二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第五十六話 魂を狩る死の霊 ( No.160 )
- 日時: 2012/11/11 23:14
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a8bifGsH)
「さあ、ネクロシア、まずは怒りの炎!」
ネクロシアは憤怒の如き激しい炎を撃ち出す。ギラティナのものより大きくはないが、それでもかなりの威力だろう。
「リーティン、かわしてエアスラッシュ!」
リーティンは飛び上がって空気の刃を避け、葉を振って空気の刃を放つ。
「大丈夫だ。ネクロシア、シャドークロー!」
ネクロシアは、影のように黒く長い爪で空気の刃を引き裂く。
そのまま突き進み、影の爪をリーティンに振りかざす。
「くそっ、リーティン、グラスミキサー!」
咄嗟にリーティンは葉を振り、木の葉の渦を発生させ、その渦をネクロシアに叩きつける。
だが、ネクロシアは爪を交差させて木の葉の渦を受け、グラスミキサーを耐え切った。
「このくらいならどうという事はない。ネクロシア、電磁砲だ!」
ネクロシアは電撃の砲弾を撃ち出す。
「リーティン、弾き飛ばせ!」
リーティンは葉を振って、砲弾を打ち返す。
勢いよく飛んだ電気の砲弾は、放ったはずのネクロシアを逆に捕らえた。
しかも、電磁砲を受けると必ず麻痺する。ネクロシアは体が痺れ、動きが鈍ってしまった。
「ちっ、麻痺させようとしたのが裏目に出たか…だが麻痺くらいなら立ち回り方でどうとでもなる! ネクロシア、サイコバレット!」
ネクロシアは念動力を銃弾のように連続で撃つ。
リーティンは葉で防御しようとしたが、それよりも早く念動力の銃弾がリーティンを捕らえ、吹っ飛ばす。
「どうだ、こいつのサイコバレットは。この技は自分が火傷を負う可能性があるけど、こいつは既に麻痺してる。火傷は受けないぞ」
スミレは得意げにそう言い、
「ネクロシア、シャドークローで追撃だ!」
ネクロシアは影のように黒く長い爪を構えて突進する。少しスピードが落ちているのは、麻痺によるものだろう。
「くっ、リーティン、立て直せ! エアスラッシュ!」
リーティンは体勢を崩しながらも、葉を振って空気の刃を発生させる。
だが、ネクロシアはやはり爪で空気の刃を難なく切り裂いてしまう。
しかし、この隙にリーティンは体勢を完全に立て直した。ネクロシアの攻撃を、余裕を持って避ける。
「グラスミキサーだ!」
「ならば怒りの炎!」
リーティンが葉を振って木の葉の渦を発生させると同時、ネクロシアも怒りのように燃える炎を放つ。
タイプ上では怒りの炎のほうが強いのだが、ネクロシアは特攻はそこまで高くないようで、グラスミキサーと互角。
お互いの技が消滅し、砂煙が上がる。
「チャンス! リーティン、グラスミキサー!」
だが、この砂煙を気にせず、リーティンは木の葉の渦をもう一度発生させ、ネクロシアめがけて叩きつける。
ネクロシアは砂煙で渦の軌道が見えず、渦の直撃をまともに喰らい、吹っ飛ばされる。
「リーティン、エアスラッシュで追撃!」
リーティンは続けて葉を振り、空気の刃を放つ。
「ちいっ、ネクロシア、切り裂け!」
吹っ飛ばされながらも、ネクロシアはなんと下半身の鎌で空気の刃を切り裂いた。
「よし、ネクロシア、サイコバレット!」
ネクロシアは、マシンガンのように念動力の銃弾を撃つ。
「リーティン、グラスミキサーで防御だ!」
リーティンは葉を振って木の葉の渦を発生させようとするが、それよりも先にネクロシアの念動力の銃弾がリーティンを捕らえた。
「ぐう、リーティン、グラスミキサー!」
「ネクロシア、怒りの炎!」
リーティンは葉を振って木の葉の渦を放ち、ネクロシアは憤怒の如き勢いの炎を放つ。
やはりお互いの技は互角で、消滅し、煙が上がる。
「リーティン、グラスミキサーだ!」
先ほどのように、リーティンはネクロシアに奇襲を喰らわせるべく、煙の中から木の葉の渦でネクロシアを襲う。
しかし、スミレとて馬鹿ではない。
リーティンが渦を放った先には、ネクロシアはそこにいなかった。
「何ッ!?」
慌てるレオ。そしてネクロシアは——
「シャドークロー!」
真上から爪を構えて切りかかってくる。
リーティンが反応するよりも早く、ネクロシアはリーティンを切り裂いた。
リーティンが地面に崩れ落ちる。まだ目は開いており、起き上がろうとしているが、体力はもう残りわずかだ。
「これで決める! ネクロシア、とどめのシャドークロー!」
もう一度、ネクロシアは爪を構える。
その爪を振り上げ、リーティン目掛けて振り下ろす。
そして、ネクロシアは吹っ飛ばされた。
「何だと!?」
思わず驚愕の声を上げるスミレ。
リーティンが起き上がる。その目は赤く光っていた。
リーティンは地を蹴って飛び上がり、吹っ飛んでいくネクロシアを追う。
すぐさまネクロシアに追いつき、怒り狂う龍のように怒涛の連続攻撃を浴びせる。
「これは…?」
レオは図鑑を取り出す。そこには、新たな技名が書かれていた。
連続切りが消え、代わりにあったのは、『逆鱗』。
「ば、馬鹿な! 何故このタイミングで逆鱗を…ッ!」
リーティンはもう一発ネクロシアを吹っ飛ばす。
「くそっ、ネクロシア、電磁砲!」
ネクロシアは電気の砲弾を放つ。リーティンを麻痺させ、動きを封じる作戦だ。
しかし、ネクロシアは動けなかった。最初に受けた麻痺によって、体が動かないのだ。
すかさずリーティンが襲い掛かる。
渾身の一撃を喰らったネクロシアは勢いよく吹っ飛ばされ、壁に激突。
「くっ、ネクロシア!」
戦闘不能となって、目を回していた。
「まさかあそこで逆鱗を覚えるとはね。完敗だ」
バトル後、スミレはレオを称賛する。
「いえ、運がよかっただけです。逆鱗さえ来なければ、僕は負けていました」
「だが、その運を確実に掴んだ君は、やはり勝利した。その強さを称え、このバッジを渡そう」
スミレは、目のような形をした、紫色のバッジを取り出す。
「ラビンジム制覇の証、ハダルバッジだ。ぜひ受け取ってくれたまえ」
「ありがとうございます!」
レオのバッジは、これで六個だ。
いろいろ言うことがありますが、諸事情によりあとがきは短くなります。次回一気に言うので、それでは、次回もお楽しみに!