二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 紙飛行機 ボカロ ( No.42 )
日時: 2011/07/06 19:03
名前: 猫科の犬 (ID: 4NzAaWKB)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

第2話 未来の輝き

リンは、毎日のように仕事場へいっては病院に戻るという繰り返しだった。
そして自分の病室に戻って、彼の手紙を読む。
それがリンにとって幸せなひと時でもあった。
冷たかったココロが急にふと暖かくなったような。
そんな感じになる。
読んでいる時に頬を赤く染める時がある。
それは、病気のせいじゃない。自分が彼に恋をしているという意味だった。
リンは、その時初めて「恋」というものを知った。

その時、リンの父が病室に入ってきた。
そしてリンが読んでいた手紙を奪い取るような形でリンから取る。
リンの父は、その手紙を読んで外の人と手紙のやりとりをやっているということに気づく。
そして最後、リンの父は手紙は、ぐしゃぐしゃに丸めてゴミ箱へリンの目の前で捨てた。

「もうこの手紙の相手とは、会うな!!」

リンの父は、強くリンにいってから、病室を出て行った。


なんで?あの子に会っちゃいけないの?
どうして?あの子もリンも何も悪いことしてないのに・・・。


リンにはわからなかった。なぜ彼に会っていけないのか。
でもリンの父にはハッキリとした理由がある。
病室を出て行ってから、リンの父は悲しんでいた。
『あの体でもうこれ以上仕事場に来て欲しくない』
と。
ちゃんとした理由があったのだ。
しかし、リンの父は亡くなってしまったリンの母のように器用ではなく、いつもこんな感じになってしまう。
でもリンの父は、そういう気持ちを持っていた。

リンは、病室の中で捨てられてしまった手紙をもう一度奇麗にひろげ泣いていた。
リンにとって、彼は大切な存在だった。
何もかも諦めようとしていた前の日に会った彼は生きる為になっていた。
もし、彼にあっていなければ今頃リンは1人病室で光のささないこの部屋で
死をずっと待っていただろう。
だけど今のリンには、病室に光はないが未来は輝いていた。