二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第五十二話 傷ついた日陰の霊 ( No.149 )
日時: 2012/11/11 23:08
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a8bifGsH)

仕掛けてきたのは、ゲンガーの方からだった。
手を構え、影の弾を発射する。シャドーボールだ。
「ハンタマ、かわしてシャドーパンチ!」
ハンタマは持ち前の運動神経で影の弾をひらりとかわすと、拳に影をまとい、ゲンガーに殴りかかる。
それを迎撃すべく、ゲンガーはもう一度影の弾を発射するが、
「甘いぜ。ハンタマ!」
その言葉で、ハンタマは拳で影の弾を殴り返す。
影の弾は放ったはずのゲンガーに当たり、直後にハンタマの拳がゲンガーに叩き込まれた。
「続けてブレイズキック!」
いつもはヒット&アウェイのハンタマだが、レオは追撃を指示。
ハンタマもためらいなく動く。足に炎を灯し、隙だらけだったゲンガーに渾身のキックをお見舞いした。
このゲンガーは確かに野生の中では強いのだろう。
しかし、それは所詮野生の中での話。
井の中の蛙の野生ポケモンなど、レオの敵ではないのだ。
「よーしいい感じだ。ハンタマ、シャドーパンチ!」
ハンタマは再び影を拳にまとい、ゲンガーに殴りかかる。
しかし、ハンタマが動く直前、ゲンガーは素早くハンタマに接近、一瞬の隙をついてハンタマに打撃を入れる。
「不意打ちか、でもその程度ならなんともない! ハンタマ、気にせずシャドーパンチ!」
不意打ちなど恐れず、ハンタマは影の拳で殴りかかる。
再び不意打ちを喰らったが、ハンタマは気にせず、カウンターのタイミングで拳を叩き込んだ。
「そろそろ止めだ! ブレイズキック!」
ハンタマは足に炎を灯し、渾身のキックをお見舞いした。
ゲンガーはこの連続攻撃に耐えられるはずもなく、森の奥へと吹っ飛ばされていった。
所要時間、わずか二分ちょい。
「よし、さあロップル…ッ!?」
ロップルの目が閉じていたことにレオは焦りを感じたが、
「zzz…」
ロップルは眠っていただけだった。
すこし安心し、レオは急いでロップルをポケモンセンターに連れて行く。


「大丈夫。明日の朝には、元気になっているわ」
ジョーイさんの言葉を聞き、レオはほっとした。
「あのロップル、野生のゲンガーに傷付けられたみたいで…」
「あら、そのゲンガーはこの町でも暴れ者で有名よ。傷付いた野生ポケモンが多くて、私も困っていたところなの。ま、これであのゲンガーも懲りたでしょ」
ジョーイさんはそう言って微笑む。
レオは、一日泊まるための部屋を借りた。
寝る前に、レオはロップルの様子を見にいった。
スヤスヤと寝息をたて、ロップルは気持ちよさそうに眠っている。
レオはロップルの頭をなで、部屋に戻った。
だんだんと睡魔が襲ってくる。まもなくレオも眠ってしまった。
次の日の朝は、レオは早く起き、一直線にジョーイさんの元へ。
ジョーイさんは、ちょうどロップルを連れて出て来た。
「もう大丈夫。すっかり元気になりましたよ」
ロップルは笑顔を浮かべ、ジョーイさんの腕から飛び降りた。
「よかったな、ロップル」
レオも笑う。
するて、ロップルは目を光らせ、念動力でレオのバッグを開ける。
「ちょ、おい…」
その中から、ロップルは念動力であるものを取り出した。
モンスターボールだ。
「…もしかして、お前、僕と一緒に行きたいのか?」
ロップルは笑顔でうなずく。
「よし、じゃあ決まりだな。よろしくな、ロップル!」
レオがモンスターボールをかざすと、ロップルはジャンプし、ボールに触れる。
ロップルがモンスターボールに吸い込まれる。ボールの点滅はすぐに止まった。
「よーし、ロップル、ゲット!」
そしてレオは、ジョーイさんに見送られ、ポケモンセンターを出る。
次は、ジム戦だ。


ラビンジムは、竹や笹で覆われた幽霊屋敷のような外見。
チヅルの情報では、ここのジムリーダーはスミレというらしい。
「よし。お願いします!」
レオはジムの扉を開ける。
ジムはスタジアムがあるのは同じ、だが少し薄暗い。
「おや、挑戦者かな?」
その時、奥から声がした。ジムリーダーが出てくる。
濃い緑色のショートヘアー、特徴は首に巻いたピンクのマフラー。
見た感じ、とてもクールな印象だ。
「僕はラビンタウンジムリーダーのスミレ。幼い頃からゴーストポケモンが大好きでね、今じゃゴーストタイプ使いのジムリーダーだ。ゴーストタイプへの愛は、世界一だと思ってる」
「……」
レオは、この時既に度肝を抜かれていた。
「おや、どうしたんだい?」
「…いえ、何でもないです」
完全に名前で勘違いしていた。
ジムリーダーのスミレは、男だった。

『ラビンタウンジム ジムリーダー スミレ  華麗なる霊の申し子』



はぎゃあああ爪が割れたあああ! あ、すいません。キーボードを打ち込んでいたら爪が割れました。そんなに強く打ち込んでたつもりはないんだけどな。さて、ついに手持ちが六匹。最後のポケモンはロップル、ハンタマとは対をなすゴーストタイプです。そしてジムリーダーも登場。次回はなジム戦です。それでは、次回もお楽しみに!