二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 悪食娘コンチータ ボカロ小説 リク・コメ募集中! ( No.95 )
日時: 2012/02/23 22:23
名前: 鏡猫 (ID: lL8RIxSj)
参照: 受験終わった!!

第5話 晩餐の終焉

朝が来るころにはもうすでに、召使やメイドはバニカの近くにいなかった。
だが、バニカは、まだまだ食べ続けている。
屋敷の隅にある家具を1つ残らず食べていった。
料理するための道具も清掃用具も、棚も、本棚も、フォークやナイフ、スプーン。
そして、木や鉄、テーブルなどをがむしゃらに口の中にいれていく。
その食欲は恐ろしいほどだった。
もし、知らないうちにこの屋敷に人が迷い込んでしまったのだとしたら、バニカはすぐに食らいつきそうだ。

いつしか屋敷はもぬけの殻に。
何処にも何もない。誰もいない。いるのは、バニカ1人だけ。
それでも、バニカは足りなかった。まだ、胃袋には空きがあったのだ。

「まだ、マダ足りナイわ!モット、もっと頂戴!」

1人、屋敷の中で騒いだ。
でも、誰1人、その答えに答える人はいない。
ただ、その声が屋敷中に響き渡るだけだった。

ふと、バニカは下を見下ろした。
自分の履いている靴、自分の来ている服、そして、自分の体そのもの。










その瞬間、不敵な笑みを浮かべた。











「残したら、怒られちゃうもの」











そっと、自分の右手を見て静かに微笑む。











「マダ タベルモノ アルジャナイ」


















そして、自分の右手を自分の口の中に突っ込んだ。