二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第七十三話 ダイセツ山の戦い ( No.201 )
日時: 2012/11/13 22:44
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: VmxYa/ch)

次の日。
ラビリンシティを出た後、レオはチヅル、キラと共にフローズンシティへ向かっていた。
フローズンシティ付近にはイビルの連中がいるかもしれない(というかいるだろう)という考えで、たまたま目的地も同じだった三人は共に行くことになった。
だが、フローズンシティの前には、この国でも相当な標高を誇る山、ダイセツ山がそびえる。
この国では、シンオウ地方のテンガン山という山に次いで高い山だ。
今、三人はこのダイセツ山にいる。

大量に潜んでいたイビルの下っ端との交戦中だった。

「ファマイン、熱風!」
「タテボーシ、ハイドロポンプ!」
「リーテイル、エアスラッシュ!」
それぞれのエースポケモンを出し、下っ端をなぎ払う三人。
だが、下っ端は異常な数だ。そして、相手の主将は、
「只今クルサがフローズンシティで任務中。誰も通すなとの事なので、貴方たちを通すわけにはいかないの。ごめんなさいね?」
イビル七将軍、メイサだ。
「くっそ、何だってこんな数の下っ端が…!」
キラが歯噛みして呟く。
「全ての下っ端の二分の一がここにいるわ。大事な任務だから」
この数で二分の一。つまり下っ端は総数でこの数の二倍いることになる。
だが、いくら多くとも所詮は下っ端。少しずつではあるが、数は減ってきている。
メイサもそれに気付いたらしい。これを見かねたのか、下っ端に指示を出す。
「ごちゃごちゃに戦っても勝てないわ! 私もそこの中央の子と戦うから、隊を二つに分けて、残りの二人を相手して!」
その言葉で、一瞬のうちに下っ端の動きが統制される。
そして、メイサが一歩踏み出す。中央の子——レオに向かって。
「貴方の相手は私よ。ご指名です、シルドール」
メイサがポケモンを出す。両手と背中に盾を持つ、とても堅そうなポケモン、エスパータイプのシルドール。
「エスパータイプか。だったら、ロップル、頼む!」
レオのポケモンはロップル。タイプ相性的には有利だ。
「ロップル、相手は強いけど、お前なら大丈夫だ。頼むぞ」
ロップルは少々気が小さいため、レオはロップルをなだめる。
「そんなポケモンで大丈夫? まあいいわ、シルドール、殻を破る」
シルドールは盾で体を隠す。かと思うと、次の瞬間、その盾を破るように本体を表す。
「殻を破る…? こいつ、攻め型か?」
本来シルドールは抜群の耐久力を生かした防御型であることが多い。
だが、このシルドールは違う。殻を破るで決定力およびスピードを上げ、一気に攻めてくるアタッカーのようだ。
「油断できないな…ロップル、瞑想からシャドーボール!」
ロップルも決定力を上げる。精神を集中させ特攻と特防を上げると、影の弾を放つ。
「シルドール、かわして催眠波動」
シルドールはひらりと影の弾を避けると、催眠作用のある波動を放つ。
ロップルに命中したが、効果は今ひとつ。しかも今回は眠らなかった。
「まだだ。ロップル、シャドーボール、そしてサイコキネシス!」
ロップルは再び影の弾を放つ。
再びシルドールは軽い動きで避けるが、シャドーボールに念動力をまとわせ、シャドーボールの軌道を変えてシルドールに命中させる。
「もう一発だ!」
さらにもう一撃ロップルは影の弾を叩き込む。
「調子に乗らないでほしいわね。十万ボルト」
だがシルドールもやられっぱなしでは無い。体勢を立て直し、強い電撃を放つ。
お互いの技の威力は互角、競り合うが、お互いに消滅してしまう。
「まだまだ。ロップル、気合玉!」
ロップルは気合を凝縮した弾を発射する。
「シルドール、ダイヤブラスト」
シルドールは青白く輝く光線を放つ。気合玉と青白い光線がぶつかったが、光線は当たると爆発し、爆煙を起こす。
「シルドール、十万ボルト」
煙の中から、強烈な電撃が飛んでくる。
突然の攻撃にロップルは避けられず、電撃の直撃を喰らう。
「くっ、ロップル、サイコキネシスで煙を払え!」
ロップルは念動力を起こし、煙を吹き飛ばす。
「シャドーボールだ!」
続いて影の弾を作り上げ、シルドールにぶち込む。
だが、

「シルドール、催眠波動」

シルドールは影の弾を避けると、催眠作用のある波動を放った。
ロップルに命中、効果は今ひとつだが、今度は催眠効果が発動し、ロップルはバタリと地面に倒れこみ、眠ってしまう。
「くっ…! しまった…催眠波動をすっかり忘れてた…!」
歯噛みするレオには構わず、メイサはシルドールに決めの一撃を指示する。
「終わりよ。シルドール、ダイヤブラスト!」
シルドールは青白く輝く光線をロップル目掛けて放つ。
ロップルはまだ目覚めておらず、動けない。終わった。そう思った。
だが、終わらなかった。

突如、崖の上から強烈な電撃が飛び、シルドールを捕らえたからだ。

「何ッ!?」
慌てて崖の上を見上げるメイサとレオ(と一応幼馴染二人)。
そこにいたのは、長い金髪の青年。年齢はメイサと同年代くらいか、その少し下だろう。
そして、その傍らには、青い棘々の体に鋭い爪と牙を持つ、サーベルポケモンのマカドゥス。
「ちょっと! バトルの最中に割り込んでくるのやめてくれない?」
皮肉を込めてメイサは言う。
その青年はメイサには構わず、レオたちの方を向き、口を開く。
「助太刀させていただこう。私の名はウェイガ。以後お見知りおきを」



さて、テポドンさん、ウェイガの登場が遅れてすみません。キャラ崩壊等ありましたら何なりと申し付けください。今回はフローズンスティの手前、ダイセツ山での戦いです。フローズンシティは地図で言うと高知県の南に位置します。さて、次回はダイセツ山での戦いは終わり、フローズンシティですね。それでは、次回もお楽しみに!