二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: リンネ ボカロ小説 ( No.75 )
日時: 2011/10/19 22:58
名前: 猫科の犬 (ID: vGcQ1grn)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

第2話 もう1つの自分

ミクは、人気が少ない路地を1人、歩いていた。
自分の中のもう1人の自分が呟く。

「感情ガナイ、感情ガナイ、心ハ憂イ夕ヲ吐イテ」

何のために生きているのか分からなくなり、自分の思うようにいかない、この人生に愚痴を吐いている。
そういった。

遠くの方で蝉が鳴いている。
しかし、もう蝉の時期は終わる頃。1つの命が消えるころ。

赤く。しかし橙色っぽい色をしている夕日が電線をはさんで見えた。
ミクはその夕日を見ていると何かが足に当たった。

どうやら古い工場のような場所まで何も考えずに来てしまったようだ。
ミクの足元には立ち入り禁止と書かれた古い看板。
その先にみえるのはボロ工場。
ミクはここで自殺しようと立ち入り禁止とかかれた看板を蹴っ飛ばした。
その看板は、とても古いもので蹴っ飛ばした瞬間に粉々に砕け散った。
50年とか、そこらへんも前に建てられた看板なのだろう。
じゃないとここまで粉々にはならない。
もしくは、ミクの蹴りの威力だ。
蹴ってからミクははっとなる。まだ死ぬ前にやりたいことがあったと。
生きる理由。感情を見つけた。
一度向きを変えて走り出す。

そこに映る自分の影も一緒に走りだす
影に感情はない。感情はないがその影は笑っているように見えた。
ミクは笑っていない。
何かを目的に走っている。だけど少し様子が違う。

まるで別の人格に変わってしまったかのように無表情で、目の色がない。
あることを目的にただはしっているだけ。
その目的が残酷な事であったとしても。