二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 鎖の少女 ボカロ小説 ( No.83 )
日時: 2012/01/01 16:09
名前: 鏡猫 (ID: cHwZ8QFd)

第2話 転入生

いつもの朝のHR。聞いていても暇なだけなので内職(といっても勉強だけど)を始める。

「えぇ、転入生を紹介する。入ってきなさい。」

ん?転入生?珍しい。誰が入って来るんだろう。
興味津々で扉の方を向いてみる。
そこからは、2人入ってきた。
しかも2人か。よくみれば2人とも顔が似てるけど双子かな?

「鏡音リンです!皆よろしくね♪」「鏡音レンです。」

1人は元気いっぱいの女の子で1人は、大人しめの男の子だなぁ

「2人は、双子らしいぞ。皆仲良くやってきれよ。」

先生がそういうと周りの皆は、「はーい」とか「あの子カッコイイ」とかって声が聞こえてきた。
別に私は関係ないし返事1つしなかったけど。
だって、休み時間も話すことないし近寄ってこないだろうから。
でもそうゆう訳にはいかなかったらしい。

「ミクの隣の席とその後ろの席が空いてるな。そこへ座ってもらえるかい?」

嘘でしょ・・・。これ絶対休み時間とかに学校案内しろとかいうパターンだよね。
嫌だな。学校しか勉強できる場がないのに。
いいや、出来るだけ無視できるように頑張ろう。

「ミクって人何処?」 「小言)リン!いきなり呼び捨てはないだろ?」

いきなり呼び捨てだし。なんか関わりたくないな。
頭悪そう。隣の子のレン君だっけ?かは、頭よさそうだけど。

「あ、はい。私です」

「ありがとう!席近いし、これからよろしくね!」

「よろしくお願いします。」

「う、うん」

隣にはレン君。後ろにはリンちゃんが座った。
やっと授業が始まる。なんだか今日は、HRが長く感じたな。

でも現実はそう甘くなかった。
授業中、隣のレン君は静かに集中してたんだけど、リンちゃんが少しうるさかったな。
一時間目は数学だったんだけどリンちゃん、分からない所があるとすぐに私に聞いてくるんだもん。
これじゃあ私が授業に集中出来ないよ。
でもなんで私に聞いてくるんだろう?隣の人に聞けばいいのに・・・。

{キーンコーン・・・}

チャイムが鳴った。あぁ、やっとリンちゃんから解放される。
今度こそ勉強に集中しよう。

「あれ?休み時間も勉強してるの!?偉いなぁ。」

リンちゃんが話しかけてきた。
周りの人達がざわざわとうるさい。それはそうだ。
こんな私に話しかけてくる子なんてリンちゃんくらいだろうよ。

「リン!人が勉強してる時に邪魔したら悪いだろう?」

「えぇ!なんで!?せっかくの休み時間だよ!遊ばなきゃ損々」

「リンは、家でも勉強しないだろ?」

「エヘヘ」

うらやましい。家でも遊んでられるって、いいな。

・・・はッ!そうだ、無視するって決めたんだった。
勉強に集中しなきゃ。

「ねぇ!ミク!遊ぼうよ!勉強のつめすぎはいけないよ!」

別につめすぎじゃないよ。
休み時間しか勉強してないんだから。家の事情も知らないでそんなこといわないで欲しいな。

「いいじゃん、そんな奴。こっち来て俺達と一緒に遊ぼうよリンちゃん」

「レン君も一緒にどう?」

男子がリンちゃんを誘って女子がレンを誘う。

「ん〜?遊ぶ!皆いつも何して遊んでるの?リンはいつもおにごっことかして遊んでるんだ!」

「へぇ、じゃあ、おにごっこでいいじゃん!」

あっちはあっちで盛り上がっている。
そうだよ。これでいいんだ。私に話しかけてもおもしろくないよ。
私以外の他の皆と遊んだ方が楽しいよ。


ソウダネ、私ニ友達ハイラナイ
  ズットズット、オ父サンノモトデ働イテイレバイイノ
モットモット輝ケ。輝ケリクルケリクルケ
  私ニ、ココロハイラナイ。





今日はずっとこんな調子で学校は終わった。
リンちゃんは、毎回休み時間めげずに聞いてくるし。なんでこんな私を誘おうとするんだろう。

でも、初めてあんなに話しかけられたな。
少しだけ嬉しかった。

また明日、声掛けてくれないかな。


 私ニ、ココロハイラナイ


そうだ、アルバイト終わったら速く帰らなきゃ!


「ただいま。」

私は無言でいつもの準備をした。
だけど、急にどなりだしたお父さんがいた。

「ミク!なんだこの点数は!?」

そうか、昨日のテスト。
机の上におきっぱだったな。私の財布からお金を取るついでにみられたんだろう。

「ごめんなさい。」

「次は、90点以上取ってこいよ。」

「はい。」


私って生きている意味あるのかな?
お父さんは、いつも怒ってるし私の事嫌いなんじゃないのかな。
だったらいっそのこと死んだ方が楽になるかもね。
そうしたら天国のお母さんの元へ行けるかもしれない。

ふと、母の写真を見た。
その写真の顔は、とても悲しそうに見えた。

おかしいな。笑っているのに悲しそうに見えるって。
もしかすると、お母さんは私が死ぬのを望んでいないのかな。









誰の為に生きているのかも分からないし、

愛されもしない。

こんな自分、

生きている意味なんて



アルノカナ