二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第七十話 金色の角と小惑星 ( No.196 )
- 日時: 2012/11/13 19:35
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VmxYa/ch)
「始めようか。出て来い、プラネム」
リゲルが出したポケモンは、荒れ果てた小さな惑星のようなポケモン。中央に赤い目があり、宙に浮いている。
プラネム、惑星ポケモン。岩・エスパータイプ。
「タイプ相性を考えると…この子かな。お願いします、ヒョウカク!」
フウカのポケモンはイッカクポケモンのヒョウカクだ。水が無いが、尾びれで床の上に立っている。
「ほう、強そうなポケモンだ。さて、まずは戦術を見させてもらう」
聞かれないように小さくつぶやき、リゲルは技の指示を出す。
「プラネム、スターフリーズ」
プラネムは巨大な星型の氷塊を作り上げ、発射。
「ヒョウカク、破壊して水の波動!」
ヒョウカクは角を構え、襲い来る巨大な氷塊を粉砕。
間髪入れず、波動を込めた水球を放って反撃する。
「なるほど。プラネム、回避だ」
プラネムは浮かび上がって、水の波動を避ける。
「これならどうする? プラネム、ストーンエッジ」
今度はプラネムは無数の尖った岩を出現させ、一気に放つ。
「同じように! ヒョウカク、角で破壊!」
ヒョウカクは角を振り、襲い来る岩を確実に破壊する。
「今度はこっちからです! ヒョウカク、ドリルライナー!」
ヒョウカクが動いた。尾びれで床を蹴って飛び上がり、体を回転させ、ドリルのように突っ込む。
「ストーンエッジだ」
プラネムは再び尖った無数の岩を放つ。
だが、ドリルライナーの前には無力。岩は全て破壊され、ヒョウカクの一撃がプラネムを捕らえる。
「攻撃後の隙を逃すな! プラネム、ストーンエッジ!」
ヒョウカクは攻撃より特攻の方が高いというのもあるが、流石に七将軍第一位のポケモンは攻撃を喰らっても隙が少ない。
すぐに建て直し、無数の尖った岩を放って反撃。
「…ッ! ヒョウカク、バリアー!」
破壊は無理だと判断し、フウカは防御技を指示。
ヒョウカクは咄嗟に透明な壁を作り、無数の岩を完全防御。
「なかなかやるな。だがヒョウカクの大体の行動パターンは読めた」
リゲルの形勢は不利ではあるが、それでもリゲルの表情は余裕だ。
「形を持つ攻撃は全て角で破壊する。回避が間に合わない物理技ならバリアーを使い、攻撃を防御する。いい作戦だ」
言葉では褒めているが、口調が挑発にしか聞こえない。
「だがその作戦には穴がある。例えば、形のない特殊技が来たら」
フウカは答えなかった。うかつに相手の挑発には乗らないほうがいい。
「ヒョウカク、水の波動!」
再びヒョウカクは波動を溜め込んだ水球を放つ。
「プラネム、スターフリーズ」
プラネムは星型の氷塊を放ち、水の波動を相殺。
そして、
「覚悟しろ。プラネム、熱風!」
プラネムは非常に熱い風を起こす。
「なるほど…ヒョウカク、吹雪!」
ヒョウカクは雪を乗せた強い冷風で反撃する。
しかし、吹雪は熱風に溶かされ、ヒョウカクも熱風を喰らってしまう。
「プラネム、追撃だ。ストーンエッジ」
続けてプラネムは尖った無数の岩を放つ。
「くっ、ヒョウカク、バリアー!」
咄嗟にヒョウカクは透明な壁を作り、岩から身を守る。が、
「プラネム、熱風だ」
再び熱い風がヒョウカクを襲う。
「…ッ! ヒョウカク、回避です!」
だがフウカも同じ手は受けない。
ヒョウカクは尾びれの力で大きく飛び跳ね、熱風の範囲を避けた。
「スターフリーズだ」
「ドリルライナー!」
プラネムは星型の氷塊を放つが、ヒョウカクは角を構えて回転し猛突進、氷塊を破壊し、プラネムに角の一撃を与える。
「ちっ、やはりその角は厄介だ…」
リゲルは面倒くさそうな表情を見せる。
「ヒョウカク、吹雪!」
「プラネム、熱風」
ヒョウカクは追撃で雪を乗せた強い冷風を放つが、プラネムも素早く立て直し、熱い強風を起こす。
熱風はやはり吹雪を溶かし、ヒョウカクに襲い掛かる。
「くっ、ヒョウカク、躱してください!」
ヒョウカクは尾びれで飛び上がる。尾びれに熱風を掠めたが、ダメージはそう多くない。
「水の波動!」
「スターフリーズ、二発」
ヒョウカクは波動を込めた水球を放つが、プラネムは星型の氷塊で相殺する。
そしてすぐさま二発目がヒョウカクを襲う。
回避の隙を与えないくらい素早く攻撃するつもりだったが、やはりヒョウカクは角で破壊してしまう。
「…しょうがねえ、あの手を使うか」
小さくリゲルは呟く。そして、
「プラネム、ストーンエッジ」
プラネムは尖った無数の岩を放つ。
「ヒョウカク、ドリルライナー!」
だがヒョウカクは角を構えて回転し突進、やはり岩を全て破壊し、一直線にプラネムを狙う。
だが、その時だった。あと数センチまでヒョウカクが近づいた、その瞬間だった。
「プラネム、大爆発!」
プラネムの目がカッと光ったかと思うと、次の瞬間、文字通り大爆発した。
「!? ヒョウカク!」
自慢の角でも、爆風、つまり風を破壊することは出来ない。
プラネムはもちろん戦闘不能だが、防御の低いヒョウカクがこの至近距離からの爆発を耐えられずはずも無く、ヒョウカクも戦闘不能となって倒れた。
「よし、プラネム、期待通りだ。休んでおけよ」
満足した表情で、リゲルはプラネムを戻す。
「よくやってくれました。休んでてください」
フウカは少々悔しげな表情でヒョウカクを戻した。
「ま、こんなとこだ。相手に押していると思わせたところで自分ごと一気に倒す。凄いものだろう」
「ええ。度肝を抜かれましたよ。でも、まだまだここからです」
慌てず、フウカはボールを取り出す。
「そうだな。楽しませてもらおうか」
リゲルも楽しげな表情でボールを取り出した。
あれ、ちょっと待って? ドリルライナーって、地面技だっけ? …あ、やっちまったね。プラネム特性浮遊なんですけど。まあ、大丈夫か。アニメではよくあることです。さて、次回もリゲルvsフウカ、続きです。それでは、次回もお楽しみに!