二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第四十話 最強の壁の突破口 ( No.125 )
- 日時: 2012/11/11 16:59
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a8bifGsH)
「フシギバナ、大地の怒り!」
フシギバナは足を踏み鳴らし、大地を揺るがす。
同時、砂煙が巻き起こり、大量の瓦礫が飛び、ハンタマに襲い掛かる。
「ハンタマ、避けられるだけ避けてくれ!」
ハンタマは素早い身のこなしで次々に瓦礫を避けていく。
飛んでくる瓦礫を踏み台にしてジャンプしたり、避けきれないものは拳で打ち砕いたりと、何とか直撃を避ける。
しかし、全ては避けきれない。何発かは、ハンタマにぶつかった。
「大地の怒りをそこまでかわせるなんて、なかなかやるね。隙が少ないのが分かる」
ちなみに今のでもう三分の一の草木が吹っ飛んだ。
「ハンタマと戦った人は皆そう言います! ハンタマ、ブレイズキック!」
「フシギバナ、ソーラービーム!」
ハンタマが足に炎をまとい、強烈な蹴りを放つと同時、フシギバナは花に光を吸収し、力を溜め込む。
フシギバナの頭に命中するが、やはり大きなダメージを喰らったような行動は見せない。
ハンタマは素早く退く。その瞬間、
「発射!」
フシギバナの花から白く輝く太陽光線が放たれる。
ハンタマは地を蹴って高く飛びあがり、太陽光線をかわす。
フシギバナはその軌道を変えるが、ギリギリでハンタマに命中はしなかった。
「ハンタマ、マッハパンチ!」
ハンタマは空中で拳を構え、次の瞬間にはフシギバナの真ん前に迫っている。
が、
「フシギバナ、ヘドロ爆弾!」
フシギバナは口からヘドロの塊を連続で発射する。
いくら隙を見せないハンタマと言えども、これは避けられない。ヘドロ爆弾の直撃を受け、吹っ飛ばされる。
効果は今一つだが、なかなか効いている。
「フシギバナ、大地の怒り!」
フシギバナは足を踏み鳴らし、地面を揺るがす。
砂煙と共に大量の瓦礫が飛び出し、ハンタマに襲い掛かった。この大地の怒りで、スタジアムの草木は完全に吹き飛んでしまった。
だが、ここでレオは大胆な行動に出る。
「ハンタマ、ビルドアップからブレイズキック!」
ハンタマはまず筋肉を増強させ、攻撃と防御を上げる。
この間に飛んで来た瓦礫のダメージはこれで抑え、続いて炎をまとった蹴りを繰り出す。
攻撃力の上げられたハンタマのブレイズキックは、瓦礫を粉砕しつつ、フシギバナへ一直線に渾身のキックの矛先を向ける。
だが。
フシギバナは、花に光を溜めていた。すなわち、ソーラービームを。
「…ッ! まずい、ハンタマ、切り替えだ! 側面からマッハパンチ!」
マッハパンチのスピードはこういうときにもとても役に立つ。
「発射!」
フシギバナが太陽光線を放った瞬間、ハンタマは素早く横に動き、フシギバナの横腹辺りに拳を叩き込んだ。
その時、レオはふと違和感を感じた。
(…効いてる?)
ソーラービームを放っているフシギバナの体が、ぐらりと揺れたのだ。
だが、その違和感を考えさせる時間を与えるほどアサツキは甘くない。
「ヘドロ爆弾!」
フシギバナは体の向きを変えると、ヘドロの塊を発射する。
「かわして側面にシャドーパンチ!」
さっきの違和感を確かめるために、レオはもう一度側面への攻撃を指示する。
ハンタマは素早い身のこなしでヘドロを避けると、フシギバナの横に回って、横腹に影をまとった拳を叩き込んだ。
やはり効いている。今度はフシギバナが少し仰け反ったのだ。
これではっきりした。
「アサツキさん、そのフシギバナを倒す方法が分かりましたよ」
レオは豪語し、その方法を言った。
「そのフシギバナは確かにとても打たれ強く、攻撃面も強い。でも、そのフシギバナは弱点である横腹への攻撃には弱い!」
そう。
どんなに強いものでも、必ず弱点や隙は存在する。
「あーあ、ばれちゃったか。でも、君にそれが出来る? それを知られた以上、こっちだってそれをカバーしていくし、何より、弱点を見破られる事も想定内よ! フシギバナ、大地の怒り!」
フシギバナは足を踏み鳴らして大地を揺るがす。もうフィールドは滅茶苦茶になっているが。
砂煙が巻き起こり、瓦礫がハンタマに襲い掛かるが、
「ハンタマ、その砂煙に隠れるんだ!」
ハンタマは砂煙に飛び込んで、フシギバナの視界から逃れる。
おそらく瓦礫は走り回って避けているのだろう。
「構わないわ。フシギバナ、全方位にソーラービーム!」
フシギバナは花に光を吸収し始める。その瞬間、
「…あ」
アサツキは自分のミスに気付いた。何故なら、
「今だ! ハンタマ、ビルドアップからブレイズキック!」
レオがこの隙を逃すはずが無いからだ。
砂煙の中から、ハンタマは足に炎をまとって飛び出してきた。
渾身のキックを、フシギバナの横腹へ叩き込む。
フシギバナが断末魔のような雄たけびを上げた。その体勢が崩れる。
大地の怒りの反動ダメージもあり、弱点に効果抜群の大技を喰らったフシギバナは、ついに倒れ、戦闘不能となった。
「あーあ、何であたし最後ソーラービーム指示したんだろ。トレーナーとしてはまだまだだなー」
と自分ではそう言っているアサツキだが、あのフシギバナの力は相当なものだった。
「あ、そうだ。はいこれ」
今までのジムリーダーは箱に入れてバッジを持ってきていたのだが、アサツキはポケットからバッジを取り出し、軽い調子でレオに渡す。
木の葉のような形をした、真ん中に丸い真珠(?)が埋め込まれているバッジだ。
「ブルムジム制覇の証、セルファバッジ。受け取って!」
「ありがとうございます!」
レオは、五つ目のバッジを手に入れた。
さて、あとがきのネタが思い浮かばないので、もう次回予告に入ります。次回は、今から考えます。それでは、次回もお楽しみに!