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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ナビ・ルナ&ムスビ ( No.8 )
- 日時: 2011/06/06 17:37
- 名前: ルルにゃん ◆8/MtyDeTiY (ID: EmEMGJKv)
ぱちり、とスネリは目を開けました。
誰か、人に抱かれています。
(…ルナ?)
ぼんやりとしていた目も、次第に明確になり、それはルナではないことが分かりました。
ツインテールのかわいい女の子です。
「よかった…。あの高さだから…。わ、わたし…。」
どんどん涙声になり、やがて女の子の涙は1粒、スネリの身体に落ちました。
スネリはすぐにわかりました。このこはいい人だと。
そして…微かな妖怪のかおりは、この人の周辺からだと。
しばらくぼうっとしていたスネリでしたが、「よかったわね。」という、別の声ではっとわれに返りました。
黒髪の美少女。その優しげな瞳の奥には、さみしげな光が宿っています。
なんと、その子の腕の中には、ぐったりとし、翼から血を流すもっけがいました。
さらに視線を移せば、川原に横たわるルナ。
『る、ルナーーー!!!!』
スネリが思わず叫びました。
「いま、このコ…ルナっていった?」
「わたしにも、そう聞こえたわ。」
スネリの声は人間には聞こえないはず…。スネリはあわててみゃお、みゃお、うにゃあ、と猫らしく鳴きました。
「気のせいだよー。…あぁ、あの女の子?それは、わたしのお友達が助けを呼んでるから、だいじょ…あ、いつみ!」
女の子の手を振る先には、もう一人、女の子と、太った猫が一匹いました。
「いっちゃん、助けは?」
いっちゃんと呼ばれた女の子は、首をふりました。
「だれも、空から人が落ちてきたなんて、信じてくれないよー。しかたないよ。どうにかしよ、わたしたちで。」
スネリは一瞬、ふとっちょ猫と目が合いました。
何もかもをみすかされているような感覚におそわれそうになり、ぶんぶんと首を振りました。
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