二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第四十三話 洋館の静寂を破る者たち ( No.131 )
日時: 2012/11/11 17:03
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a8bifGsH)

「こいつに勝てるか? 出て来い、トコヤミ!」
シャウラのポケモンは、あのトコヤミ。かつてのレオを完封寸前まで追い詰めた強敵だ。
「まずはトコヤミ、シャドーボール」
トコヤミは口から影の弾を放つ。
フシギバナの顔面に命中するが、フシギバナは少し目を瞑っただけで、とてもダメージが通っているようには見えない。
「む、ならば連続だ。シャドーボール連発」
トコヤミはさらに複数の影の弾を放つ。
フシギバナの額に命中するが、結果は変わらなかった。フシギバナは平然とその場に立っている。
「その程度? もしそうならまだまだね。フシギバナ、ソーラービーム!」
フシギバナは花に光を吸収する。
「ふん、随分と余裕なこと。トコヤミ、ダイヤブラスト!」
トコヤミは目の宝石から青白く光る光線を放つ。
フシギバナの肩付近に命中し、爆発を起こすが、フシギバナが体勢を崩した様子は無い。
「発射!」
フシギバナの花から白き太陽光線が放たれる。もの凄い勢いでトコヤミに襲い掛かる。
「トコヤミ、地面に潜れ」
トコヤミは素早く地面の下に潜ってしまう。穴はすぐに塞がれる。
「フシギバナ、大地の——はまずいか」
大地の怒りを指示しようとしたアサツキだが、屋敷が破壊されそうなので思いとどまる。
「トコヤミ、思念の頭突き!」
フシギバナの後ろから現れたトコヤミは、思念の力を額に集め、フシギバナの背後から頭突きを喰らわせる。
効果は抜群だが、それでもフシギバナの行動は、とても大きなダメージが通っているようには見えない。
「フシギバナ、ヘドロ爆弾!」
フシシバナは振り向き、ヘドロの塊を発射する。
トコヤミは攻撃直後で動けず、ヘドロの塊の直撃を受ける。
「むう、なかなかやるな。雑魚だと思って少々油断していたようだ」
「悪いけど、勝てない言い訳にしか聞こえないんだよね」
アサツキの言葉に、シャウラは大きく舌打ちする。そして、

「絶望に落ちろ。トコヤミ、ダークリゾルブ!」

トコヤミの体が闇のオーラに覆われる。
次の瞬間、そのオーラは一斉にフシギバナに向けて放たれる。
「フシギバナ、迎撃するよ! 破壊光線!」
フシギバナは花から赤黒い光線を放つが、その破壊光線も闇のオーラに飲み込まれる。
「無駄無駄無駄。全てを喰らい尽くせ!」
闇のオーラがフシギバナに襲い掛かる。フシギバナの体力を、蝕んでいく。


「まずは私から。アリンセス、十万ボルト」
アリンセスはいきなり大技で来る。強烈な電撃を放って、ゴートンを攻撃する。
「ゴートン、かわしてアイアンヘッド!」
ゴートンは襲い来る電撃を避けつつ、頭を硬化させ突進、アリンセスを吹っ飛ばした。
「アリンセス、落ち着いて。サイコカッターよ」
アリンセスは素早く起き上がり、腕に念動力の刃を作ると、ゴートンに切りかかる。
「ゴートン、鉄壁だ!」
ゴートンは体を鋼鉄の如く硬化させる。アリンセスの刃を正面からガードだ。
「ゴートン、思念の頭突き!」
すかさずゴートンは反撃に出る。思念の力を額に込め、頭突きで再びアリンセスを吹っ飛ばした。
だが効果は今一つなので、ダメージはそこまで無い。
「大丈夫よアリンセス。回復指令」
アリンセスが甲高い声で叫ぶと、屋敷の隙間から無数のアリが出て来た。
集団のアリはアリンセスにまとわりつき、蜜か何かをアリンセスに与える。
一見おぞましい光景に見えるが、これは回復技だ。十秒もすれば、アリはアリンセスの体から離れ、どこかへ消えてしまった。
「…変わった回復技だな。ゴートン、騙し討ちだ!」
ゴートンは猛スピードで突進、一気にアリンセスとの距離を詰め、頭突きを喰らわせる。
「アリンセス、サイコカッター」
アリンセスは腕に念動力の刃を作り、ゴートンを迎撃する。
しかし、ゴートンはさっとアリンセスの横に動き、横からアリンセスを吹っ飛ばした。
「騙し討ちは必中技だ。そう簡単に跳ね返せるもんじゃない」
アリンセスはまだ起き上がる。華奢な外見に似合わず、そこそこの耐久力はあるようだ。
「なら、アリンセス、十万ボルト」
アリンセスは強烈な電撃を放つ。
「ゴートン、かわしてアイアンヘッド!」
ゴートンは電撃を避け、額を硬化し、走り出す。
しかし、

「アリンセス、バグノイズ」

アリンセスは狂ったような騒音を発し、ゴートンの動きを止めてしまう。
「が…ッ!?」
その音はレオの耳にもダメージを与える。慌てて耳をふさぐレオ。
「アリンセス、サイコカッター」
その騒音にもメイサは耳をふさいでいない。苦痛の表情すら浮かべない。
アリンセスは腕に念動力の刃を作り、ゴートンを切り裂く。
「止めの十万ボルト」
間髪入れずにアリンセスは電撃を発射、その電撃はゴートンに命中。
強力な技を連続で受けたゴートンは、戦闘不能となって、倒れてしまった。
「くっ、強いな…。ゴートン、ありがとう」
レオはゴートンをボールに戻す。
「やっぱ弱いわね。手ごたえが無い。言っておくけど私の力はシャウラと同程度。つまり何にも成長して無いってことかしら?」
思い切り挑発するメイサ。しかし、この言葉でレオの心に火がつく。
「…へっ、言ってくれるじゃんかよ」
レオはまだ諦めていない。諦める理由が無い。一体でも戦えるポケモンがいれば、可能性は無限に広がる。
「じゃあ見せてやるよ。僕の力は、まだまだこんなもんじゃないさ」
レオは、次のボールを構える。



前回の続きですね。そして特にあとがきで書くことも無い。ということで、もう次回予告行きます。次回は、アサツキの戦いは決着、レオの戦いはもうちょい続きます。それでは、次回もお楽しみに!