二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第五十三話 恵みを伝える自然の霊 ( No.152 )
- 日時: 2012/11/11 23:09
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a8bifGsH)
「おや、どうしたんだい?」
呆然とするレオに、スミレは言葉をかける。
「あ、いえ、何でもないです」
急いでレオは自我を取り戻す。
スミレは首を傾げるが、
「ま、いいか。じゃあ始めようか」
「はい、望む所です」
スミレとレオは、お互いにボールを構える。
「出でよ、自然の霊、パンプッチ!」
スミレの一番手は、かぼちゃに乗り、マントと帽子を被った、妖精のようなポケモン。
パンプッチ、かぼちゃポケモン。草・ゴーストタイプ。
「草タイプか。だったらなおさらこいつで行くぜ。頼むぞ、ゴルドー!」
レオの一番手は、これが初陣となるゴルドー。タイプ的には有利だ。
ゴルドーはボールから出ると、けたたましく威嚇の鳴き声を上げる。
「へえ。気合は十分だね、だけどゴーストタイプには我武者羅にぶつかったって勝てないよ。じゃあ行くよ、パンプッチ、シャドーボール!」
パンプッチは葉を振って、影の弾を三個飛ばす。
リーティンの葉とは違い、そう大きくないので、盾や打撃の武器に使うことは出来ないらしい。
「ゴルドー、エアスラッシュ!」
ゴルドーも羽を羽ばたかせ、空気の刃を三つ放つ。
三個ともお互いに激突、相殺され、共に消える。
「ゴルドー、火炎放射!」
ゴルドーは一声上げると、灼熱の炎を放って攻撃する。
「パンプッチ、シャドーボールだ!」
パンプッチは葉を振り、三つの影の弾を放つ。
しかし、炎の方が威力は高く、影の弾を焼き尽くし、更にパンプッチを焼く。
「よし、決まった!」
レオが叫ぶ。が、
「甘いね」
パンプッチは平然と浮かんでいる。
「この子の一番の長所は特防の高さ。大抵の特殊技なら耐えられる」
おそらくパンプッチは体力の半分も喰らっていないだろう。
「さあ行くぞ。パンプッチ、瞑想!」
パンプッチは精神を研ぎ澄ませ、特殊を高める。
「エナジボール!」
更にパンプッチは葉を振り、自然の力のこもった弾を放つ。
「かわして龍の息吹!」
ゴルドーは龍の力の込められたブレスを発射。
しかし、瞑想で能力を上げたエナジーボールの方が強く、徐々にブレスを押し進み、遂にブレスを破った。
自然の弾がゴルドーを捕らえた。しかし、効果は今一つが二つであるため、ダメージはほとんど無さそうだ。
「まだまだ。ゴルドー、火炎放射!」
ゴルドーは灼熱の炎を発射。
「パンプッチ、シャドーボール!」
パンプッチは葉を振り、影の弾を四つ放つ。
炎と激突し、威力は互角。爆発し、爆風が巻き起こる。
「今だ! エアスラッシュ!」
爆風を貫き、一陣の空気の刃が現れる。
不意を突かれたパンプッチは反応できず、空気の刃の直撃を喰らった。
しかし、パンプッチはまだ倒れない。
「なかなかやるじゃないか。だったら、必殺を使うかな」
ふう、とスミレは息を吐き、
「パンプッチ、重力波だ!」
パンプッチは強力な重力を含んだ波動を放つ。
レオは、どこが必殺なのか分からなかった。
重力波は重いほどダメージが高くなる技。しかし、ゴルドーは特別重いわけでもない。
なので、一発耐えてすかさず攻撃した方が早いかと考えたのだが、
直後、ゴルドーが羽を失ったかのように地面に落ちた。
「何だ!?」
突然の事に、レオが目を見開く。
ゴルドーは飛び上がろうとしているのだが、地面に張り付いたかのように全く動かない。
「本来、重力波は体重の重い相手に効果を発揮する技。でも、よく考えてご覧」
戸惑うレオに、スミレは何気ない口調で言う。
「強力な重力がかかった波動を喰らうんだ。空中のポケモンが空中に留まれるはずが無いだろ」
つまり、重力が強くなったため、ゴルドーは空中に留まれず、地面に落ちてしまった、という事だ。
「さて、悪いが決めさせてもらう。パンプッチ、シャドーボール!」
パンプッチは葉を振り、影の弾を四つ発射。
ゴルドーは動けるはずも無く、影の弾の直撃を受け、戦闘不能になってしまった。
「ありがとう、ゴルドー。休んでてくれ」
レオはゴルドーをボールに戻し、次のボールを構える。
「よし、やっぱりお前だな。ハンタマ!」
レオの二番手はハンタマ。今やすっかり頼れるアタッカーだ。
「へえ、君のハンタマ、いい気迫を感じるね。強そうなポケモンだ。パンプッチ、シャドーボール!」
パンプッチは葉を振り、四つの影の弾を放つ。
「かわしてシャドーパンチ!」
ハンタマは拳に影をまとい、突撃する。
影の弾をくぐり抜け、一気に跳びあがり、拳を叩き込む。
「くっ、パンプッチ、エナジーボールだ!」
パンプッチは自然の力を溜めるが、
「遅いですよ! ハンタマ、ブレイズキック!」
すかさずハンタマは足に炎を灯して、渾身の蹴りをぶち込んだ。
パンプッチは、防御はそう高くない。吹っ飛ばされ、壁に激突し、パンプッチは倒れた。
「…パンプッチ、よくやった。しっかり仕事を果たしてくれたな」
スミレはパンプッチをボールに戻す。
「そのハンタマはスピードとパワーを兼ね備えた、なかなかの強敵だな。だったら、こっちもパワータイプで攻めるとしよう」
そして、スミレはボールを取り出す。
六個目のジムをかけた戦いが始まりました。ゴルドーは初陣を勝利で飾る事は出来ませんでしたが、きっちりハンタマが仇を取ってくれました。何かハンタマ優遇しすぎかな? タイプの相性上どうしてもハンタマが出やすいんですよ。さて、次回もジム戦の続き。それでは、次回もお楽しみに!