二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ナビ・ルナ&ムスビ ( No.41 )
日時: 2011/06/23 17:46
名前: ルルにゃん ◆8/MtyDeTiY (ID: lwyoqLK1)

 ちょん、とスネリはルナの足首をつつきました。
『ルナ、この子達にはわたしの言葉が聞こえるみたい。』
 スネリは周りを警戒しつつ、読唇術を使ってルナに伝えました。いつみたちに聞かれることを恐れて。
 しかし、ルナはそれを読み取ったものの、返事ができません。女子3人の目がルナに向いているからです。
(聞こえなくても、いきなり口だけパクパクしてたら変だし。どうすればいいの!)
 と、ルナの頭にいい案が思いつきました。
「スネリ!良かった…。」
 かがみこみ、スネリに顔を寄せ、いつみたちから顔を背けました。
『わかった。けどどうして!』
『わからないわ。でも、この子達から妖怪のにおいがするの。間違いない。ただ者ではないのよ、この3人は。とくに、あの猫ちゃんが。』
 2人は読唇術で会話しましたが、これ以上抱き合っていると不審です。
 ルナは、スネリを抱いて、立ち上がりました。
「ありがとうございました。あの、もっけは…じゃなかった、ふくろうはいませんでしたか?」
 さっきからずっと気になっていました。
 もっけも、生きているはず…。
 一度もっけとスネリを失ったことがあるルナは、もう二度とそんな目には遭いたくないと思い、心が痛みました。
「この子よね?」
 美少女が抱いているのは間違いなくもっけです。
「もっけ…?」
 ひどく傷ついたもっけを、抱いていた子から受け取り、呆然としたルナでしたが、ぽっこりしたあのおなかからは規則正しく音が聞こえるので、ほっとしました。
『スネリ、お願い。』
 莉々に触られ妖力が減った上、ルナをも回復させたスネリは実はすっかり疲れていましたが、もっけのことを思い、額ににくきゅうを当てました。
「本当にありがとうございました。」
 ルナは立ち去ろうと踵を返しましたが、
「ちょっと…待って。」
 その声を発したのは、フレンドリーなツインテールの子でもなく、美少女でもありませんでした。
 最初に謝ってくれた、ショートカットの女の子でした。