二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 悪食娘コンチータ ボカロ小説 ( No.91 )
日時: 2012/02/07 22:31
名前: 鏡猫 (ID: cHwZ8QFd)

第1話 最後の晩餐

ここ、暗い森の奥にそびえる不気味な屋敷。
中にはそこらへんから腐臭がただよっている。
まるで死体などが腐敗したようなきついにおいだ。
この屋敷の食堂のあたりに、3人の人影が見えていた。
1人は、赤い服を来て上品に食料を食べている。
しかし、机の上にのっている食料は、かなり多い。その多さに一般人がみたら身の毛がよだつほどの多さだ。
この女性はバニカ・コンチータ
他の2人は、召使やメイド、のようだ。服がそれっぽい。

——今日の最後の晩餐は始められていた。

なぜ「最後」と、いうのかは知らない。
「最後」といいつつも毎日のように開かれているこの晩餐。
いや、毎日開かれている、というよりかは、ずっと続いている。といった方がいいのだろう。

「あら、野菜がなくなりそうだわ。」

バニカは、呟いた。その声に近くにいたメイドが気付いたらしい。

「あ! お待ちください。ただいま持ってきます。」

数秒後、すぐにその野菜は机に並べられた。
それも大量の野菜が。
バニカはその野菜達をみつめ二ヤリと不敵な笑みを浮かべ残さず食べて行った。

「うん。どれもいまいちね。もっとうまいのは作れないの?」

「すみません。ただいま用意いたします。」

今度は召使が反応し、料理を取りに行く。
どうやらこの2人はこのバニカにとても忠誠心が高いらしい。
バニカの前では文句1つ許されない、といった感じの雰囲気が出ていた。

召使がさった後でも、バニカは食べ続けた。
もう、夜明けは来ている。

数分後、テーブルの上に乗っている皿の上に、食料が乗っていなかった。
メイドがそれに気付き、すぐにキッチンへと向かう。

「ちょっと!コック?コンチーター様のご飯がもうなくなってきてしまったわよ!早くしなさい!
 朝食のメニューは渡してあるはずよ。」

「あ、あぁ・・・」

メイドの叫び声にシェフはたよりなく返事をする。
その様子をみたメイドはもう一度声をあげた。

「あんたに休みなんてないのよ!さっさと作りなさい!」

「わ、わかったよ!今、今すぐ作りますから!」

そういってシェフはすぐに作り始めた。

その頃のバニカは、あまりにもの空腹さに朝食が来るのもまちきれず皿を食べていた。
召使は、その様子をみても微動だにしない。
しばらくすると、メイドが料理の皿を持ってバニカの前に差し出した。
バニカはその料理を見て、テーブルの上においてある青白く輝く液体を料理にまんべんなくぶっかけた。
その液体、予想では猛毒であろうと思われた。
ぶっかけた料理の数々は、どんどんその液体によって解けていくのだ。
だが、バニカは、そんなの気にせず自分の胃袋に収めて行った。
それを食べている時のバニカの顔は、最高に幸せそうだった。


〜本日の朝食のメニュー〜
・雑草16種の野菜ジュース
・鉄分のみたっぷりコンソメスープ
・毒茸のコンソメスープ
・シェフのきまぐれサラダ
・召使特製ブリオッシュ
・季節はずれのフルーツ盛り合わせ
・永遠に眠れなくなるコーヒー(カロリー控えめ)