二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第九十九話 魂を切り裂く死神 ( No.249 )
日時: 2012/11/18 06:46
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: mKkzEdnm)

「次はお前だ。任せたぞ、ハンタマ!」
レオの次のポケモンはハンタマ。もう出し惜しみはしていられない。
「やはりハンタマか。ここでフィニクスは考えにくいからな」
何故その判断に至ったかは不明だが、ザントはレオの手を読んでいた。やはり油断できない。
「行きますよ。ハンタマ、早速だけどお前の新技を見せるぞ!」
ハンタマはぐっと構え、頷く。

「ハンタマ、跳び膝蹴りだ!」

ハンタマは地を蹴って跳び、強烈な膝蹴りを繰り出す。
「ほう。ズルズキン、復讐だ!」
ズルズキンは立ち上がり、

その時点で顔に膝蹴りを喰らって吹っ飛ばされてしまった。

「何? 速いな…」
(珍しく)ザントは少々驚いたような表情を見せる。
ズルズキンは壁に激突し、戦闘不能となってしまった。
「このハンタマはマッハパンチを覚えていました。特訓で、こいつはマッハパンチを忘れた代わりに、そのスピードを技術として身に着けたんです」
「なるほど。どうりであのスピードが出るわけだ。ズルズキン、休んでいろ」
ザントはズルズキンをボールに戻し、次のモンスターボールを取り出す。
「そのスピードからの跳び膝蹴りは少々厄介だな。ならばこいつだ、出て来い、ネクロシア!」
ザントの三番手は、スミレも使用した異形のポケモン。
ゴースト・悪タイプのネクロシアは、弱点を持たない。
「ゴーストタイプか…格闘技が効かないのはちょっと厄介だな」
「それを読んでのチョイスだからな。ネクロシア、辻斬り!」
ネクロシアはすっと動く。
ハンタマへ急接近し、急に一回転して下半身の刃でハンタマを切り裂く。
しかし、間一髪でハンタマは横に飛び退いていた。
「うおっ危ねえ…ハンタマ、ブレイズキック!」
その位置からハンタマは足に炎を灯して蹴りを繰り出す。
「ふん、ネクロシア、スプラッシュ!」
対して、ネクロシアは腕に水をまとい、水飛沫を散らしながらその腕を叩きつける。
スプラッシュは水技、ブレイズキックでは勝てない。ハンタマは押し負け、逆に吹っ飛ばされる。
「ネクロシア、ギガスパーク!」
ネクロシアは腕を構え、超高電圧の電撃の砲弾を放つ。
「今度は電気技かよ! ハンタマ、かわしてシャドーパンチ!」
ハンタマは素早く受け身をとって起き上がり、体を屈めて電撃の砲弾を避けると、拳に影をまとってネクロシアを殴りつけ、吹っ飛ばす。
吹っ飛ばされたネクロシアは、まだ余裕で起き上がる。だがその目には確実に怒りがこもっている。
「来たか」
ザントは短く呟く。
「こいつは非常にキレやすくてな。だが、その時にフルパワーで放てる技を持っている。ネクロシア、怒りの炎!」
ネクロシアは目をカッと見開き、怒りにまかせて燃え盛る炎を撃ち出す。
「炎技まで持ってるのか! ハンタマ、かわしてブレイズキック!」
ハンタマは飛び上がり、炎を避ける。だがその炎の範囲はかなり広く、ハンタマが避けられたのもギリギリだった。
そのままハンタマは足に炎を灯して渾身の蹴りを繰り出す。
「こいつなら打ち消せる。ネクロシア、スプラッシュ!」
ネクロシアは水飛沫を上げながら、水をまとった腕を振るう。
しかし、
「ハンタマ、避けろ!」
すれすれでハンタマはさっと横に避け、ネクロシアの腕を避け、そこから炎の蹴りでネクロシアを吹っ飛ばした。
そしてハンタマはさっと退く。
「隙がないな、そのハンタマ。攻めのパターンを変えるか?」
「こいつと戦った人はほとんどそう言います! ハンタマ、シャドーパンチ!」
ハンタマは地を蹴って跳び、猛スピードで接近し、影をまとった拳を振るう。
「ネクロシア、辻斬り!」
しかしネクロシアは身を屈めて拳を避け、その場で一回転して鎌でハンタマを斬りつける。
ハンタマがその場に倒れこむ。これはかなりのダメージに見える。
「ハンタマ、大丈夫か? その鎌、半端ないな…」
今の辻斬りは、特に急所に当たったようにも見えない。効果抜群でもない。
「こいつの鎌をなめるなよ。ネクロシアというポケモンの一番の強さはこの鎌の鋭さだ。特にこいつは攻撃力を最大まで高めてある。ラビンのジムリーダーのネクロシアにも負けんぞ」
ハンタマは何とか起き上がる。
「そろそろ終わりだ。ネクロシア、ギガスパーク!」
ネクロシアは超高電圧の電撃砲を放つ。しかし、レオは焦らない。
ハンタマは、もう一つの新技を覚えているからだ。

「ハンタマ、サイコバレット!」

ハンタマは銃弾のような念動力をマシンガンのように放つ。
電撃砲に念動力の銃弾が無数に直撃する。しかし、サイコバレットではネクロシアにダメージが与えられない。
だから、ハンタマはサイコバレットをネクロシアの目の前の地面に撃ちこむ。
地面が割れ、その衝撃でネクロシアは吹っ飛ばされる。
「もらった! ハンタマ、ブレイズキック!」
ハンタマは足に炎を灯し、地を蹴ってすかさずネクロシアを追う。
渾身の蹴りで、ネクロシア目掛けて止めを刺そうと一気に迫る。
だが、一つミスがあった。
ネクロシアの鎌が、ハンタマの方向へ向いていたということだった。

「ネクロシア、辻斬りだ!」

吹っ飛ばされながらも、ネクロシアは下半身の鎌を思い切り振り抜き、ハンタマを切り裂いた。
この攻撃で、ハンタマは地面に落ち、戦闘不能となってしまう。
「なっ…!?」
完全に計算外だった。
「バトルは最後まで油断できない。こういう大逆転があるからだ」
「そうですね…ありがとうハンタマ、休んでてくれ」
レオはハンタマをボールに戻す。
「でもまだですよ。まだ十分に勝機はある!」
レオは叫んで、次のボールを取り出す。