二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第五十四話 呪怨を伝える恨みの霊 ( No.153 )
日時: 2012/11/11 23:10
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a8bifGsH)

「さあ出でよ、怨みの霊、ワラガシラ!」
スミレの二番手は、わら人形のようなポケモン。中央に赤い顔があり、大きな腕の付け根からは電気が放出されている。
ワラガシラ、辛みポケモン。ゴースト・電気タイプ。
二つの腕を構え、ワラガシラはギロリとハンタマを睨んだ。
ハンタマも負けじと睨み返す。お互いに気合はバッチリだ。
「よし、ハンタマ、まずはブレイズキック!」
ハンタマは跳びあがり、足に炎を灯して蹴りかかる。
「なら、ワラガシラ、炎のパンチ!」
ワラガシラも腕に炎をまとい、ハンタマを迎撃する。
お互いの炎技がぶつかり合う。競り合うが、しかし、ワラガシラのパワーが強く、遂にハンタマを吹っ飛ばしてしまう。
「何ッ!? ハンタマ!」
このワラガシラ、相当なパワータイプのようだ。かなり力がある。
「くっ、だったらハンタマ、シャドーパンチ!」
ハンタマは拳に影をまとい、殴りかかる。
「ワラガシラ、シャドーパンチ!」
ワラガシラも腕に影をまとい、拳の一撃を繰り出す。
しかし、今度はレオはお互いの激突を狙わない。
双方が激突する寸前、ハンタマは体勢を屈めてワラガシラの拳を避け、そしてワラガシラにアッパー状のシャドーパンチを喰らわせる。
だが、
「ワラガシラ、冷凍パンチ!」
ワラガシラは怯まない。
ハンタマが引き下がるより早く、ワラガシラは冷気をまとった拳でハンタマを殴り飛ばす。
ハンタマの技が、通じないのだ。
「追撃だ! ワラガシラ、雷パンチ!」
このワラガシラの技は全てパンチ系統らしい。
拳に電気を込め、ハンタマを追い、拳の一撃を放つ。この距離では避けきれない。
「くそっ、ハンタマ、ビルドアップ!」
ハンタマは筋肉を増強させ、雷パンチを正面から受ける。
しかし、それでもハンタマは完全には耐え切れず、かなり後退。防御力は上がっているのだが、それでもなかなかのダメージが入っているようだ。
「一つ言っておこう。ここで君がハンタマを出したことは、僕にとってはむしろ好都合なんだよ」
レオはスミレの言っていることが分からなかった。
「自分で言うのも何だが、僕はゴーストポケモン全ての特徴を知っている。ハンタマというポケモンは、素早さとパワーを売りにしているポケモン。君のハンタマは特に素早さが高いみたいだけど、そのくらいの差はどうとでもなるんだよ」
つまり、ハンタマというポケモンの得意な戦術をスミレは完全に理解しているのだ。
この状態で勝つのは相当難しいだろう。
「くっそ、ハンタマ、シャドーパンチ!」
ハンタマは拳に影をまとい、ワラガシラに殴りかかる。
「ワラガシラ、シャドーパンチ!」
ワラガシラも腕に影をまとって、ハンタマの拳を迎撃する。
今度は双方が激突、ビルドアップで威力が上がっているため、威力は互角。
だが、
「ワラガシラ、決めるぞ!」
その言葉で、ワラガシラはもう一方の腕に影をまとい、ハンタマを殴り飛ばした。
流石にこれは避けられない。しかも効果は抜群。
ハンタマは吹っ飛ばされ、戦闘不能となってしまった。
「ハンタマ、ありがとう。しかし、これは大きいな…」
ハンタマは頼りになるアタッカーゆえ、この戦力を失ったのは結構大きい。
しかも、スミレは初めてハンタマの隙の無さについて言わなかった。
「物理系なら、頼むぞ、ゴートン!」
レオの三番手はゴートン。久し振りの登場となる。
「なるほど、防御力の高いゴートンか。しかし、僕のワラガシラは炎のパンチを持っている。そう簡単には勝たせないよ」
「それは分かっています! ゴートン、まずは騙し討ち!」
ゴートンは角を構え、走り出す。
「来るぞワラガシラ。引き付けて、炎のパンチだ」
ワラガシラはすぐに動こうとはせず、腕に炎を灯し、腕を構える。
しかし、ぶつかる直前、ゴートンは消えた。
「何!? ワラガシラ、油断するな!」
そうスミレが指示した時には、ゴートンはワラガシラの後ろに現れ、ワラガシラに激突していた。
「くっ、やるな。ワラガシラ、シャドーパンチ!」
ワラガシラは怯まず、その腕に影をまとい直し、ゴートンを殴る。
「ゴートン、鉄壁だ!」
ゴートンは体を鋼鉄の如く硬化させ、ワラガシラのシャドーパンチを受けきる。
効果は今一つな上、鉄壁は防御力を思い切り高める技なので、そうダメージは大きくない。
「よし、ゴートン、思念の頭突き!」
ゴートンは額に思念の力を込め、地を蹴って駆け出す。
「ワラガシラ、炎のパンチ!」
ワラガシラは腕に炎を灯し、ゴートンを迎え撃つ。
しかし、激突する寸前にゴートンはハンタマの様に体勢を屈めて拳を避け、顔面に頭突きを叩き込む。
しかし、レオはあることを忘れていた。
そう、ワラガシラは、

「炎のパンチ!」

怯まないのだ。
すかさずワラガシラは炎の拳でゴートンを殴り飛ばした。
先程の鉄壁によって、何とか耐えたようだが、それでも大ダメージだ。あと一撃で終わりだろう。
「止めだ。ワラガシラ、雷パンチ!」
今度はワラガシラは電気を込めた拳で、最後の一撃を叩き込むべく、ゴートンに近づく。
そして、最後の一撃を、
叩き込めなかった。

何故なら、立ち上がったゴートンの体が輝きだしたからだ。

「「これは…進化か!」」
二人ともが同時に叫ぶ。
スミレは少々苦い顔で、レオは勝機を再び取り戻した笑顔で。
捻れた角は更に大きくなり、体つきもよりがっしりしたものとなり、額には角が生えた。
進化の光が消える。
山羊型の体型は崩さず、体は灰色で、足や捻れた大きな角は黒色。蹄と、額に生えた一本の角は赤くなっている。
その名はバフォット、悪魔ポケモン。従来の鋼に、悪タイプも付いたようだ。
しかも、技は一新されている。
バフォットは目を見開くと、大きな咆哮を上げる。
「よーし、スミレさん、バトルはまだまだここからですよ」
「ああ、そのようだな。面白くなってきた」
二人のバトルは、そう簡単には終わらない。



くーっ、小説大会、受賞したかったー! 結構自信はあったんですけどね。投票してくれた人、挙手! ——はしなくていいです。ま、冬見てて下さいよ。見事に一位を取って見せましょう! さて、ゴートンが進化しました。バフォットは大好きです。カッコイイし。さて、次回も続き。それでは、次回もお楽しみに!