二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: NARUTO疾風伝 ψ鉛雲の章 ( No.2 )
日時: 2011/05/03 16:44
名前: おぷゥ (ID: wnkXBzTQ)

 

  「今回の任務は、……鬼の捕縛だ」




 重苦しい空気の中、綱手が両手をついて声をあげた。




 鬼・・・・


 
「……鬼、ですか」
はたけカカシはそう言って眉間にシワをよせる。


鬼が存在してるなんてな……


……木の葉隠れ第七班は、任務の説明を受けていた。
その内容は「鉛の国での、鬼の捕縛」らしい。

 

 サクラは少し張りつめた顔になり、サイはこんな時でも無表情だった。



 一方、ナルトは……


 「鬼いいいいいいぃぃいい!?」

    「うるっさい!!!!!」



 ゴチンッ!!

 

 過剰な反応をしてしまいサクラに殴られてしまった。

綱手は、やれやれとその様子を見ている。

「ひどいってばよ〜サクラちゃあん……」

ナルトは痛そうに頭を抱えた、サクラは「当然よ」といってナルトを睨む。



 だいったい……師匠がキレたら生きて帰れないんだから……!!
 

 「……おい、二人とも」
横目でその茶番劇を見ていたカカシは不安を抱えはじめていた。

 
マスクの上からでも、呆れた表情をしているのがわかる。
 

 サクラは、そんなカカシの視線に気づいたのか苦笑いをこぼしながら綱手の方を向く。



綱手はまた、やれやれと呟きカカシを見据えた。

「カカシ」
「あ……はい、何でしょう?」

 


突如、綱手に名を呼ばれたカカシは、すぐに話を聞く姿勢を整えた。
 綱手は、少し戸惑うような声で…




 「今回は一人の暗部と共に任務をすることになる」


そう言った。



     暗部……?

 
4人とも首をかしげる。


  ……必要無いと思うんだけど………

サイは少しだけ顔をゆがませる。
最近、あまり『根』の者たちに信用されていないからだ。
今、彼は嫌悪の意味を理解した。
 


「……暗部」
ナルトは虚ろに呟いた。

ナルトも暗部に良い思いなどをしたことがなかった。



 カカシは、そんな二人の様子を見て目を閉じる

 
  暗部が同行するなんて……珍しいな。


 カカシはちらっと、綱手を見た。
綱手は珍しく緊張したように椅子に座っている。



  綱手様……?


何があったのだろうと聞こうとしたが、綱手には届きそうもなかった。
綱手は口を開き説明をはじめる。

「だが、暗部が同行するということは……それなりの危険が伴うという事だ。……今のお前達なら大丈夫だとは思うが…気は抜くなよ?」


ナルトはニカっと笑った。

「ういっす!!まかせろってば!ばーちゃん!!」
ナルトの声に綱手もニコリと笑う。
だが、その表情は強張っていた。


 綱手は、微かに震える両手を重ねて手を叩く。

 パンッ パンッ!!!





二回ほど強く響いた破裂音。

それと共に、何かの気配を感じた。
室内に激しいチャクラを5人は肌に感じる。



  シュッ!

ナルトの目の前を黒い何かが通り過ぎた。
 ナルトは一瞬、目を閉じるとそこには……


 黒い服に身を包み、黒い狐の面をつけた、男が五代目火影の前に、ひざまずいていた。


  コイツか……?

 カカシがその男に近づいた。


気配に気づいたのか、男は立ち上がりカカシ達に振り返る。

 あまりに不気味な格好をしているので、思わずナルトは「お前誰だよ!」と叫んでしまった。

カカシはナルトに目をやり

 「まて」

と、制した。

綱手はそんな男の背中を見ながら、少し重い顔をしたいたのだった。


   ……何もなければいいのだが………



 「大丈夫だ。コイツは暗部の・・・・」
綱手が言葉をつなげようとする。

   「夜鐘【ヨルガネ】です」
だが、その言葉をさえぎった少し低い声の男。
 優しい口調だが、どこか重みがある。


黒い衣のフードからは赤い髪がチラついている。
対照的な赤に、思わずサクラが顔をしかめる。


  なんて不気味なの……



失礼かもしれないけれど、と心の中で彼女はそう続けた。
 

  「…はぁ」

綱手がため息をついて、口を開く。

  「今回、第7班に同行することとなった暗部…隗【カイ】の総隊長だ」



 ……夜鐘…あまり派手な動きはするなよ……


  
  
  「よろしくお願いしますね?……」
夜鐘は仮面の下で笑った。