二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナイレ*最強姉弟参上?!*キャンプ編、更新! ( No.955 )
日時: 2011/09/23 02:22
名前: 伊莉寿 (ID: r4kEfg7B)

参照が丁度3700でビックリしました(笑)


番外編☆狼が怖くて夜の森探検が出来ません、隊長!

魁渡が、円堂の頭をハリセンで叩いた。パコーン、と良い音がする。

円「?!」

全「キャンプファイアーは???!」

円「…あ。」

言い出した人は円堂である。危うくキャンプファイアーをせずに寝る所だった雷門イレブンでした。


炎を囲み、歌を歌う。殆どがT-Pistonz+KMCの歌であった。

でも、例え歌が何であっても…、その思い出は、きっと心に深く刻まれる。——瑠璃花は、そう思った。





ふぁ〜、と小さく欠伸をする。

少し冷えた夜。私は寝る前に行ったはずのトイレに行きたくなってしまって、テントを出たのです。

懐かしいな、と辺りを見渡して耳を澄ます。息づいている森の呼吸が、ゆるりとした大きな呼吸が聞こえそうで。

瑠「…!」

…男子の声が、聞こえた気がしました。

足音を立てないように、一歩一歩気を付けて聞こえた方向へ進んでいく。そして辺りを草に覆われた少し開けた所で…

瑠「…何してるんです、皆さん?」

キャプテンと鬼道さんと豪炎寺さんが話をしていました。


〜ノーマル

円「いや〜、何か寝付けなくってさ^^;」

鬼「円堂に同感。」

豪「上に同じく。」

瑠「…でも明日、朝早く起きてホットドック作りですから、早めに寝た方が…。」

と言うと、だから寝れないんだってと円堂が反論する。

小さく息を吐き、瑠璃花は少し上を見た。星空が綺麗で、視線を真上に向けた。

散らばる宝石の様な星。今にも零れ落ちそうで、そして見つめずにはいられない。

豪炎寺が星を見ている内に眠くなったのか、今にも寝てしまいそうな円堂をテントに引きずって行った。

瑠「…私も、テントに戻りますね。」

立ちあがって瑠璃花が言う。鬼道が彼女を見上げた。

何か言おうと口を開き、それから一瞬妙な間を開けて「また明日、な。」と返す。

おやすみなさい、瑠璃花は微笑んでそう言った。



——翌朝

ホットドックを、寝起きのみんなで作ろう☆

魁「…キャプテンとか絶対焦すよな。」

瑠「^^;」

魁渡が牛乳パックに、アルミホイルに包んだパンを詰めて言う。後は火をつけて燃やすだけ。

ホットドックは、真ん中を開いたパンにソーセージとチーズを入れてアルミに包み、1リットルの空の牛乳パックに入れて火を付け、焦げないように加減を見て大丈夫かな、という自己判断で食べる。

これで焦がさなかった人はいないが、大部分が焦げるかほんの一口分だけ焦がすかは自分の腕にかかっているのである。

風「よしっ!」

魁「風丸上手だな〜」

恐る恐る、という感じで焦げたアルミをはがした風丸が、ガッツポーズをした。良い感じに焼けていた。

複数の牛乳パックが燃え、黒煙が立ち上っている。それは少し異様な光景だった。

全員が焼けた所で、魁渡が興味本位にみんなのを見ようとうろつく。

円堂は豪炎寺の御陰で大事にならずに済み、壁山は雷門イレブンの中で一番焦げていた。響木監督は風丸より上手に焼けていた。

そこはさすが大人、という事か。

瑠「すごい美味しい!」

魁「これはいつ食べても美味いよな!!」

みんな、笑顔になれる。

鬼「キャンプならではの料理、と言っても過言では無いかもしれないな。」

半「簡単なのに温かいし美味しいし…」

みんな、温かくなれる。


目を細めて、今この時を封印したいと思ってしまう瑠璃花は、こみ上げてくる感情に思わず涙を流した。



この皆が好き、今がすごく楽しい、楽しいを通り越して…分からない程に。

大事、とっても、今この瞬間が…大事、大好き…。みんなが好きで、大事で大好きで、このメンバーで居たいと思う。

彼女の脳裏に浮かんだのは吹雪達の顔。

きっと彼等が入っても、この気持ちは変わらない…。

円堂達が笑っている。ホットドックを手に、みんなが。その様子を見て、瑠璃花は魁渡が持って来たカメラに手を伸ばす。


———今この瞬間を、封印したい。


カシャ、と円堂達をおさめて、シャッターを切った。




帰りもまた荒れていた。

絶叫マシーン級の船の揺れに、再びマネージャー達は悲鳴を上げる。瑠璃花と魁渡は、離れていく島を見つめていた。

あんな強い想いはもう無いけれど、それ位強い心と大事な仲間が此処に居る。

魁「…またな。」

島をまるで友達の様にそう言う弟に、姉は一瞬驚きながらも微笑みを浮かべ、心の中でまたね、という。

船着き場に付き、空港に付き、あっという間に流れていく時間と沈む太陽。

飛行機の中で円堂が寝ていびきが凄かったのは、絶対部員にからかわれるだろう、と思う。


そして彼女が鬼道家に付いた時、何時もの言葉が少し不思議に感じられる。あの島の家に、一度行ってしまったから。

瑠「…ただいま。」


——まだ、彼女たちの旅は終わらない———………



*キャンプ編、終了*