二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ポケモン】しかえし【DPt】 ( No.2 )
- 日時: 2011/05/14 20:06
- 名前: 秘蔵っ子 ◆HBBeG15csY (ID: ObYAgmLo)
- 参照: 主人公の名前募集中
一頁目
「なあ、ヒコザル。私はお前を強くしてやるよ、かっこよくさせてやるよ。もう絶対に、あいつみたいなやつに馬鹿にされないようにしてやるよ」
そういっておれのごしゅじんはおれのあたまをなでた。おせじにもやさしいとはいえないてつきだったけど、なんだかそのてのここちは、さっきおれをばかにしてたおんなよりはやさしいとかんじた。
おれはポケモンだ。しゅぞくはヒコザル。なまえはつけてもらっていない。ごしゅじんがつけようとかんがえていたけれど、いつのまにか『ヒコザル』でていちゃくしていた。
ごしゅじんとのであいは、ごしゅじんがおれのすんでいたもりでまよったことからだった。おれはそのころトレーナーでもなかったごしゅじんにむりやりつれていってもらった。
おれはそとのせかいがしりたかった。そとのせかいをみてみたかった。だからそのときちょうどまよったごしゅじんにつれていってもらったのだ。
ごしゅじんはポケモンのことばはわからない。だけどおれのきもちはわかってくれる。もりのポケモンにいわせれば、「気遣いが上手」なのだろう。
そして、「気遣いが上手」なゆえに、ごしゅじんはたくさんたくさんつらいめにあっている。かなしいめにあっている。こわいめにあっている。
「君は本当にそれでいいのかい? あの女が憎くないのかい?」
「まあいい、僕の邪魔をするというのなら君だって容赦はしない」
「僕は誰にも頼らずに復讐してみせるよ」
「私は別に憎くはないよ。嫌いなだけで」
そうおだやかにいったごしゅじんのこえはあいつにはとどかなかった。
あいつはごしゅじんのことをかってにきめつけて、かってにどこかにいってしまった。
さいごのことばをごしゅじんにあびせて。
「君もさ、ヒコザルなんかじゃなくて、もっと別の強いポケモンを選べばよかったのにね」
ごしゅじんはそのしゅんかん、あいつにつかみかかろうとこしをうかせた。
だけどごしゅじんはたえた。ぐっ、とこぶしがにぎりしめられる。
「強いだけのポケモンなんていらねーよ!」
そういいかえすのがせいいっぱいだった。
おれはごしゅじんがだいすきだ。
だからそのときのにぎりしめられていたこぶしも、なきそうにゆがめられたかおも、ぜったいにわすれないだろう、わすれることはできないだろう。
そんなかおをさせた、あいつをゆるすことはできないだろう。