二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 暗い森のサーカス ボカロ ( No.10 )
日時: 2011/05/05 20:43
名前: 猫科の犬 (ID: KrNEmkft)
参照: http://ugomemo.hatena.ne.jp/

第4話 彼女の願い

待合室。といっても、牢獄のような場所だった。
その牢獄の中に目隠しをしている歌姫、ミクがいた。
ミクの前には双子のリン、レンがいる。
なぜ牢獄の中に入ってるというのかというと、逃げ出す可能性があるかもしれないからだった。
「あの子が、カナcが、私を哀れな目でみていたの!どうして?」
ミクがリン、レンに向かって叫ぶ。
「だってミク姉だけ雰囲気ぶちこわれじゃん。」
レンがミクに向かってひどいことをいう。
でも、その言葉はあっていた。
リン、レンは、ものすごくといっていいほど明るい感じなのに、
ミクが出る時は、いつも暗い感じになってしまう。
そう。ミクが出てくる時だけ雰囲気が暗くなるのだ。
それは、ミクが普通の人にこんな姿を見せたくないと思っているせいでもあるのだろう。
その気持ちがまわりに暗い雰囲気を出すのだろう。
「そうだよ。ミク姉。もっと楽しい気持ちで出ていけばいいのに。あの奇麗な歌声はどうしちゃったの?」
今度は、リンがそう話す。
「望んでこんな歌声になったわけじゃないのよ?なのにカナcは哀れな目でみるの!」
「だってあの子は僕達の事情を知らないだろう?当たり前じゃないか。」
リン、レンがミクの目を隠している布をとった。
ミクは泣いていた。腐った顔になって泣いていた。
「何泣いてんの?馬鹿なの?」
「かわいそうに。僕とリン以上に顔が腐ってるそんな楽しんでないからそうなるんだよ」
「リン!レン!そろそろ出番よ!速く行きなさい!」
座長の声がした。
双子は、ミクを置いて会場へいこうとした。座長は、もうさきにいっている。
「どうして?どうして慰めてくれないの?」
ミクが双子を呼びとめる。双子は振り返った。そしてまたミクに近づく。
「どうして?慰めなきゃいけないの?リン達も顔が腐ってんだよ?肌は爛れてんだよ?」
リンが言う。それに続けてレンも言う。
「そうだよ。ミク姉。僕達もミク姉と状況は一緒なんだよ。」
そういってレンがミクの長い髪をつかむ。
奇麗にまとまっていて花のようなにおいがする髪をつかむ。
「苦しいの。苦しいのよ!!!苦しくて仕方がないのよ!!!」
ミクが泣き叫ぶ。
リン、レンの方向を見て泣き叫ぶ。その姿は、哀れだった。
「だから?何?苦しいから慰めて欲しいの?慰めても何も変わらないでしょ?」
リンがいった。冷たい態度でいった。
「そうだよミク姉。何も変わらないよ。だって慰めてもこのサーカスは、永遠に続くんだ。」
今度はレンがいう。そして最後に2人同時にいった。
「いちいち慰めてたらキリがない。ミク姉」



「リン!レン!速くしなさい!」
また座長の声がした。
双子は、今度こそミクを置いて会場へ戻っていった。