二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ココロ ボカロ ( No.20 )
日時: 2011/05/13 19:53
名前: 猫科の犬 (ID: KrNEmkft)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

第1話 1つのプログラム

「よしっ。ついに完成した!」
孤独になってしまった科学者、鏡音レンは幸せを作り上げていた。
レンはあの日から、孤独じゃなければ幸せだということを知った。
誰も1人はみんなさびしいんだって知った。
だから幸せを自分の手で作り上げた。
その幸せはロボット。アンドロイドに近い形で作られた。
デザイン、アイディアは全てレンが考えだしたもの。
その形はまだ小さい頃になくしてしまった双子の鏡音リンだった。
今のレンの大きさにあわせた鏡音リン。身長などは全て想像のものだった。
でも双子ということで作りやすかった。
「出来栄えを言うなら。そうだな。奇跡。奇跡のロボット。」
レンは1人呟く。そして手を伸ばしリンの起動スイッチを押す。そしてリンは目覚める。
「起動。終了シマシタ。貴方ノ名前ハ?」
「鏡音レン。君の博士かな?」
レンはリンに笑って答える。しかしリンは無表情で答えてくる。
「ワカリマシタ。デハ、博士ト呼バセテモライマス」
「うん。よろしくね。」
あいまいな言葉でレンは答えた。
そう。1つあることに気付いた。それは「ココロ」というプログラム。
それを作るのを忘れていた。
レンは、困った。そしてココロというプログラムを作ることを心がけた。
だからレンはとりあえずサクラを植えることにした。
このサクラが大きくなる頃には「ココロ」を作り上げているということを願って。

数日後、レンは音楽を教えることにした。
この音楽で何か「ココロ」を理解してくれないかなと。

数十年、時が過ぎた。

孤独な科学者の寿命はもう短い。
だけどまだ「ココロ」のプログラムは後もうちょっとの所だったが完成していなかった。
サクラは、もうすでに大きく育っていた。
レンは最後にリンにあるものを渡す。
「君にココロが出来た時。この音に歌詞をつけて歌って。」
レンが前に教えていた音とは違うものだった。
全てレンが作った音だった。
「博士。ココロトハナンデスカ?」
「そのうちわかるよ。」

数日後 レンは、イスに座った状態で死んでいた。
紅茶を運びに来たリンは、それに気づいた。
だけどリンは紅茶がのったおぼんを机の上においてどこかにいってしまった。
リンは、それを見ても何も反応はしなかった

悲しんだりしなかった

喜んだりしなかった

ただ、ただその光景をちらっと見ただけだった。

「博士ハモウ死ンダンダ。コウイウ時人間ハウメルトイウコトヲスル。私モヤラナキャ」

リンはまた戻ってきてレンを背負って外へ連れ出した。
そしてサクラの木の下にうめる。
リンは、うめた後すぐに家に戻った。