二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第二話 旅の始まり ( No.12 )
日時: 2012/11/10 20:49
名前: パーセンター ◆sC9ueof0V6 (ID: 1HHiytFf)

ナデシタウンからミサゴシティまでは三十分程度で着く。
レオたちはミサゴシティのポケモン研究所へ向かっていた。そこにはポケモンの起源を研究している、コウランという博士がいる。
「でも、どうして博士は私たちを研究所に呼んだんだろう?」
何気なく二人に尋ねるチヅル。
「トレーナーの心得みたいなのを聞かされるんじゃないか? それとも、まだ他に何か貰えるとか」
ポケモントレーナーは、ポケモン図鑑というものを貰えるらしい。それが貰えるという確率も考えられる。
「ま、とにかく行けば分かるだろ」
レオはそう返し、ミサゴシティへ進む。

ミサゴ『シティ』とは言っても、ミサゴは小さい町だ。
赤い屋根の建物はポケモンセンター、その横に立つポケモン研究所。
ミサゴシティの目を引く建物と言えば、そのくらいだ。
レオたちは研究所のベルを鳴らした。
しばらくすると、出て来たのは白衣を着て眼鏡を掛けた三十代くらいの男の人だった。
「やあ、君たちがナデシタウンの新米トレーナーだね。さ、入って入って」
その男性は、三人を研究所の中へ案内する。
研究所の中には、見たことのない機械や分厚い書類が沢山ある。
さっきの男性は、レオたちの方を振り向くと、
「さて、私はコウラン。ポケモンの起源を調べている。皆からは、コウラン博士と呼ばれてるよ」
そう言って、コウランは後ろの机から箱を取り出す。
「今日君たちを呼んだのは言うまでもない、これを渡したくてね」
言うまでもなくはないのだが。
コウランは箱を開ける。そこにあったのは、薄く赤い機械が三つに、モンスターボールが十五個。
「これは…」
思わず声が出る三人。
コウランは得意げな顔をし、その道具の説明に入る。
「まず、このボール。まあこれは知ってるよね、モンスターボールだ。これを使って、ポケモンを捕まえるんだ」
続いて薄い機械を指差し、
「これはポケモン図鑑。見た目こそ薄いが、中には大量の情報が入っている。衝撃にも強いし、防水性も備えた優れものだ」
コウランは説明が終わると、三人に図鑑とボールを手渡す。
「さて、これで君たちも今日から立派なポケモントレーナーだ。自由に旅をするも良し、図鑑を揃えるも良し。頑張ってくれたまえ!」
笑顔で言ったコウラン。
三人はコウランにお礼を言って、研究所を後にした。
「で、キラやチヅルたちはどうするんだ?」
研究所をでた後、真っ先に言ったのはレオ。
「まずは親に報告かな。そして一人で旅に出る。いや、一人じゃないか」
「そうよ、私たちにはポケモンがいる。もう私たち三人で行動しなくても大丈夫!」
キラとチヅルは笑ってそう答えた。
その時、レオはある人影を目にする。
「あれは母さん? 何でこんなところに…」
とりあえず母がいたので、キラやチヅルとは別れる。
「どうしたんだよ母さん。わざわざミサゴまで…」
「レオが心配になって、つい来ちゃったの」
僕はもうそんな年齢じゃないよ、と少し呆れたレオ。
母はそんな心情には気付かず、
「で、レオ、これからどうするの?」
そう訊いてきた。
レオは顔を上げる。笑みを浮かべ、母に言った。

「母さん、僕旅に出る! いろんなポケモンと出会いたいんだ!」

自分の決めた事だ。決めた以上は、全力投球。レオは、そんな少年だ。
「…やっぱりね。レオなら絶対そう言うと思っていたわ。その為にこれを持って来たの。せっかくだから、持っていきなさい」
母はそう言って、あるものを手渡す。
レオがそれを広げると、それはタウンマップだった。
「ありがとう母さん。じゃあ、行ってくる!」
レオはそう言って手を振り、駆け出した。
「無理しないでね!」
母は駆けていくレオの背中に呼びかけ、
「寂しくなるわね…」
小さく呟いた。


レオは今、502番道路にいる。
豊かな草村に、池もある、なかなか綺麗なところだ。
早速、貰ったタウンマップを広げ、次の町を確認する。
「ここから一番近い町は…アロンジシティか」
目的地を確認し、走り出そうとしたその時だった。
草村が揺れた。そこからポケモンが顔を出す。
現れたのは、白い綺麗な体に、大きな角を持った、山羊のようなポケモン。
「あれは…?」
レオは素早く図鑑を取り出し、そのポケモンにかざす。
そいつの名前はカプリン、山羊ポケモン。鋼タイプだ。
「よっしゃ、ゲットしてやるぜ! 出てこい、リープン!」
レオはリープンを繰り出した。


今作から、あとがきを付けてみることにしました。それにしても携帯での更新は大変だ…。さて、次回はカプリンと勝負、さらにもう一体ポケモンが登場する…かもしれません。それでは次回もお楽しみに!