二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: _恋果実を食べたプリンセス 〈inzm 11小説集〉  ( No.96 )
日時: 2012/03/18 21:42
名前: アーシェ (ID: ZGo4Gnz1)
参照: 恋愛逃避


『忘れた日の面影』


「・・・・また思い出せなかったなぁ」
「・・・・何がだ?」


ひとりごとでぼそっとつぶやいただけなのに背後からいきなり声
飛び上がりそうになったそれもほとんど真上から声がしたのだから
それに今日はイナズマジャパンの練習は休みで一人で買い物途中だったから
話かけられるなんて予想外だったから、その相手は


「豪炎寺さんっ!お、おどろかせないでください・・・・」
「すまない、おどろかせるきはなかったんだが・・・」


そう言って会話をするとやはり首は少し痛くなる
二つ違いだから身長差も結構あるからです、
豪炎寺さんを見た瞬間胸がドキッとしたのはなんなのかわからないけれど


「・・・で、何が思い出せなかったんだ?」
「・・・・記憶が、です、もう少しなのに・・・思い出せないんです」


その瞬間豪炎寺さんが悲しそうに切なそうに顔を歪ませたことを私は知らなかった


「・・・無理して思い出せなくてもいいだろう?」
「・・そうですけど・・・・・・・・」
「・・・・・・・今のままの少しどじなおまえでいいとおもう」
「・・・ちょっとそれどういういみですか、どじなままって」
「空耳だろう、俺はそんなこと言ってない」


そうやっていたずらっ子のように笑う姿に何かが重なった
わすれちゃいけない、たいせつな、なにかが、それに

(・・・・・・・・・・・え?)


とりあえずおいといてこっちもいたずらをやり返してみる
きっとこまるだろうなぁ・・・


「・・・豪炎寺さんは好きな人とかいるんですか?」
「・・・・・・・・・・・いる、相手は俺のことわからないだろうな」


びっくりするくらい普通に答えられた


「どんなひとですか?・・・・・」
「俺より年下で優しくて、お人好しで、頑張り屋で、恥ずかしがり屋で」


懐かしそうにその時に戻ったかのように話し始めた、過去に戻ったように
目がすごく優しくなってどこか遠くを見ていた、それを見ているだけでまだ好きなことがわかる

 
「・・・淋しがりやで、泣き虫で、甘えるのが苦手で、--------笑顔が花みたいな奴だった」


そこまで聴いてるとなんか胸が痛くなった
どうして、どうして、こんなに辛いんだろう、泣きたくなるんだろう
胸に一番奥がなにか思い出すようにと告げている
思い出さなきゃ、そうしなきゃ----ある風景が頭に現れた
誰かで手を差し伸べてくれて私は笑ってその手を取った、でも消えた


「・・・みぞの?どうした?」
「もう少しで一番温かいものが思い出せそうなんです・・消えちゃったんです」
「無理に思い出せなくていいだろう?」
「豪炎寺さんにそんなに大切に思われている人は幸せですね・・」


話をそらさなきゃ・・そらさないと泣きそうになる
その時豪炎寺さんが悲しそうに切なそうに辛そうに笑ったのは見間違いだったのだろうか


「・・・お前大丈夫か?なんか、ぼーっとしてるが・・・」
「・・・・・えっ!ごめんなさい!」
「・・ゴメンな、俺がこんな話して困ったんだろう?」
「いいえ!そんなことないです!」
「・・・お詫びだ、どこか行きたいところつれていってやる」
「・・・・そんな、悪いです、おわびなんて・・・」
「これは年上の命令だ…逆らうつもりか?」
「・・・・わかりました・・・じゃあとりあえず買い物したいで・・す」


行ってみてすっごく恥ずかしくなってくる二人でどっか行くとか、デートみたいじゃないですか
なんで赤くなるのかなんてわたしにはわからないけれど


「・・・じゃあ行くか」


そう言って手をつかまれる・・・えっ、ちょ、ちょっと・・・
ぎこちなさが伝わったのか豪炎寺さんがこちらをふりむいた
とっさにつながれていない方の手で顔を隠す


「み、みないでください・・・・///」


そしたらまたニコッと笑ってくる、おかしそうに優しく
その笑顔に胸がきゅん、となったのもその正体が私はわからなくて


「・・・その赤くなった頬はな、それいがいはみたことにする」
「いじわるしないでくださいっ・・・///」
「その顔可愛い」


そう言われた瞬間胸がどきどきしたのはなんなんでしょう?
それ反則ですからやめてほしいです
その笑顔に面影を感じたのはきのせいだったのでしょうか?
そう思いながら私はてをつながれたまま歩き出すのだった



(優しい笑顔とか甘い囁きとか反則ですから!)
(思い出さなくてもいいお前が幸せならそれでいい)


((それに思い出せなくても面影だけは感じるから))