二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: FAIRYTAIL 〜闇を砕く魔導士〜 コメント募集中 ( No.500 )
日時: 2013/03/23 18:03
名前: 雷人 ◆5GapKydGRo (ID: UTfJ0T6c)

【番外編】〜第四話 末裔〜

グールド襲撃から一夜明け、早朝に目覚めたマカロフはギルドの園庭へと腰を下ろしていた。それを見掛けたラクサスは一言、声を掛ける。

ラクサス「本当にギルドを解散させる気なのか?」
マカロフ「・・・・・全てはワシの力不足が招いた結果。これも何かの縁じゃろう。本日限りで我が誇りのギルド〝妖精の尻尾〟は解散と決定事項じゃ。」
ラクサス「ナツやエルザには話の筋、通してんのか?」
マカロフ「これから言うつもりじゃ。じゃが、行き場を失った奴等に取って、〝妖精の尻尾〟は我が家その物。それを撤去するなど、賛成する筈も無かろう。」

マカロフは腰を上げ、ギルド外へと出ようとした。そんなマカロフを見かねたラクサスが口を開いた。

ラクサス「簡単に諦めて良い事なのかよ、爺。ギルド解散は俺等にとって、最悪な事態だ。それを気安く諦めて良い物なのかよ!」
マカロフ「言うてもグールドの実力を見たじゃろう!・・・・・これ以上、我が魔導士に怪我をさせればワシのプライドに反する!」
ラクサス「少しは俺等を頼れよ、糞爺!!!!!!」

ラクサスはマカロフの言葉を一瞬で返し、怒号を上げる。そして、拳を強く握る。

ラクサス「昨日は俺やフリードしか居なかったが、今はS級魔導士のエルザだってナツだって居るんだ。ぜってーに負けねェチームだろ。」
マカロフ「・・・・・・ぉ、おぉっ。」

先程の怒号に目を覚ましたのか、全身を包帯で巻かれたナツがラクサスへ手を振る。

ナツ「そう言う事か。ワリィなァ、俺等のせいで皆に迷惑掛けちまって。あの爆弾野郎をブッ飛ばしに行くんだろ?次こそは負けねェぞ!!」
マカロフ「ナツっぅ!!!怪我の方は大丈夫なのか?」
ナツ「多少痛む所はあるけど、じっちゃんを困らせた野郎だ。痛みを倍にして、いや100倍にして返してやるっっ!!!!!」
グレイ「イテテテ、朝っぱらからうるせェーぞ、ラクサス。声を上げんなら、〝戦い〟の時まで取っとけよな。」
ライク「俺等は解散なんかしねェ。この紋章が俺等を繋ぎ止める。」

ライクは右肩の紋章を見せ、その言葉にマカロフやナツは頷いた。そして、他の魔導士達を起こし、戦いの準備へと励んだ。

マカロフ「強敵と数えられる大物は〝四人〟じゃ。まずはマスター〝グールド〟!!!次に辻斬り剣士〝梅軒〟!その次に欲望女王〝シンシア〟!最後に過去の囚われ〝ファンロン〟!コイツ等が主に梃子摺るやもしれん。」
エルザ「辻斬り剣士か......面白い、梅軒は私が受けよう。」
ルーシィ「だったら、私はウェンディと〝シンシア〟を倒すわ!欲望に塗れた心、綺麗に流してあげるわ!」
ウェンディ「分かりました、ルーシィさん!」
シャルル「無茶しちゃ駄目よ。」
グレイ「ライク、二人で〝ファンロン〟っつー野郎をブッ飛ばすか!」
ライク「喧嘩上等!任せとけ!」
ジュビア「(グレイさんと一緒に戦えるなんて、何て運の強い子!!)」

ジュビアは心の中でライクを憎むがライクにはその感情すら届いて居らず、普通にグレイと会話を楽しんでいた。

ナツ「俺は意地でも無理でもグールドをブッ飛ばさねェと気が晴れねェ!!!ラクサス、一緒に野郎ブッ飛ばしてくれるよな!」
ラクサス「あぁ。」
マカロフ「その他の魔導士達はこの四人を倒す手助けか、周囲の部下を倒してくれ!乗り込み、開始じゃ!!!」
全魔導士「おぉぉっっ!!!」

こうして、妖精の尻尾は反撃戦へと急いだ。時同じくして、夢魔の目にて。

グールド「〝狂乱の曲芸界《イビルサーカス》〟!?」
シンシア「えぇ。何でも私達と同じ〝独立ギルド〟らしいですわ。」
グールド「ソイツ等の目的は何じゃ?」
シンシア「〝世界平和〟らしいですわ。私達とは正反対の目的を持つ、邪魔者。私が排除して参りますわ。」
グールド「待て。・・・・・面白い、ワシが行こう。」

