二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第九十一話 バトルクラブ ( No.236 )
日時: 2012/11/17 17:58
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Dj5QpmsJ)

レオは、ポケットモンスターのソファに座り込んで、考え事をしていた。
考えていることは勿論、ザントに勝つ方法である。
(戦略云々の問題じゃない。あのサザンドラは単に正面から攻めて来ただけだ)
その通りだった。ザントは、数々の戦術を駆使して勝利をもぎ取るタイプではない。
圧倒的な力で、敵を正面から叩き潰す。典型的なゴリ押しタイプだが、ポケモンの力が非常に高いため、この戦略で十分すぎる結果を手に入れられる。
そして、導き出した結論は一つ。
(あのサザンドラに付け入る隙なんてない。あれを倒すためには、あれより強くなるしかないんだ)
レオはゆっくりと立ち上がった。
各町には、バトルクラブと呼ばれる、ポケモンバトル専門所のようなところがある。


バトルクラブ。
ここには、たくさんのポケモントレーナが強くなるためにやって来る。
パソコンのような機械で、バトル相手を求めているトレーナーを探したり、クラブ内にある様々な機械で修行することもできる。
その時、
「おーっす、レオ。バトルクラブで修行?」
フロントにいたのはチヅル。
「ああ。ジムリーダーのザントさんにボコボコにされた」
「レオも? 私も負けて今から修行中だよ」
どうやらここに来た目的は二人とも同じようだ。
そして、この時の二人の考えも同じだった。
「ここに来た理由は同じ。それなら」
「バトルするしかないでしょ! ね!」
幼馴染の二人は息ピッタリ。二人のバトルが始まる。


ルールはフルバトルとなった。
「よーし、私の力見せつけるぞ! 頼むよ、コーシャン!」
チヅルのポケモンはあのコーシャン。
「お前しかいないよな。出て来い、テペトラー!」
レオの一番手は、相性的には非常に有利なテペトラー。
「やっぱりテペトラーか。でも対策は出来てるよ。コーシャン、まずは瞑想!」
コーシャンは精神を研ぎ澄ませ、特殊能力を高める。
「物理攻撃で勝負だ! テペトラー、マグナムパンチ!」
テペトラーはミサイルのような勢いで拳を繰り出す。
「コーシャン、悪の波動!」
コーシャンは悪意に満ちたオーラを放って迎撃するが、テペトラーの拳の方が強く、悪の波動は打ち破られ、コーシャンに拳の一撃がヒットする。
悪の波動と競り合って威力は落ちていたが、それでも効果抜群。ダメージは大きい。
「っし! テペトラー、波動弾!」
続けてテペトラーは波動を凝縮した弾を撃ち出す。
「コーシャン、立て直して! 火炎放射!」
コーシャンは素早く体勢を立て直し、燃え盛る灼熱の炎を放つ。
波動弾とぶつかり、威力は互角、お互いに相殺され、消滅する。
「だったらハイドロポンプだ!」
テペトラーは大量の水を噴射する。
「大丈夫よ! コーシャン、サイコキネシス!」
だがコーシャンは念動力を発し、強烈な勢いで飛んできた水を止めてしまう。
「水を逸らして悪の波動!」
そしてコーシャンは念動力を操作して水を明後日の方向へと逸らし、すかさず悪意に満ちた波動を発射する。
「テペトラー、一発耐えて波動弾だ!」
テペトラーは腕を構えて防御の体勢を取り、悪の波動を耐え切り、素早く反撃に出る。
波動の凝縮された弾が放たれ、コーシャンに命中。
瞑想で特殊能力が上がっているため、コーシャンは耐えられたが、それでもダメージは大きい。
「相性が…いや、大丈夫。コーシャン、サイコキネシス!」
コーシャンは念動力を発し、テペトラーに向けて放つ。
一瞬にしてテペトラーを捕え、テペトラーの動きを止めてしまう。
「投げ飛ばして!」
そのまま念動力を操作し、テペトラーを思い切り投げ飛ばす。
テペトラーは壁に激突し、かなりのダメージを負う。
「テペトラー、まだいけるか?」
テペトラーは何とか立ち上がり、頷いた。コーシャンを睨み付ける。
「よし、よく立った! 行くぞテペトラー、マグナムパンチだ!」
テペトラーは拳を構え、地を蹴って飛び出す。一気にコーシャンとの距離を詰めていく。
「同じよ! コーシャン、サイコキネシス!」
コーシャンは再び念動力を発する。
が、
「今だテペトラー! 跳び上がれ!」
テペトラーは思い切りジャンプし、間一髪でサイコキネシスを避けた。
「うそっ!? コーシャン、上よ! 悪の波動!」
コーシャンはすぐに上を向き、悪意に満ちたオーラを放とうとしたが、少し遅かった。
すでにテペトラーとの距離はほとんどなかった。
テペトラーの拳がコーシャンに綺麗に命中し、コーシャンが吹っ飛ばされる。
壁に激突し、戦闘不能となってしまった。
「うん、善戦はしてくれたね。休んでて、コーシャン」
チヅルはコーシャンを労い、ボールに戻す。そして、次のボールを取り出す。
「相性を覆せなかったか。それなら、次はセオリー通り行くよ。お願いね、リーフィス!」
チヅルの二番手は、ガラス瓶から無数の植物を生やし、心地よい香りを分泌している、緑色の爬虫類のようなポケモン。
リーフィス、観葉ポケモン。草・水タイプで、アロフィーの進化形だ。
「強そうなのが現れたな…テペトラー、マグナムパンチ!」
テペトラーはミサイルのような勢いで拳の一撃を繰り出す。リーフィスを正面から捕える。
しかし、
「効いて…ない?」
少々のダメージはあるようだが、リーフィスは平然としている。
「リーフィスは耐久系ポケモン。大体の攻撃は余裕で耐えられるよ」
チヅルは自慢げに言う。
「それでもダメージはゼロじゃないはずだ。冷凍パンチ!」
テペトラーは今度は冷気を込めた拳で殴りかかるが、
「リーフィス、ギガドレイン!」
リーフィスはガラス瓶の下から蔓を出すと、その蔓をテペトラーに巻き付け、動きを止めてしまう。
そして、その蔓を通してテペトラーの体力を吸い取る。
効果は抜群、コーシャン戦でのダメージもあり、テペトラーはこれで戦闘不能となった。
「テペトラー、よくやった。しっかり仕事を果たしてくれたよ」
レオはテペトラーをボールに戻し、次のボールを構える。
レオ対チヅルは始まったばかり。どっちに転ぶかは、まだまだ分からない。



久しぶりの更新。時間がなかなかとれないのです。あと最近文字数が多い話ばかりになっています。ご了承ください。さて、今回は特に話すこともないので、あとがきはこれで終わります。次回はチヅル戦続き。それでは、次回もお楽しみに!