二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第九十話 最強のジムリーダーの実力 ( No.235 )
- 日時: 2012/11/17 17:56
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Dj5QpmsJ)
「出て来い、サザンドラ!」
先にポケモンを出したのはザントからだった。
青い体に黒い体毛、三つの顔を持ち、背中に六本の翼を生やした、四メートル強のドラゴンポケモン。
レオは図鑑を調べるが、
「? 説明が出てこない…」
画面には『No information』(情報がありません)と表示されている。
「サザンドラはウチセトにはいないポケモンだ。代わりに俺が教えてやる。サザンドラは悪・ドラゴンタイプ。特性は浮遊だ」
ザントの言葉を聞き、レオはボールを別のものに構えなおす。
「一応言っておくが、このサザンドラは俺の切り札だ。ちょっとばかり本気で行かせてもらうぞ」
「臨むところです! まずはお前だ、頼むぞ、フィニクス!」
レオの一番手はフィニクス。向こうのドラゴン技が怖いが、こちらもドラゴン技で効果抜群が取れる。
「行きますよ! フィニクス、まずは大文字!」
フィニクスは煌々と燃え盛る大の字型の炎を放つ。
「サザンドラ、大文字だ!」
サザンドラも大の字型の炎を撃ち出した。
だが、サザンドラの大文字は、フィニクスのものと少々競り合うが、すぐにフィニクスの大文字を打消し、フィニクスを捕える。
だが、フィニクスの特性は貰い火。炎技ではダメージを受けず、こちらの炎技の威力が上がる。
「よし、フィニクス、ドラゴンダイブ!」
フィニクスはすざましい殺気を放ちながらサザンドラ目掛けて突進。
「貰い火か。ならばサザンドラ、大地の力!」
サザンドラは地面から土砂を噴射させ、逆にフィニクスを捕えた。フィニクスが吹っ飛ばされる。
「くっ、まだまだ。フィニクス、大文字!」
「サザンドラ、龍の波動!」
フィニクスは強大な大の字型の炎を放つが、サザンドラの放った龍の力の込められた波動の弾に押し負け、龍の波動がフィニクスを捕えた。
効果は抜群、フィニクスは吹っ飛ばされ、
それだけで戦闘不能となってしまった。
「え…?」
レオのフィニクスは決して打たれ弱くない。たとえ効果抜群の攻撃でも、もう少し耐えられるはずだった。
「どうした? お前の力はその程度か」
「…い、いいえ。ここからです! 頼む、テペトラー!」
すぐに自我を取り戻し、二番手、テペトラーを繰り出すレオ。
「よし! テペトラー、マグナムパンチ!」
テペトラーはロケットのような勢いで拳を繰り出す。
「サザンドラ、龍の波動!」
対して、サザンドラは龍の力の込められた波動の弾を放つ。
テペトラーの拳と激突するが、少し競り合っただけでテペトラーはすぐに弾き飛ばされてしまう。
「くっ、ここからだ! テペトラー、冷凍パンチ!」
テペトラーは今度は拳に冷気を込め、殴りかかる。
「サザンドラ、龍の波動!」
サザンドラはもう一度龍の力の込められた波動の弾を放つ。
タイプの相性上、今度は相殺されるが、
「大地の力だ!」
間髪入れずにサザンドラの追撃が来る。
テペトラーの足元から勢いよく土砂が噴出される。テペトラーは思い切り吹っ飛ばされ、壁に激突し、戦闘不能となった。
「くっ…ありがとう、テペトラー…これは…」
レオは薄々感づいていた。
このサザンドラは、強敵なんて生易しいもんじゃない。
「くっそ、まだまだ! 次はお前だ、頼むぞハンタマ!」
レオの三番手はハンタマ。
「スピードで勝負だ! ハンタマ、マッハパンチ!」
ハンタマは一瞬でサザンドラとの距離を詰め、サザンドラの額に拳の一撃を叩き込む。
「よし、やっとだ!」
やっと攻撃が当たった。ハンタマは深追いせず、素早く距離を取る。
「サザンドラ、龍の波動!」
サザンドラは龍の力の込められた波動の弾を放つ。
「ハンタマ、かわしてブレイズキック!」
ハンタマは素早い動きで波動をかわすと、足に炎を灯して強烈な蹴りを繰り出す。
「大文字だ!」
対してサザンドラは大の字型に燃え盛る炎を発射。
ハンタマと激突し、やはりハンタマは吹っ飛ばされる。
「大地の力!」
そこにすかさず大地から土砂が勢いよく噴き出し、体勢が整っていなかったハンタマは避けられず、これを喰らって戦闘不能となってしまう。
(実力が違いすぎる…どうしろって…!)
いよいよ後が無くなったレオ。ハンタマをボールに戻す。
「…まだだ。ゼロでなければ、可能性はいくらでも広がる! 任せたぞ、リーテイル!」
レオの最後のポケモンはエースのリーテイル。
「リーテイル、生い茂る!」
リーテイルはコロシアムから植物を生やし、サザンドラに絡みつかせ、動きを止める。
「この程度。サザンドラ、大文字!」
サザンドラはすぐさま大の字型の炎で植物を焼きつくし、難なく脱出。
「リーテイル、ドラゴンビートだ!」
だが、この時間はリーテイルが攻撃を与えるには十分すぎる。
リーテイルは龍の心臓の鼓動のような音波を放ち、サザンドラを攻撃する。
「気にするな。サザンドラ、龍の波動!」
サザンドラは龍の力の込められた波動の弾を放つ。
「リーテイル、かわしてエアスラッシュだ!」
リーテイルはひらりと龍の波動を避けるが、
「もう一撃だ!」
避けたところにもう一撃波動の弾が飛んできていた。リーテイルは避けられず、波動を喰らって吹っ飛ばされる。
「終わりだ。サザンドラ、クリムゾンエイト!」
サザンドラは、血のように真っ赤な八つの花弁のような光線を放った。
血の花弁のような光線は、吹っ飛んでいくリーテイルに追いつき、体を貫いた。
「リーテイル!」
リーテイルが地面に落ちる。どう見ても戦闘不能だった。
「…僕の…負けです…。実力が違いすぎた…」
ザントの計り知れないその実力の前に、圧倒されたレオだった。
さあ、久しぶりのザント戦闘シーンです。自分で書いてて思いましたが、強すぎますね。アサツキのフシギバナとかリゲルのバンギラスの比じゃないと自分で思いました。あと、クリムゾンエイトは前作で応募した淡幸さんのオリ技です。詳しく知りたい方は、前作をご覧ください。さて、次回は、レオ修行回か、もしかしたら番外編にするかもしれません。どっちにするか悩んでます。それでは、次回もお楽しみに!