。
—————敵ギルド〝暗黒の神脅〟・ギルド内にて

第五黒書〝フレイ・ジークフリード〟「今帰った。」
第六黒書〝ゼス・バンテージ〟「約束通り、美味い酒は持ってきたんじゃろうな?」
フレイ「珍味な酒だ、欲しけりゃ飲め、酒爺。」
ゼス「珍味?」
フレイ「そいつは俺の故郷の味だ。飲み干さねェと怒りが爆発すんぜ。」
ゼス「ガッハッハ、こりゃお前の故郷の酒か。通りで美味い酒だ。・・・・・・久しぶりに一戦、交えるか?」

ゼスは胡坐の体勢から腰を上げ、立ち上がるとフレイに日本刀の様な長刀を構える。対するフレイも腰に構える太刀を手元に持ち、ゼスを警戒する。

シーザー「コイツの相手は俺だぞ、爺!!老人は引っ込ん出ろ!!」
ゼス「堅てェ事言うな、シーザー。一瞬でケリ付けるからよ。」
フレイ「・・・・・・・・・〝フレアメイク—槍騎兵《ランス》〟!!!」
ゼス「〝海嵐《マリンストーム》〟!!!」

相性が悪い炎の槍だが海水で渦を巻く嵐を自由自在に避け、ゼスの腹を貫通した。

ゼス「腹一発、奪い取るとは腕を上げたな、フレイ。・・・・・・〝キメラ〟!!!」
フレイ「・・・・・・・・・〝フレアメイク—大盾《シールド》〟!!!」

ゼスは長刀を振り翳し、空間を引き裂くがフレイは盾で身を護り、残念ながら傷一つ付ける事は出来なかった。

ゼス「完敗じゃ。だが、今回の旅は良く此処まで腕を上げさせたな。」
フレイ「アクノロギアを討伐できなかったギルダーツ見たいな格好で帰る訳にもイカねぇからな。」
ゼス「同感だ。」
シーザー「次は俺と勝負だ、フレイ。」
フレイ「お前とはこれで何戦目だ、シーザー?・・・・・・〝炎獣—キマイラ〟!!!!」

フレイは目の前に炎で造形した獣〝キマイラ〟を出現させ、シーザーに向かって牙を向いた。

フレイ「お前の考える事は全て把握出来んだよ。どうせ、シュタインに頼んで鋼鉄体になる薬でも貰ったんだろ?・・・・・・炎獣には攻撃は当たらねェ。お前の負けは見えてんだよ。」
シーザー「ゼスよりも腕の良い技を見せてくれんだな。」
フレイ「面倒だからな、お前の延長戦は。一撃で決めた方が良いだろ。」
シーザー「完敗だ。」

シーザーは膝を付いて、座った。ゼスも戦後の一杯と鱈腹の酒を飲み干し、フレイから今回の旅の事を聞いた。

フレイ「取り合えず、炎の海賊団船長の俺は次回の長旅を気に最後と伝えてきた。」
シーザー「炎の海賊団を辞退したってのか?」
フレイ「元々の定めだ、仕方が無い。マスターから海賊を選ぶか、魔導士を選ぶかを選択させられてな。海賊共には仕方ねぇけど、俺は魔導士で生きていく。」
二代目マスター〝カイジ・アクエリオン〟「容訳選択肢を定めたか、フレイ。俺に付いて来る自信がアンだな?」
フレイ「勿論。・・・・・だが、同レベルのお前に付いて行くっつー自信はねぇ。」
カイジ「フン、笑わせてくれる。楽しくやろうぜ、フレイ。」
フレイ「当然だ。」

第209話へ続く