二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第九十三話 錯乱させる翼 ( No.241 )
- 日時: 2012/11/17 18:44
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Dj5QpmsJ)
「コクジャク、シャドーボール!」
コクジャクは一声上げると、影の弾を三つ作り上げ、一気に放つ。
「ゴースト技持ってるのか。ロップル、サイコキネシス!」
ロップルは念動力を発し、影の弾を止める。
タイプ相性上、ロップルはゴースト技または悪技を受けると大変な事になる。
「ロップル、こっちは瞑想だ!」
ロップルは精神を研ぎ澄ませ、特殊能力を上げる。
「続けてサイコキネシス!」
ロップルは再び念動力を発する。コクジャクを操るのではなく、念動波でコクジャクを吹っ飛ばす。
「乗り移る!」
効果今一つだが急に吹っ飛ばされ、体勢が整っていないコクジャクに、ロップルは更に追撃を仕掛ける。
ロップルの体が煙のようにコクジャクに吸い込まれていき、コクジャクの体の内側から攻撃する。
しかし、コクジャクは余裕とまではいかないものの、レオが思っていたよりダメージは少なそうだ。
「このコクジャクは特防に重点を置いて育ててる。効果抜群でも、そう簡単には落ちないよ」
自慢気に言うチヅル。
「さあコクジャク、気合い入れて行くよ。エアスラッシュ!」
コクジャクは羽ばたき、空気の刃を放つ。だがその数、かなりの量だ。
「何だってこんな量…ロップル、サイコキネシス!」
ロップルは念動力で空気の刃を跳ね返し、逆にコクジャクを切り裂く。
だが如何せん数が多い。何発かは残り、ロップルを切り裂いた。
「私は昨日ザントさんに負けて、昨日からここで特訓してるんだよ? 今のもここで覚えたんだ」
「なるほどな。ロップル、乗り移る!」
ロップルは煙のようにコクジャクに吸い込まれ、内部に攻撃。
コクジャクはまだ飛んでいるが、ダメージも溜まってきているようだ。
「あと一発喰らうとまずいな…よし」
チヅルは微かに笑い、そして、
「コクジャク、金縛り!」
コクジャクは羽の目を一斉に開き、ロップルをじっと見据える。
だがそれだけだ。なにも起こらない。
だが、レオは何か嫌な予感を感じる。
そもそも、チヅルは一見のほほんとしたキャラに見えるが、実はなかなかの戦略家だ。
ググズリーにあらかじめ嗅ぎ分けるを覚えさせておくなど、隙の無い戦いが出来る。
(何かあるな…でも悩んでても始まらないか)
「ロップル、サイコキネシス!」
ロップルは念動力を放つ。今度はコクジャクを操り、コクジャクを思い切り地面に叩きつける。
「この隙を逃すな! 乗り移る!」
ロップルの体は煙のようになり、コクジャクの体に
吸い込まれなかった。
厳密に言えば、煙状にすらならなかった。
「!? …まさか」
「そう、そのまさかだよ」
チヅルの口元は僅かに笑っていた。
「金縛りは、直前に相手が出した技を封じる技。そのロップルはしばらく乗り移るが使えないよ」
しかもよく考えると、ロップルは乗り移る以外にコクジャクへの有効打が無い。
「こいつはまずいな…ロップル、瞑想!」
ロップルは精神を研ぎ澄ませ、特殊能力をさらに高めていく。
「コクジャク、シャドーボール!」
コクジャクは一度に三つの影の弾を放つ。
「これしかないな…ロップル、サイコキネシス!」
ロップルは念動波を放って、影の弾を相殺する。
「ならコクジャク、こっちも!」
コクジャクも念動力を発動させる。
ロップルの体を操り、上へ思い切り放り投げた。
「ここでシャドーボール! かわせるかな?」
落下していて体の自由が利かないロップル目掛けて、コクジャクは三つの影の弾を発射する。
「くっそ、ロップル、弾き返せ!」
ロップルは咄嗟に帽子を取り、影の弾を何とか弾き飛ばした。
「だったらエアスラッシュ!」
コクジャクは今度は羽ばたいて無数の空気の刃を飛ばす。
ロップルは避けられず、刃の直撃を喰らう。
これはかなりのダメージだ。瞑想で特防を上げていなければ、まず耐えられなかっただろう。
「しぶといねー。コクジャク、サイコキネシス!」
「喰らってたまるかよ。ロップル、サイコキネシス!」
お互いの放った念動波がぶつかり合う。
瞑想で特攻を上げていたロップルのものの方が強かったが、威力も弱まっており、大した威力にはならない。
「そろそろ決めるよ。コクジャク、サイコキネシス!」
コクジャクは再び念動力を発し、ロップルの動きを止めてしまう。
そしてロップルを持ち上げ、地面に叩きつける。
「もらった! シャドーボール!」
そしてすかさずコクジャクは三発の影の弾を発射。
ロップルは何とか起き上がるが、回避は間に合わない。
「くっそ…」
影の弾は一直線にロップルに迫り、
ロップルは、辺りに電気を撒き散らした。
「何だ!?」
「え、あれ!?」
驚く二人。影の弾は電撃を喰らい、消えてしまう。
レオは素早く図鑑を開く。
「放電…ロップル、放電を覚えたのか!」
ロップルはレオの方を振り向き、何とか笑顔を作った。しかも、
「ちょっ…コクジャク!」
電撃が羽に直撃したらしく、コクジャクは地面に落ち、痺れて動かない羽を必死で動かそうとしている。
「よーし、もらった! ロップル、放電だ!」
ロップルは周囲に電撃を撒き散らす。
コクジャク本体に直撃し、コクジャクは一声鳴いて動かなくなった。戦闘不能だ。
「あちゃー…コクジャク、休んでてね」
チヅルはコクジャクを労い、ボールに戻す。
レオも、大分消耗しているロップルをボールに戻した。
「さあ、これでお互いに残り三体か」
「そうだね。私の残存戦力は強いのばっかだから、覚悟しといたほうがいいかもよ」
「望むところだ」レオとチヅルは、お互いに次のボールを取り出す。
携帯からの更新です。携帯だと文字数が分からないので、いつもと長さが大きく違うかもしれません。さあ、今回はロップルが放電を習得、コクジャクに逆転しました。ちなみに消えたのは気合玉です。ベガは放電の技マシンがあります。ヘルガーも覚えるって強くね? さて、次回も続きですね。それでは、次回もお楽しみに!