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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナイレ*最強姉弟参上?!* ( No.234 )
- 日時: 2011/06/25 16:43
- 名前: 伊莉寿 (ID: r4kEfg7B)
*エピローグ*
深緑の葉をつけた木々、波で削られた丸い石の数々…
生い茂る木の葉は日差しを遮り、地面に届くのはほんのわずか。綺麗な木漏れ日を作る。
金髪の2人が、歩いていく先には空き家がある。
つるが絡まり、人が住んでいる気配など無い。
ショートヘアの少女が懐かしそうな瞳で見つめる。
「懐かしいな…変わって無いな、此処…」
少年が大きな岩に手を伸ばす。文字が刻まれているが、それは彼等が書いたものだ。
「!つる…?」
少女もそれに気付き、岩に駆け寄る。岩に絡まるようにして植えられた花は、彼等が最後に此処に来た時には無かった物だ。
大きな岩。それは彼らの両親の墓石の代わり—。
「ヒルガオ…か?」
白いヒルガオ。少年が首をかしげる。一方、少女は微笑む。
「分かった。ね、ヒルガオの花ことば知ってる?」
「は…?」
少女が手を合わせる。墓石も、こうやって報告する事も、全部親友から教わった事。
花を添える事も。
目を開けて、少女は兄である少年より先に岸へ向かう。
自分達を此処まで乗せてくれた人が待っていてくれた。
木製の看板を指でなでた。フェニックス島の文字が、懐かしい。
兄が駆けて来る。その勢いのまま船に乗る兄を見て笑いながら少女も乗り込んだ。
碧く澄んだ海、蒼く澄んだ空。決して交わることの無い青で、輝きもそれぞれ違う。
でも、自分達を許してくれた親友に、恥じる事のない人間でいたいと思う自分達を励ましてくれる効果は、同じだと2人は思う。
「ヒルガオの花ことばはね、絆、なんだよ。」
少女が、そう呟いた。
—第1章、閉幕—
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