二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第三十九話 最強のポケモン ( No.124 )
日時: 2012/11/11 13:13
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a8bifGsH)

「出ておいで、あたしのパートナー、フシギバナ!」
アサツキの最後のポケモンは、緑色の大きな怪物。背中には鮮やかで大きな花が咲き、大きな葉がそいつの背中全体を覆っている。
フシギバナ、種ポケモン。草と、何故か毒タイプ。
だがこのフシギバナ、もの凄く大きい。四メートル強はある。
「かなり鍛えられてるな…。でも相手にとって不足無しだ! 行くぞ、テペトラー、ハイドロポンプ!」
テペトラーは大量の水を噴射して攻撃。フシギバナは動こうともせず、額にハイドロポンプが命中する。
が、
「…効いてない…?」
フシギバナは全く動じない。先程と全く同じ体勢で、そこに立っている。
いくら効果は今一つとはいえ、テペトラーは攻撃も特攻も高いパワーアタッカーなのだ。レオが驚くのも当然だと言える。
「フシギバナ、ソーラービーム!」
フシギバナは花に光を集める。花が徐々に輝きだす。
「ソーラービームは溜めるまでに時間がかかる。チャンスだ! テペトラー、冷凍パンチ!」
テペトラーは拳に冷気を込め、フシギバナの額に氷の拳の一撃を見舞う。
フシギバナも先程よりは効いたのだろう。少し目を細め、頭を少し下げる。
だが、それだけだった。とても大ダメージが通っているようには見えない。
「発射!」
花の輝きが最大限に達する。
刹那、白く輝く太陽光線の如き一撃が放たれた。
テペトラーに直撃し、テペトラーは勢いよく吹っ飛ぶ。フィールドを飛び出し、壁に激突し、戦闘不能となっていた。
「…あ、ありがとうテペトラー。お前はしっかり活躍してくれたぞ」
レオはテペトラーをボールに戻す。
(何て威力だ…。あれを喰らったらおそらく効果今一つでも体力の半分は持っていかれるぞ…)
見ただけで分かる、相当の威力だった。
「よし、次はお前だ! 頼むぞ、ゴートン!」
レオが出したのは、鋼タイプのゴートン。相手の草技のダメージを減らしつつ、思念の頭突きで効果抜群を取れる。
「鋼タイプか。確かにタイプ相性ではこっちが不利だね。でも、あたしのフシギバナの前ではそんなタイプ相性なんて関係無いよ」
「それはさっきのソーラービームを見れば分かります! ゴートン、思念の頭突き!」
ゴートンは地を蹴って走り出す。
額に思念の力を込め、渾身の頭突きを喰らわせる。
「フシギバナ、破壊光線!」
フシギバナは花から、赤黒い、すざましい威力の光線を放った。
「ゴートン、ジャンプだ! 上から思念の頭突きだ!」
ゴートンは間一髪で破壊光線を避け、フシギバナの上を取る。
破壊光線は強力な技だが、使用後はしばらく動けなくなると言う特徴がある。
ゴートンは上から流星の如き勢いで急降下、思念の頭突きをフシギバナにぶつける。
落下の勢いも加わり、かなりの高威力だ。
だが、やはりフシギバナは少し痛そうな表情で体を少しかがめるだけだった。
「続けてアイアンヘッド!」
ゴートンはすかさずその位置から、頭を思い切り硬化させ、フシギバナに激突する。
これも先程と同じだ。フシギバナは少し顔を引っ込めるが、それだけだ。
「打たれ強すぎる…。どこに付け入る隙があるんだ?」
苦い顔をするレオ。対して、アサツキはさらに衝撃の言葉を発する。
「このフシギバナは今までの三体とは格が違う。一応言っておくと、今までのあたしの三体——アルデッパ、バーネッコ、ナットレイ——が三体掛かりでこのフシギバナと戦っても、このフシギバナはその三体を蹴散らす事が出来るよ」
これで、このフシギバナの最強説が証明されたも同然だった。
「くっそ、ゴートン、騙し討ちだ!」
ゴートンは角を構えて走り出す。
しかし、意味など無かった。効果ではなく、意味の時点で何も無かった。
「フシギバナ、大地の怒り!」
フシギバナは足を踏み鳴らし、地面を揺るがす。
同時、その衝撃で大量の瓦礫が飛び出し、ゴートンに襲い掛かる。
大量の瓦礫はゴートンを吹っ飛ばす。しかも効果は抜群。
一撃でゴートンを戦闘不能にしてしまった。しかも今の一撃で、フィールドの三分の一の草が吹っ飛び、三分の一の木がへし折られ、破壊された。
「……!」
言葉が出ないレオ。強すぎる。今までの三体はなんだったのだろうか。
とりあえず、ゴートンをボールに戻す。そして心を落ち着ける。
「…大丈夫だ。奴の攻撃は大技ばかり、つまり攻撃前後の隙が大きい。相手の攻撃を避けつつダメージを与えていけば、勝てないことは無い。そしてハンタマならそれが出来る!」
レオは最後のボールを取り出す。
「さあ、後は全てお前に懸かってる。ハンタマ、頼むぞ!」
レオの最後の一体は、エースのリーティンとほぼ同格の力を持つハンタマ。
ハンタマもいつも以上に気合が入っている。準備は整った。
「さあ行くぞ! ハンタマ、マッハパンチ!」
「フシギバナ、来るよ! ヘドロ爆弾!」
フシギバナはヘドロを爆弾上に作り上げ、大量に撃ち出す。
しかし、それを作り上げるより早くハンタマはフシギバナに接近、あろうことかフシギバナの目に拳を叩き込んだ。
失明はしていないが、それでもこれはかなり痛かったらしい。フシギバナのヘドロ爆弾が止まり、呻きながら後退する
フシギバナはまともにダメージが入ったような行動を初めてレオに見せた。
まだまだ、勝負は分からない。アサツキ戦も、もうすぐ決着である。



自分で書いてて思いましたが、フシギバナ強すぎないか? テペトラー一撃、ゴートン一撃、しかも攻撃を喰らってもびくともしないなんて、自分で書いてて『何この鬼畜ポケモン』とか思ったのはザントのサザンドラ以来です。しかい、最後のハンタマがきっと頑張ってくれるはず。空も飛べるはず。さて、次回はいよいよ、ジム戦、決着です。それでは、次回もお楽しみに!