二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 紙飛行機 ボカロ ( No.43 )
- 日時: 2011/07/07 22:45
- 名前: 猫科の犬 (ID: 4NzAaWKB)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v
第3話 決心した別れ
あの日から、彼に会うのが1日置きになった。
そしてその度に管の数もどんどん増えていく。
もう、耳も使えなくなってきたかな・・・。
もうそろそろ死期が近づいてきているのか、どんどん病状は悪化してきている。
いつ死んでしまうのかわからない状況でいた。
いつ死ぬのかもわからない。
もし死んでしまうまで彼に会えずにこの部屋からでれないならそれは、悲しい。
だから、これが最後の紙飛行機にしよう。
あの子に、心配させたくないもん。
そう思ってリンは、思い切って管を1本ずつ丁寧にはずしていく。
そして服をはおってから部屋を出て壁や手すりを使いながら彼の場所へ向かっていく。
そして父の仕事場について、彼の所まで来て自分の持っている紙飛行機を、
彼に「さようなら」の思いをのせて、思い切り残りわずかな力を振り絞って彼になげた。
彼は、その紙飛行機を受け取り文章を読み始めた。
1行しかなかったけど。
リンは、彼が読み終わる前に帰ってしまう。
もう体力がもたないのだ。父が帰ってくるまでに病室に帰れないと感じていた。
帰ろうとしていたのに、彼は話しかけてきた。
「待ってるから!」
でもリンは、振り返らない。
涙が出そうだったから。もう会えないのに、「待つ」といってくれて、それだけで嬉しかった。
もう、君に心配はかけたくない。だから、涙も見せない。
「ずっと待ってるよ!この手紙・・・全部の紙飛行機を大事に、大事に持っていたら、また会えるよね?」
リンは、その言葉に返事をしようと振り返りそうになったがすぐにやめた。
涙を流していた。
だから振り返らずにそのまま真っ直ぐ帰った。
彼から見えないあたりまで来たかなという所でリンが、座り込んでしまった。
かなり息が荒い。
「リ・・・ン・・・?」
そこへリンを呼ぶ声がした。
リンの父だった。
「また、仕事場にいったのか!!」
そういって、リンの父はリンに近づく。
リンの意識は、もうろうとしていた。視界がどんどんぼやけて見えてくる。
リンの父は、そのリンの様子を見てすぐに抱きかかえ病院へと向かった。
これで、君にももう会えないのかな。
バイバイっていっちゃったし、会えないよね・・・。