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「えぇ、そうね、何かありそう。あ、ほら。これを見て。何か彫り込まれているわ。」
　玉ちゃんの指先をたどる。
　“ＲＵＮＡ　ＲＩＮＤＯＵ”
「るな　りんどう、かな。りんどうるな？って名前なの？」
『いっちゃん、そんなの、ぼくらに訊かれてもしらねぇです、莉々さん、玉さん？』
「るな、という名の子…。」
「いつみは知らないんだよね。さっき、あの猫ちゃんがルナ、って鳴いたの。」
　はぁ？
　声にこそ出さないけど、たぶん顔に出てると思う。
　猫が、言葉をしゃべった?
「それ、天猫ってこと？」
「いっちゃん、そういう反応なのね…」
「ほんと！驚くとかじゃなく！しかも、猫がしゃべるなら、天猫なんて…想像力、すごいね。」
　いや、でも、もうしゃべる猫といえばムスビしかないから。
　驚かないのも、たぶんムスビでなれちゃったから？
　この感覚を持ったわたしって、変？