二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第八十八話 星を司る三伝説 ( No.233 )
- 日時: 2012/11/17 17:51
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Dj5QpmsJ)
「よーし、じゃあ次は私が挑戦する!」
チヅルが勢いよく手を挙げる。
「オッケー。ちょっと待ってね、ポケモンたちを回復させてあげないと」
シオンが後ろを振り向き、何かを呼ぶと、奥からジムトレーナーであろう人が出て来た。
シオンを負ぶって、ジムの奥へと引っ込む。
しばらくすると、二人が戻ってきた、再びシオンは椅子に座る。
「よーし、準備万端。掛かって来なさい。私の氷ポケモンで、君の心を凍てつかせてあげるわ」
レオはポケモンセンターに戻った。
最初にレオたちがフローズンシティを訪れた時には、クルサがフリーザーで大暴れしており、町の人たちは皆避難していたが、今はそんなこともなく、普通に街中やポケモンセンターで人を見かける。
ポケモンを回復させ、ロビーで他のトレーナーたちと雑談をしていると、
「ひゃっほう!」
テンションの高い声とともに、誰かがポケモンセンターに入ってきた。
チヅルだ。様子を見ると、どうやら勝ったらしい。
「あれ、チヅル、勝ったのか?」
一応確認。
「当ったり前でしょー。私の可愛いポケモンたちが負けるわけないじゃーん」
やけにテンションが高い。その時、またしても見覚えのある人が入ってくる。
「お、いたいた。レオ君、チヅルちゃん、ちょっといいかな」
二人が振り向くと、そこにいたのは懐かしい人。
「コウラン博士じゃないですか!」
「こんなところまでどうしたんですか?」
「いや、ちょっと君たちに用があってね。フローズンジムまで来てくれないか?」
チヅルとレオは顔を見合わせるが、とりあえず博士についていく。
三人が来たのは、フローズンジムの奥の部屋。会議室のようなところだ。
「お待たせ。連れてきたよ。キラ君は居なかったけど」
博士が中にいた人に声をかける。
そこにいたのは、シオン、スミレ、そして、
「グレースさん!?」
チャンピオンのグレースもいた。
「久しぶりだな、レオ君。元気そうで何よりだ」
まあ二人とも座りたまえ、とグレースは空いている椅子を指さす。
「スミレ先輩。何かあったんですか?」
「いや、僕もまだ聞いてないんだ。何か重要なことが判明したらしいが」
話し合うスミレとシオン。
「さて、では話を始める。重要な話だ」
グレースがゆっくりと口を開く。
「コウラン博士や各地のジムリーダーに頼んで、調べてもらったところ、イビルのいろいろなことが明らかになった」
皆の表情が急に変わる。
「イビルの目的は、伝説のポケモン、恐怖の神ガタノアの力で世界を恐怖の闇に陥れ、世界を制圧すること。『ゲート』でガタノアを呼び出し、『リモコン』で操るという計画だろう」
『ゲート』及び『リモコン』の力の恐ろしさをレオは体験している。
「そこでだ。我々はそれに対抗出来うる策を考えた。その結果、一つの可能性が浮上した」
グレースの言葉に、皆が反応する。それを確認し、グレースがゆっくりと口を開く。
「ガタノアと対をなす、平和を司る伝説のポケモン、ロイツァーだ」
ここでコウラン博士が一枚の写真を出した。
レオには見覚えがある。フィアタウンの遺跡の壁画だ。
「この紫の龍はガタノア。ロイツァーは、この白い龍。この二匹はそれぞれ闇と光を呼び、世界のバランスを保っている」
「でも、どうやってロイツァーを呼び出すんですか?」
声を上げたのはチヅルだ。
「それが問題だ。それについては、今——」
グレースの言葉は、最後まで聞こえなかった。
突如、バガアアアアアアン! と、外から轟音が響き渡ったのだ。
「何だ!?」
シオンを除く皆が立ち上がる。
「メタグロス、シオンを乗せて私についてきてくれ」
グレースはメタグロスを出し、シオンを乗せる。
六人はすぐさま外に出た。そこにいたのは、
「…またしても貴様か」
グレースが思わず言葉づかいを荒くするほどの人物。
炎の龍、リザードンに乗った男。マターだ。
「おやおや皆さん、これはお揃いで。ま、貴方たちがここにいることは知っていましたから、少々暴力的な手段で呼び出させて頂きました」
「何の用だ」
グレースはマターの言葉を無視した。
「いや、大した用ではないんですがね。貴方たちに、イビルの新戦力をお見せしようと思いまして。お前たち、用意」
了解しました、と三人の下っ端がリザードンから飛び降りる。
その下っ端三人の右手には『ゲート』が、左手には『リモコン』が付けられていた。
下っ端が『ゲート』を起動させる。
生み出された空間の裂け目から、三匹のポケモンが現れた。
紺色の体に、尻尾や足から渦巻く風が飛び出している、大犬のようなポケモン。
緑色の体に赤い模様をした、鷲のようなポケモン。
紫色の体に、赤い一本の角を生やした、獅子のようなポケモン。
「…ッ!」
グレースが歯噛みする。
「おや、これが何か分かるようですね」
マターの声は挑発的だ。
「…何故だ。何故貴様ら如きに、ライラプス、ガニメデ、ネメアを操ることができる!」
「簡単なことなんですって。『リモコン』さえあれば、操れないポケモンなど存在しません」
ま、今回はこの戦力を見せに来ただけです、とマターは付け加え、
「それでは、失礼!」
三体のポケモンを引き連れ、去って行った。
「馬鹿な…まさか伝説のポケモン三体が、向こうの戦力に加わるとは」
「伝説!?」
驚くレオとチヅル。
「ああ、今の三体はライラプス、ガニメデ、ネメアと言い、伝説のポケモンだ」
六人の表情は暗い。だが、その時。
「そうだ! あいつなら何か知ってるんじゃないか? 伝説のポケモンと関わったことがあると言ってるあいつなら」
スミレが急に口を開いた。
「そうか! 確かに、あいつなら何かいい案をくれるかもしれんな」
グレースもスミレに同意。シオンも何を言っているか理解しているようだ。
「あいつ…?」
それが分からないのはレオとチヅル。
「ただ、協力を求めるのは難しいかもしれんな。あいつは自分より強いものにでないと協力しようとしないだろう」
「あいつって誰ですか?」
チヅルがグレースに訊く。
「ああ、そうか。実は、知り合いの中に、伝説のポケモンとの関わりを持った男がいてな」
グレースはいったん言葉を切り、
「ソルナシティジムリーダーの、ザントという男だ」
さてと、今回の話、何だかグダグダですね。ノープランで小説を書くとこうなります。皆さん、ご注意を。今回は何と伝説の三体がイビルに加わってしまいます。そして、さあ、皆さん! ついにあの男のフラグが立ちました! 伝説の男、ザントが、遂に次回登場します! それでは、次回もお楽しみに!