二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 番外編二話 炎を操る剣士 ( No.257 )
日時: 2012/11/18 16:34
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: W5lCT/7j)

「よし。私の二番手、炎の如く熱き心をを持つ侍よ、立ちはだかる悪を一刀両断せよ! 出でよ、サムラダケ!」
グレースの二番手は、頭が赤い茸のかさの形をした、人型のポケモン。手には刀のようなものを持っている。
サムラダケ、茸ポケモン。草・炎と、これまた珍しいタイプだ。
「ヘルガーも大分消耗しているな。よしヘルガー、最後に一発、地獄の炎!」
ザントの指示に応じるようにヘルガーは吼え、赤黒い地獄の業火を放つ。
「ふっ、サムラダケ、かわしてリーフブレード!」
サムラダケは小さく、しかし的確な動きで炎を避けながら接近し、得物の刀に自然の力を込めてヘルガーを切り裂く。
効果は今一つだが、急所に当たったらしく、ヘルガー自体もジバクン戦でダメージを蓄積していたため、戦闘不能になってしまった。
「…よくやったぞヘルガー。休んでいろ」
ザントはヘルガーを労い、ボールに戻す。
「次はこいつだ。出て来い、ジバコイル!」
ザントの二番手は、コイルが三体連結したUFOのような外見のポケモン。左右のコイルと真ん中のコイルの後ろには磁石が付いている。
ジバコイル、磁場ポケモン。電気・鋼タイプで、こいつもまたザントの八年以上前からのポケモンだ。
「おや、悪タイプではないポケモンも持っていたか」
「シンオウには毒・悪タイプのドラピオンを切り札に据える虫タイプ使いの四天王がいるから問題無い」
「…まあそうだな。サムラダケ、フレアドライブ!」
サムラダケは体に炎をまとい、ジバコイル目掛けて一気に突っ込む。
「ジバコイル、ハイドロポンプ!」
対してジバコイルは左右のユニット(磁石)を高速回転させ、大量の水を噴射する。
ジバコイルのハイドロポンプはタイプ不一致であるため、炎を完全に消すことは出来なかったが、ダメージは最小限に留める。
「反撃だ、バグノイズ!」
ジバコイルは高周波数の狂ったような雑音を発し、サムラダケの動きを止めつつダメージを与えていく。
「十万ボルト!」
バグノイズで動けない隙を狙い、ジバコイルはすぐさま強烈な電撃をサムラダケに浴びせる。
効果今一つの割に、ダメージはそこそこの量。
「くっ、なかなかやるなそのジバコイル。ザント、お前と戦う人はタイプ相性だけではバトルは分からないということを改めて思い知るだろう」
「そんな事は当たり前のことだ。ジバコイル、磁力線!」
ジバコイルは磁力を操作し、磁力の波でサムラダケを攻撃。
技の軌道が見えない、やっかいな技だ。
だが、
「サムラダケ、見切り!」
サムラダケは見えないはずの磁力の波の動きを掴み取り、一瞬の動きで磁力線を避ける。
「瓦割りだ!」
そのまま地を蹴ってサムラダケはジバコイルのところまで跳び、ジバコイルに手刀を振り下ろす。
これは効果抜群、なかなかのダメージが通る。
「怯むな! ハイドロポンプだ!」
サムラダケは空中におり、自由に動けない。
ここが隙だと判断したザントは、ジバコイルに攻撃を指示し、ジバコイルは大量の水を噴射する。
「甘いな。サムラダケ、見切り!」
しかしサムラダケは再び見切りを発動させ、落下しながらも刀で水を完全防御し、綺麗に着地。
「ならばバグノイズだ!」
見切りは連続で使えない。
だからザントは、バグノイズでサムラダケの動きを止め、攻撃をさせない作戦にでる。
「チャンス! 磁力線!」
すかさずジバコイルは磁力の波を放ち、サムラダケを追撃する。
効果今一つで致命傷には至らないが、今一つにしてはダメージが大きめ。
「畳み掛けろ! 十万ボルト!」
「そう何度も喰らわんぞ! かわしてリーフブレード!」
サムラダケは受け身を取って起き上がり、十万ボルトを何とか避ける。
そして一気にジバコイルまで駆け寄り、自然の力を込めた刀でジバコイルを切り裂く。
「さっきまでのお礼だ。サムラダケ、もう一発!」
サムラダケはUターンし、体勢を立て直しきれていないジバコイルにもう一撃刀の攻撃を叩き込む。
「瓦割り!」
「舐めんな! 磁力線!」
サムラダケはさらに畳み掛けようと手刀を振り上げるが、それより速くジバコイルが体勢を崩しながらも磁力の波を放ち、サムラダケを吹っ飛ばす。
「ハイドロポンプ!」
「見切り!」
ジバコイルは大量の水を噴射、それをサムラダケは的確な動きで避け、
「リーフブレード!」
「十万ボルト!」
サムラダケの刀とジバコイルの電撃が拮抗する。
サムラダケは電撃を浴びるが気にせず突っ込み、刀でジバコイルの急所を切り裂く。
「さて、そろそろ決めるとしよう…!」
「上等だ。こっちも立ち向かうとしようか」
そして、互いの必殺技が繰り出される。

「サムラダケ、フレアドライブ!」
「ジバコイル、十万ボルト!」

サムラダケは燃え盛る炎を身にまとい、渾身のタックルを繰り出す。
対して、ジバコイルも全てのユニットをフル回転させ、今までで一番強烈な電撃を放つ。
ズバガァァァァァァァァン!! と。
轟音が轟き、激しく火花を散らしながらお互いの必殺技が激突する。



番外編、二話目。ザントのこのジバコイルですが、実は前作にもほんのちょこっと登場しております。暇な人は探してみて下さい。それにしても、自分で書いてるんですが、両者とも強いですね。終盤のお互いの猛攻は、頭の中で自然とそのシーンが浮かんできて、書いてて楽しかったです。さて、次回も続き。それでは、次回もお楽しみに!