二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第百話 暗闇に渦巻く毒霧 ( No.250 )
日時: 2012/11/18 16:30
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Yry.8Fde)

「さあ任せたぞ、フィニクス!」
レオの四番手はフィニクス。やはりエースは最後だ。
「やはりフィニクスで来たか。ネクロシア、辻斬り!」
ネクロシアは一瞬でフィニクスとの距離を詰め、一回転して鎌でフィニクスを切り裂く。
「フィニクス、エアスラッシュ!」
だがそれより先にフィニクスが羽ばたいて無数の空気の刃を飛ばし、逆にネクロシアを切り裂いた。
「大文字!」
そしてすかさず、フィニクスは煌々と燃え盛る大の字型の炎を放つ。
ネクロシアは避けられず、大文字に焼かれて戦闘不能となる。
「特訓の成果はしっかり出ているようだな。ネクロシア、休んでいろ」
ザントはネクロシアをボールに戻し、次のボールを取り出す。その表情に焦りは一切見られない。
「次はお前だ。出て来い、モアドガス!」
ザントの四番手は、三つの紫色の顔が連結したようなポケモン。それぞれの顔にいくつか穴があり、ガスが噴き出している。
モアドガス、毒ガスポケモン。毒・悪タイプ。
「俺の手持ちの中で、こいつとヘルガー、そしてサザンドラは八年以上前からのメンバーだ。強いぞ」
「そう来なくっちゃ。相手が強いほど燃え上がりますよ。フィニクス、大文字!」
フィニクスは大の字型の燃え盛る炎を放つ。
「モアドガス、大文字だ!」
モアドガスも大の字型の燃え盛る炎を放つ。しかし、タイプ一致のフィニクスのものの方が強い。フィニクスの炎がモアドガスのを破り、モアドガス本体を焼く。
「ならば雷!」
大文字は大分威力が落ちていたため、モアドガスに大したダメージはない。
モアドガスはすかさず雷に匹敵する高電圧の電撃で反撃する。
フィニクスに命中するが、効果は今一つ。大したダメージではない。
「モアドガス、危険な毒素!」
ザントが名前からしてヤバそうな技を指示する。
モアドガスは見るからに毒々しい物質の塊を放つ。
「あれは…! フィニクス、回避!」
本能的に危険を感じ取ったレオ。
フィニクスはすぐさま後退し、距離を取る。
その予感は正しかった。
毒素が床に落ちた瞬間、ジィワァァァァァァァァァァ! と油が飛び散るような音がし、床が溶けたのだ。
「危ねえ…あんなの喰らってたら終わってたな…フィニクス、エアスラッシュ!」
フィニクスは羽ばたいて無数の空気の刃を飛ばし、モアドガスを切り裂く。
「ドラゴンダイブ!」
その隙を突いて、フィニクスはモアドガスの上を取る。
そのまますざましい殺気を放ちながら急降下し、モアドガスを吹っ飛ばす。
モアドガスは床に叩きつけられるが、それでもまだ浮かび上がり、ガスを勢いよく噴射して威嚇する。
「そろそろだな」
ザントの目の光が変わる。(何か…何か来るぞ!)
身構えるレオ。フィニクスもじっと相手を見据える。

「苦しみに落ちろ。モアドガス、ダークリゾルブ!」

モアドガスの体が闇に包まれる。
次の瞬間、その闇のオーラが放たれ、フィニクスに襲い掛かる。
「これか…! フィニクス、エアスラッシュ!」
フィニクスは羽ばたいて無数の空気の刃を放つが、それでもほとんど削れない。
チヅルのボルトックも使っていたが、威力が桁違いだ。
圧倒的にモアドガスのものの方が強い。
闇のオーラがフィニクスを包み、フィニクスの体力を蝕んでいく。
闇のオーラが消えると、フィニクスはまだ倒れていないようだったが、それでもかなりのダメージを受けているのが分かる。
「フィニクス、まだやれるか?」
それでも、レオの言葉に、フィニクスはしっかりと頷く。
(これ以上喰らうと危ないな…どうする? あれを使うしかないか…)
だが、レオが考えるのを待ってくれるほどジムリーダーは甘くない。
「悪いがそろそろ決めさせてもらおう。モアドガス、決めるぞ。ダークリゾルブ!」
(ここしかない!)
ここまで来たらもうレオは迷わなかった。
モアドガスが闇のオーラに包まれる瞬間、

「フィニクス、流星群!」

フィニクスは龍の力を凝縮した弾を真上に放つ。
モアドガスが闇のオーラを放つと同時、その弾は空中で炸裂し、無数の流星のように地面に降り注ぐ。
「何ッ!? 流星群を覚えたのか…」
ザントはほんの一瞬だけ、驚いた表情を見せた。
龍の力が込められた無数の聖なる流星は、放ち手へと向かう闇のオーラを粉々に破壊し、モアドガスにも流星の雨が襲い掛かる。
流石にこれは耐えきれなかったようだ。
モアドガスは地面に落ち、それでもまだ起き上がろうとしたが、そこで体力を使い果たし、倒れてしまった。
「まさかドラゴンタイプ最強技、流星群を習得したとはな。モアドガス、休んでいろ」
ザントはモアドガスをボールに戻す。
流星群を習得して間もないフィニクスは、これを使うだけでかなりの疲れが出る。もう体力が持たないだろうと判断したレオも、フィニクスを戻した。
「さあ、これで最後の一体」
「絶対に負けません。この一週間、勝つためだけに費やしたんです」
お互いに手の内は分かっている。
「終焉の時だ。出て来い、サザンドラ!」
「お前にかかってる。頼んだ、リーテイル!」
お互いのエースが現れる。
最後の砦にして絶対の強さを誇る、ザントの最後の切り札。
サザンドラ。
遂に、この壁を越えなければならない時が来たのだ。



えーっと、まず、今まで全然更新していなかったことを謝罪します。本当に申し訳ないです。今日からまた時間がとれそうなんで、ちょくちょく更新していこうと思っています。つかザントの手持ち、強すぎません? 特攻隊長ヘルガー、攻守に優れるズルズキン、弱点無しで多彩な技を持つネクロシア、大技しか持ってないモアドガス、そして絶対王者サザンドラ。強すぎでしょ。さて、次回遂に決着です。それでは、次回もお楽しみに!