二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- (涼野風介連載) 壱『この恋の結末が見えた』 ( No.2 )
- 日時: 2011/04/25 16:27
- 名前: ぴこた ◆RHj3OdcFLU (ID: 6Q1uGoC5)
気が付けば君の虜になっていた。例え、それが叶わない恋だとしても、私は君だけを想おうか。
久々に幼馴染である彼女の家に来た。相変わらず何も無い無機質で質素な部屋。彼女の謙虚さが滲み出ているようで思わずくすりと笑えば彼女が不思議そうな表情で此方を見てくる。私はそれに気付かない振りをして彼女のベッドへと腰かけた。
私の目の前に居る幼馴染——萩原 利登(はぎわら りの)は私の隣に腰掛けて、宿題の分からない部分を指差してくる。隣に彼女が居るだけで私はまるで乙女のように胸が高鳴ってしまう。少し溺れ過ぎたようだ。
「、風介、聞いてる?」
「あ、す、すまない」
彼女の横顔をただ見つめていると彼女が不審げな瞳を此方に向けてくる。
正直全く彼女の話を聞いていなかったので、思わず謝ると不服そうに頬を膨らませた。
「ったく、・・やっぱ思春期だから色々思うコトでもあるのかなァ」
「、誰がそんなコトを、」
「だってヒロトが『風介は思春期だからイロイロ考えちゃうんだよ』なんて」
あのクソが。
一体何時の間に利登にそんな事を言ったんだ。明日学校に行った時にフルボッコ決定だな。あと、ムカつくから晴矢も。
チッと舌打ちをして如何にも不機嫌ですオーラを醸し出す私に若干引いた様子の利登が視界に入り思わず焦る。此れも全てアイツの所為だ!
「ヒロトを傷つけちゃ駄目だからね、」
私の考えている事の予想がついたのか彼女はムゥと頬を膨らませて言う。
何故ヒロトを庇おうとするのか。
私は彼女がヒロトの事を好いている事なんてとっくの昔に知って居たんだ。
——だけど、改めてそう言う彼女は輝いていて。もやもやとした感情が広がり思わず顔を顰めると、彼女は再び不思議そうな表情を浮かべた。
この恋の結末が見えた
(彼女はヒロトが好きで)(私は彼女が好きで、)