二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第八十三話 凍てつく氷の使い手 ( No.219 )
日時: 2012/11/17 17:42
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Dj5QpmsJ)

病院に行くに当たって、お見舞いの品を買うためにフレンドリィショップに立ち寄るレオとキラ。
だが、レオとキラはそういうものに関してのスキルはあまり無い。
こういう時はチヅルがいればいいなと心から思えたりする。
とりあえず花と、何か各自で思ったものを買い、病院へ向かう。
病室には、チヅルとウェイガもいた。
「シオンさん、お見舞いの花と、あとこれを。下らないものですけど」
レオが迷った挙句に買ったものは、ピッピ人形だった。
「俺はこんなのを買ってきました。暇つぶしにでも使ってください」
キラが買ってきたのはジグソーパズルだった。
「ありがとう、二人とも。これで私もすぐに元気になるわ」
意外にシオンは元気だった。ベッドから起き上がろうとし、ウェイガに止められる。
「足を骨折しただけだったから、すぐに退院できるって。背中にも傷があるらしいけど、そっちは軽いらしいよ」
チヅルが簡単に説明する。
しばらく雑談をしていた後、レオたち四人は病室を出て行った。病院を出た辺りで、
「では、私はこれで。旅は一期一会、それでは、よい旅を!」
ウェイガはレオたちに手を振り、歩いていってしまった。旅人と言っていたし、またどこかで会うかもしれない。


次の日を迎え、今は朝。
レオたちは特にやることも無く、今日やることを考えていたところ、
「ちょっとちょっと、レオ!」
ポケモンセンターのロビーに駆け込んできたのはチヅル。
「チヅル? どうしたんだよ、そんなに慌てて」
何気なくレオは尋ねる。だが、

「シオンさん退院して、ジムに戻ったって!」

「はあ?」
思わずソファーから立ち上がるレオ。
確かに、昨日チヅルは『すぐに退院できる』と言っていた。だが、
「いくらすぐにって、一日で退院って大丈夫なのかよ?」
「だから私も来たんじゃない! とにかく、ジムに行くわよ!」
半ば連れて行かれる形で、レオはチヅルに向かう。
ジムは水色に塗装され、柱は立派で、氷の神殿を思わせる。
フリーザー戦で使っていたポケモンを見ても、シオンは氷タイプの使い手だろう。
レオとチヅルは扉を開け、ジムに入る。
スタジアムは氷で覆われ、ところどころ尖った氷柱が立っている。
そして、スタジアムの向こうには、
「シオンさん!」
足にギブスを巻き、椅子に座り、松葉杖も持ったシオンの姿が。
「やあ、レオ君、チヅルちゃん。ジムの挑戦?」
「ちょ、シオンさん、大丈夫なんですか?」
「いくらすぐに退院できるといっても、一日で退院なんて…」
レオとチヅルは心配したような声を出すが、シオンに笑い飛ばされてしまう。
「退院したっていうより、してやったね。 病院は辛気臭くて嫌よ。ジムを待たせるわけにもいかないし」
シオンは再び笑う。
「ま、ここから動けないといえば動けないんだけどね。奥で修行してるジムトレーナーたちに負ぶってもらわないと動けない感じ。それより、ジム戦でしょ?」
「え? あ、まあ…」
とりあえず、レオとチヅルはじゃんけんでどちらが最初に挑戦するか決める。
勝ったのはレオだった。
「あー…じゃあ、お願いします」
「オーケー。私は怪我してるけど、私のポケモンたちは超元気だからね。私の氷ポケモンで、君の心を凍て付かせてあげるわ」


「まずはこの子。鉄壁の装甲、パルシェン!」
シオンの一番手はパルシェン。非常に堅い殻を持つ、水・氷タイプのポケモンだ。
「パルシェンが一番手か。だったら、頼むぞテペトラー!」
レオの一番手はテペトラー。水技と氷技のダメージを半減し、格闘技で効果抜群を狙える。
「行くよ。パルシェン、氷柱落とし!」
パルシェンは大きな氷柱をいくつか落とす。。
「テペトラー、突っ込め! マグナムパンチ!」
テペトラーは氷を次々と潜り抜け、パルシェンに迫る。拳を構えて接近し、ミサイルのような勢いでパンチを繰り出す。
だが、
「パルシェン」
シオンのその声で、パルシェンは殻を閉じ、完全防御の姿勢をとる。
ゴキィィィィィン! と壮絶な音が響き、あろうことかテペトラーは逆に弾かれてしまう。
「何ッ!?」
驚愕を隠せないレオ。テペトラーは相当な攻撃力を持っているのだ。そのパンチを正面から受け、しかもはじき返す。かなりの防御力だ。
「パルシェン、スプラッシュ!」
パルシェンは殻を閉じながら、水飛沫を上げつつ突撃。
「テペトラー、受け止めろ!」
テペトラーは殻から突き出た角を掴んで、何とかパルシェンの突撃を止める。
「投げ飛ばせ!」
そのまま力任せに腕を振り回し、パルシェンを投げ飛ばす。
パルシェンは壁に激突する。激突するが、内部、外部共に傷は無い。
傷一つ無い。
パルシェンは殻を開き、挑発的な表情を浮かべる。
「なら特殊技だ! テペトラー、波動弾!」
テペトラーは波動を凝縮した弾を撃ち出すが、
「特殊技なんて関係ないわ! パルシェン!」
パルシェンは再び殻を閉じ、波動弾をも弾いてしまう。
そして、
「氷柱落とし!」
パルシェンは殻を開き、大きないくつかの氷柱を落とし、波動弾を破壊し、テペトラーにもダメージを与える。
「くっそ、ハイドロポンプ!」
テペトラーは大量の水を放つが、氷柱落しを終えると再びパルシェンは殻を閉じ、やはり完全防御。
「攻撃するときだけ開くのか…? ダメージを与えるだけでも苦労しそうだな…」
フローズンジムは、一筋縄ではいかなそうだ。

『フローズンシティジム ジムリーダー シオン 吹雪に舞う氷の姫』



お見舞いとジム戦の二本立てだよ!(違) さて、ジム戦開始です。シオンはまだ全然怪我が治っていませんが、ジム戦開始です。先鋒のパルシェンからして、どんな攻撃も防いでしまう強敵です。ゲームでは絶対にこうはいかない。さて、次回もジム戦です。それでは、次回もお楽しみに!