二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 紙飛行機 ボカロ ( No.44 )
日時: 2011/07/08 20:19
名前: 猫科の犬 (ID: L1jL6eOs)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

第4話 最後の手紙

リンの父は、病院へリンを届けてから医者に呼ばれて告げられた。
『あの子の命は、もう3ヶ月くらししかもたないだろう・・・。』
リンの父は、思う。


最後まで歩けなくなるまで、あの子に送っていた紙飛行機。
知っていた。全て知っていた。だけど止められなかった。
あの子が、いたからリンは・・・・。


そして、すぐに仕事場へ父は向かった。

「レンは仕事についてないのか?」

「はい。まだ・・・。」

「そうか。」

そういって父は、彼がいる部屋へ向かう。
そこには、紙飛行機を抱いた彼の姿があった。
父は、その抱いている紙飛行機を1枚拾い読み始めた。
彼は、他の係員2人に抑えつけられているのにもかかわらず暴れていた。
その手紙は、確かにリンの文字だった。
リンは、他人にこんなに自分のことを話したことは1度もなかった。
もちろん父にも。

そして、その持っている手紙を彼の目の前でびりびりに破く。

「囚人のくせに女の子の一般人と手紙のやりとりか。」

「なっ!!何をするんだ!!彼女の・・・彼女の手紙を!!!」

彼は、係員の手を振り払ってリンの父を殴る。思い切り1発殴った。


ごめん。


なぐられた瞬間そういう思いがリンの父にはあった。

係員の人はすぐにまたおさえつける。
しかしまだ彼は叫ぶ

「離せッ!!!その手を離せよ!!!」

「こいつッ!!」

「くそっ暴れるな!!」

係員の人は、必死になっておさえつけた。
父は、今度は地面に落ちている残りの紙飛行機を踏みつける。

「やめろぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!!!!!」

彼は泣き叫んだ。
目の前で大切な手紙を破られ、目の前で大切な手紙を踏みつけられた。




「うわぁぁぁぁぁああああああ!!」





レンは思い切り暴れたが、もう二度とその手から離れられることはなかった。
周りは、不気味な笑いをしていた。
だけど1人だけ、リンの父だけは笑っていなかった。
リンの父は、それを見ているのが辛くて最後に彼に絶望の言葉を告げる。

「この囚人をあの部屋へいれておけ。3ヶ月後に毒ガスでやってしまおう。」

「「了解しました。」」

リンの父は、冷たくいいはなった。
そして係員は彼を連れていく。
その間もものすごく暴れていた。


この方法しかなかったんだ。
この方法しか・・・。リンの恋を叶えるには、向こうで叶えてもらうしかないんだ。
だから、これで・・・・これでいいんだ・・・。
リンが向こうで幸せになれるならなんでもいい。
最後にリンに、幸せになって欲しいんだ。


そして、父はぐしゃぐしゃになった紙飛行機が散らばっている所ではない所に奇麗に折ってある、
1つの紙飛行機を見つけた。

それは、彼が2度とリンと会えないのを知って、それでも書いた手紙だった。
そこには、たった1行で「お帰り」とだけ書いてあった。
リンの父は、その紙飛行機を大事に持ってリンがいる病院へ向かった。