二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第四十七話 ドラゴンキラー ( No.139 )
- 日時: 2012/11/11 17:30
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a8bifGsH)
爆発と共に、爆煙が巻き起こる。
「さっすが師匠…伝説のポケモン相手にここまで戦える時点で流石です!」
「やっぱりチャンピオンは超強いな…」
思わず声を上げるアサツキとレオ。
グレースとメタグロスは、共に爆煙を見据える。
「やったか…?」
呟くグレース。しかし甘かった。
伝説のポケモンが、神が、そう簡単に倒れるはずが無い。
ゴバッ! と煙が一瞬で吹き飛び、激しい怒りを表すように業火が放たれ、メタグロスを炎で包んでしまった。
「しまった、メタグロス!」
怒りの炎はかなりの大技。しかも効果は抜群だ。いくらメタグロスといえども、これは致命傷だろう。
さらにギラティナは波動を凝縮させた弾を放つ。
メタグロスはまだ炎に包まれていて動けず、波動弾が直撃した。
炎が消えると、メタグロスは戦闘不能だった。
「メタグロス、よくやってくれた。役割遂行としては上等だ。あとは私の二番手が確実に神を仕留めてくれる」
グレースはメタグロスを労い、ボールに戻す。
「おやおや、大丈夫なんですかねえ。あと一体で、ギラティナを倒せるんですか?」
マターが嘲笑う。グレースは特に動じず、マターに言葉を返す。
「ドラゴンタイプを持つポケモンは、大抵強力な力を持ったポケモンが多い。その強力さゆえ、弱いトレーナーはもちろん、ある程度の力を持ったトレーナーもドラゴンを使いこなすのは難しい」
「それがどうした」
マターは苛立ちを募らせた声を返す。マターにとってこんな話などどうでもいいのだ。
「つまり、ドラゴンを使ってくるトレーナーは相当の実力者。チャンピオンとして、相手の強さを見抜くのは実に重要なことなのだよ。私はそのドラゴン対策となるポケモンを持っていてね」
そして、グレースは次のボールを取り出した。
「ギラティナはドラゴンタイプを持ち合わせている。そして、次の私のポケモンは、今までドラゴンに負けたことが無い。まさに『ドラゴンキラー』に相応しい」
遂にグレースが、二体目のポケモンを出す。
「さあ行くぞ。冷たく暗き闇の爪は、龍を確実に討つ必殺の刃。龍の首を討ち取り、私に勝利を! 出でよ、マニューラ!」
グレースの二番手は、黒い猫のような姿に、手足に生えた三本の鋭い鉤爪、さらに頭部からは扇状の赤い羽根のようなものがついているポケモン。
マニューラ、鉤爪ポケモン。悪・氷タイプ。
「マニューラ…。確かにタイプ的にはギラティナが不利ですな。しかし、ギラティナは波動弾を持っている。マニューラ如き、恐れる相手ではない!」
マターの声に応えるようにギラティナは咆哮し、波動を凝縮した弾を放つ。
波動弾は必中技、どれだけ避けても、確実に標的を捕らえる弾。
しかし、
「マニューラ、メタルクロー!」
マニューラは鋼鉄のように硬い爪を構えて、波動弾に真っ向から突進。
一瞬で爪を振り下ろし、波動弾を切り裂いてしまった。
「マニューラ、氷柱パンチだ!」
そのままジャンプしたマニューラは、拳に氷柱のような尖った氷を出現、その拳でギラティナの下あごを突き刺す。
だが、メタルクローを構えてから氷柱パンチをギラティナに突き刺すまでのスピードが尋常ではない。
レオのハンタマのマッハパンチ並みかそれ以上と言えば、この速さが分かるだろうか。
「マニューラ、辻斬り!」
マニューラは攻撃の手を緩めない。ギラティナの下あごから一瞬で腹の辺りまで移動し、鋭い爪でギラティナを切り裂く。
ギラティナは怒りの雄たけびを上げ、強烈な炎を発射する。
しかし、マニューラはその炎を軽々と避けていく。燃え盛る炎を前にしても、まったく怯む様子など無い。
「マニューラ、剣の舞!」
マニューラは戦いのように激しく舞い、攻撃力を上げる。
ギラティナは雄たけびと共に、闇に消えた。
「シャドーダイブだな…。マニューラ、動き回れ!」
マニューラは駆け、跳び、とにかく動き回る。
しかし、そこは伝説のポケモン。マニューラが動いた先に正確に現れ、マニューラを吹っ飛ばす。
「くっ、マニューラ、氷柱パンチ!」
シャドーダイブを喰らったものの、効果は今一つ。
マニューラは受身を取って素早く起き上がり、氷柱のような尖った氷で固めた拳で、ギラティナに反撃する。
ギラティナは怒りの形相を浮かべ、炎を放とうとするが、
「辻斬りだ!」
炎が来るより早くマニューラは動き、ギラティナの腹部を爪で切り裂く。
すぐさまギラティナは振り向き、六本の羽の先の棘に炎を灯し、羽を爪のようにしてマニューラに切りかかる。
「甘いぞ! マニューラ、かわして氷柱パンチ!」
マニューラは再びジャンプ。襲い来る六本の羽を的確に避け、そして、尖った氷の拳を、ギラティナの額に叩き込む。
ギラティナが悲鳴をあげ、ぐらりと体勢を崩す。そろそろギラティナの体力もあと少し。
グレースの勝利が、見えてきた。
グレースの二番手、マニューラ。ゲームでもドラゴンキラーとして名高いポケモンです。攻撃、素早さが高く、大抵のポケモンは抜けます。ゴーストタイプにも強いですよね。そのマニューラに、グレースの的確な指示が加わると、ギラティナをも追い詰める力となります。さて、次回はギラティナ戦決着。それでは、次回もお楽しみに!