二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ナビ・ルナ&ムスビ ( No.310 )
日時: 2011/12/01 16:44
名前: ルルにゃん ◆8/MtyDeTiY (ID: 86FuzJA.)

 ヒラキさん、ヒカリさん、ルナちゃん、もっけくん、スネリさんの順で自己紹介を済ませると、もうみんな打ち解けていた。
「えっと……それで、ぼくが1番訊きたかったことがあるんだけど。」
「ぼくも。なぜ、またニキラアイナに?」
 本当に息がぴったりだ。隣にいる玉ちゃんに、そっと「ヒカリさんをニキラアイナに残してよかったよね。」と言うと、玉ちゃんも微笑んでいる。
 しかし、笑ってもいられない。さっき、わたしたちの友達だとルナちゃんたちを紹介したけれど、妖怪だとはいっていない。
 わたしたちが顔を見合わせていると、ヒカリさんが静かに言った。
「ルナさんたちも、こちらの世界に来ることが出来たということは、なんらかのチカラがあるんでしょう?それに、いっちゃんさんたちは巫女だと明かしているのに、ルナさんたちだけ隠すというのはおかしい。ということは、巫女ではないんですよね?もちろん、天猫でも。」
 そしてから、ちらっとルナちゃんたちの首元に目を走らせる。
 ルナちゃんの首にチョーカーがついている以外は、何もついていない。つまり、あの独特な鈴がないということだ。
「えっと……。」
 わたしたちが言葉に詰まっていると、驚くことに、ルナちゃんが口を開いた。
「わたしたちは、妖怪です。もののけ。」

Re: ナビ・ルナ&ムスビ ( No.311 )
日時: 2011/12/03 16:19
名前: ルルにゃん ◆8/MtyDeTiY (ID: 86FuzJA.)

 重々しい沈黙がありました。しかも、それは張り詰めた、というか凍りついたものでした。
 スネリともっけさえも、鋭いまなざしでルナを見ています。ルナはその目こそ見ていませんが、その視線が突き刺さっているので、すごく分かります。
 ルナだって、普通の人に容易に自分達の正体を教えたりしません。いつみたちにおいては、何か不思議なオーラを感じ、さらにスネリの鼻が反応していたからです。
 でも、今回は証拠はない。ヒカリ、ヒラキが特別だという証拠。
 それでも、ルナは何か感じていました。ヒカリと、ヒラキという2匹の猫にも、いつみたちに感じたオーラを、確かに感じていました。
 彼らには、言っても大丈夫だという、何か。
「ルナさん。言ってくださって、嬉しいです。」
 出し抜けに、ヒカリが言いました。皆、視線をルナからヒカリに移し、後悔しかけてうつむいていたルナは顔を上げました。
「わたしも、特別でした。ムスビさんと同じ、天猫だったんです。わたしは、3年しか生きられなかったけれど、ニキラアイナに来ることが出来ました。」
「えっ?3年しか、生きていないって……どういうこと?」
 生きていない。ということは、死んでいるということ。
 ここは、死後の世界なの?
「ニキラアイナっていうのは、20年以上生きた猫が、死んでから来る場所。……そう、もう本当はヒカリさんも、ヒラキさんも、死んでしまっているの。」
 玉ちゃんが静かに告げると、ルナちゃんは泣き出した。
「泣かないで。もちろん、瑞穂さんといたときも楽しかったけれど、今、ヒラキといるのもすごく楽しいんだ。」
 その声を聞いて、ルナはなんとか泣き止みました。
「わたしが妖怪でも、怖がらないのですか?」
「怖がる?そんなことはないよ。」
 ヒラキさんがそういった後、こうも言った。
「さっき、自己紹介のとき、何かの気配を感じて、来たといったけれど、それって、もしかして妖怪?」