二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少女と黒い猫 ボカロ リク的なもの募集中 ( No.51 )
日時: 2011/07/31 22:14
名前: 猫科の犬 (ID: LsYW7S6m)
参照: http://www.pixiv.net/member_illust.php

第4話 人々の噂

リンの故郷から遠く離れた街。
ここでは、いろんな人がにぎわっている。
リンが旅立ってから時は巡り、廻っていた。
もちろん、リンは記憶を取り戻すためにこの街も通っている。
クロと一緒に。
そして、その少女をあの亡き国の姫ではないか?と噂になっている所もあった。
これは、その1部。

ある店の中で1人の男性とその友人らしき人物が一緒に話していた。
「なぁ知ってるか?最近の噂。」

「最近の?どんな噂だ?」

「亡国の姫君が今も生きているという噂だよ。」
それをきいていた友人は、思いついたように手をたたいた。
「あぁ!あれか!あの姫君が黒い使い魔を従えてるって噂か?故郷を取り戻すために旅をしてるとか。」

「そうだよ。それそれ。」
その話にまわりできいていた他のお客もわりこんできた。
「その噂には、まだ続きがあるんだぜ?」

「へぇ〜どんな噂だよ?」

「その姫君は、何をいわれたってただお父様達は生きているといって諦めないそうだよ。」

「誇り高いよな。」

「あぁ。」

その噂は、リンの耳にも少し届いていた。
旅をしている身だ。噂の1つや2つはきくだろう。




「クロ。後もうちょっとだよ。後もうちょっと。」

「・・・。」

リンに話しかけられたクロは、何もいわない。
ただ、リンの横を同じペースで歩いていた。


・・・絶対にいくんだ。故郷に。たとえ何十年かかったとしても、リンは、故郷へ帰ってみせる。
仲間が、お父様が、お母様がリンのことを生きて待っててくれてるんだから。
リンのことをいつまでも待っててくれるんだ。リンは諦めない。
クロに貰ったあの花を。故郷の花を故郷でこの手に抱くまで絶対にあきらめない。


「にゃー」

クロが鳴いた。
リンの気持ちに応えるようにして鳴いた。