二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: サイハテ ボカロ リク的なもの募集中 ( No.55 )
- 日時: 2011/08/13 13:09
- 名前: 猫科の犬 (ID: UDcUxrh6)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v
第1話 天国への歌声
あの事故があってすぐに、ミクとその彼は病院に運ばれたが
彼の出血は、ひどいもので輸血してももう手遅れということだった。
でもミクの方は、彼に助けってもらったため、
死にいたるような怪我はしてなかったが、足の片方がものすごく重傷で車いすや、
誰かの肩を借りないと歩けない状態だった。
それでもミクは、痛くないと思っていた。この傷よりも彼の方がとても痛いという事を知っているから。
その時は泣いてばっかりいた。
そして数日が立ち、葬式が行われた。ミクの友人やその彼の家族などいっぱい来ていた。
彼は棺桶に入っている。ただ眠っていた。事故で起きた傷などは治療してある。
ミクはそれを見ていて悲しくなったけど、なぜか泣けなかった。今は、親友の肩を借りて立っている。
もう、天国には着いたのかな?無事についてくれたかな・・・。
もし無事について、手紙でもなんでもいいから、何か欲しいよ。
そしてその棺桶は、専用の車へ乗せられ火葬場へと向かう。
ミク達もそれについて行った。
そして、火葬場について少し離れた所でミクはその光景を見ていた。
数分後準備が出来たようで火葬炉の扉が開く。
同時にミクの心の中の何かも開いた。
今までなんとも思ってなかったのに急に悲しくなってきたのだ。
でもミクは今更遅いと分かっていたから動かなかった。
その棺桶はどんどん火葬炉の中へと詰められてゆく。
それが、なぜかスローモーションに見えた。
そしてミクは、肩を借りてる親友に聴こえないように歌い始める。
自分のこの今の気持ちと思いと願いが届くというのを願って、静かに歌い始める。
とても悲しい歌を。今作り上げた歌を歌い続ける。
もし、天国から手紙とか通信手段がなくて伝えられないならこの歌声が天国に届くように静かに歌う。
天国に届くように歌うといったって、ただ大声で歌って伝わるものじゃない。
だからといって小さく歌ったって届かない。静かに歌ったって仕方ない。
だけど、ミクは歌う。
心の中で、天国へ届けと願いながら作った歌を、次々と思い浮かんでくる歌詞を歌った。
天国に、彼がいる天国に、最終的には彼に届くように心と願いを込めて歌う。
要するに必要なのは、
届いて欲しいと願うこと。
彼に伝えて欲しいと思う事。
心、感情が必要。そして大切なのだ。