そう言うとグールドは座る玉座から腰を上げ、ギルドを去って行った。
—————数十分後 夢魔の目付近にて

ライク「あのデカい城見てェな建物が〝夢魔の目〟のギルドか?随分贅沢な野郎共だな。」
ナツ「グールドをブッ飛ばして、絶対に謝罪させてやる!!」
ラクサス「取り敢えずは下見拝見だ。俺とナツで先に乗り込む。それに続いて、爺と他の奴等は暴れろ!」
???「止めた方が良いぜ、小僧。オレが居る限り、夢魔の目は潰れやしないさ。」

ラクサスの言葉に続いて、魔導士達の背後からは大剣を背中に背負い込む女が現れた。そして、言葉を挿む。

???「〝衝突隕石《キラーブラスト》〟!!!」
ラクサス「危ねェ、ナツ!!!」

ラクサスは危険に感知したのか、ナツを吹き飛ばして絶大な魔力を体内へ浴びる。その威力は巨人に踏まれた時の痛みと同様である。

ナツ&マカロフ「ラクサス!!!」
???「オレの名は〝ゼロノア〟。元は評議院だが、腹の虫が日々呻いてな。〝人斬り〟として夢魔の目の門番代わりをさせてもらってる。」
ナツ「てめぇっっ!!」
ゼロノア「〝封の獄〟。」

ゼロノアは攻め込んで来るナツへ対して、目の前で術式を張り、動きを止めた。そして、腹へ一発蹴りを入れる。当然、ナツは吹き飛んだ。

ゼロノア「〝ブラックショット〟!」
グレイ「〝アイスメイク—散弾狙撃《ブレットショット》〟!!!」

ゼロノアは黒光りを纏う星屑を撃ち込むが、グレイの氷の塊が粉砕されて散らばり、星屑を押さえ込んだ。

ゼロノア「あぁっっ、ウゼェ!!!ウゼェんだよ、テメェ等!面倒だから早く死ねっ!それともオレの奴隷として働くか?」
???「真剣は武士同士で争うモンやで、お譲ちゃん。」

ゼロノアは背中の大剣を振り下ろし、倒れ込むナツを斬り殺そうとするが、それを長い刀を持つ男が阻止した。

???「ワイは唯の武士ちゃうで。〝烈火一門流〟を受け継いだ、『烈火 九兵衛』の末裔、〝烈火 鉄之助〟じゃき!」
シャルル「何なの、あの男?」
鉄之助「ワイを侮らんで欲しいわァ〜、子猫ちゃん。ちょっと下がっとき。・・・・・烈火一門流の名に懸けて、その首ィ...ァ、頂戴頂きやす!」
ゼロノア「〝牙剣《がけん》〟!」

ゼロノアは術式を大剣へと掛け、大剣は化物の様に口を開いて牙を向く。

鉄之助「ありゃァ〜。それ、もう剣じゃないですやん。化物ですやん。・・・・まっ、どちらにしても斬り砕けん事は無いがのぅ〜。」
ゼロノア「ふざけた爺だ。オレの相棒は既に化け物を超えた言うなれば魔物だ!・・・・・斬り砕く?馬鹿か!オレの相棒はどの剣よりも堅く、どの剣よりも強いんだ!」
鉄之助「曲がっとる。」
ゼロノア「!?」
鉄之助「その剣の刃、曲がりくねって痛ごうてるで!それと主の心も錆付いとるで!」

鉄之助は己の身長の3倍程の大剣を木端微塵に斬り砕き、鞘へ刀を収めると同時にゼロノアの顔へ掠り傷を付けた。

鉄之助「言うても相手は女性や。腹斬ぃたり、貫通させたりする事は〝武家〟の恥じゃ。・・・・・自分の親と天の神と性別に感謝するんじゃな!ほいじゃ!」
ゼロノア「オレの心が錆び付いてる?笑わせるな!大剣は斬れてもオレは斬れねぇぞ!魔法を使わない限り!」
鉄之助「しつこいねん!」

鉄之助は腰に提げる鞘の先でゼロノアの額を打ち、気絶させる。

鉄之助「武士が敵倒して、格好良う去って行く場面をベラベラベラベラ言い居って!餓鬼じゃあるまい!ワイは格好良う去りとうかったねん!ええ加減にせぇ!」
ルーシィ「本当に何なのかしら、あの人・・・」
ナツ「行こうぜ!」
グレイ「だな!」
鉄之助「ちょっ!ちょいちょい、待ちィや!ワイは主等を助けたんやで?簡単にワイを去らせてええんか?」
ナツ「いや、別に俺等、助けなんて頼んじゃ居ねェし...?」
鉄之助「えぇっ!!!うえぇぇっっ!!!!そういうのなんか、近頃の若者は?もっとこう・・・・時代劇風に決めようやないか!」
グレイ「いや、俺等急いでるからよ。すまねェな。・・・・・ほら、行くぞ。」
鉄之助「何やねん!」

第五話へ続く