二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第七話 怪力の大顎 ( No.26 )
- 日時: 2012/11/10 20:58
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 1HHiytFf)
「行きます! カイロス、瓦割り!」
カイロスはリープンに接近、手刀を上げ、勢いよく叩き込む。
「怯むな! リープン、風起こしだ!
しかし、カイロスが手刀をぶつける直前で、リープンは大きな葉っぱを振り、風を起こす。
動きが鈍ったカイロスの隙を突いて、リープンはカイロスと距離を取る。
「くっ、なかなか上手い戦いを仕掛けてきますね。カイロス、シザークロス!」
カイロスはリープンに再び接近し、ハサミで切りかかる。
「リープン、風起こし!」
リープンは葉っぱを振り、風を起こす。
風でカイロスを押し戻そうとするが、カイロスは風を突っ切り攻めてくる。
「リープン、連続切りだ!」
リープンはカイロスのハサミをくぐり抜け、葉っぱを刀の様に連続で切りつける。
しかし、効果は今一つ。そこそこのダメージはあるが、対したダメージでは無さそうだ。
カイロスはこちらに向き直り、再度シザークロスを突き立てる。
「ちっ、リープン、避けろ!」
リープンは緩やかに飛び上がって、シザークロスを避ける。
「葉っぱカッターだ!」
上空から、リープンは鋭い葉をカイロス目掛けて放つ。
カイロスに命中するが、これも効果今一つな事もあり、カイロスの硬い体にはほとんど傷を付けられなかった。
「ちっ、やはり決定力不足か…リープン、成長だ!」
レオは決定力増加のため、積み作戦に入る。
リープンは体の細胞を成長させ、体を少し大きくする。カイロスは動きがそこまで速くないため、比較的安定して積む事が出来る。しかし、
「カイロス、電光石火!」
カイロスは、普通の速度とは思えないほどのスピードで接近し、体当たりする。
「な!?」
電光石火自体は威力は高くないのだが、
「続けていきます! カイロス、瓦割り!」
カイロスは技を連続で放ってくる。体勢の崩れたリープンに手刀を叩き込んだ。
「リープン! 何とか脱出だ!」
「させません! シザークロス!」
カイロスはハサミを構え、切りかかろうと迫る。
「くっそ、風起こしだ!」
咄嗟に大きい葉を取りだし、風を起こす。カイロスを足止めし、その間にリープンは遠くへ離れる。
「成長だ!」
リープンはもう一段階体の細胞を急速に成長させて、さらに体を大きく見せた。
「カイロス、電光石火で接近、シザークロス!」
「リープン、迎撃だ! 葉っぱカッター!」
カイロスは猛スピードで近づき、ハサミを振りかざす。
リープンも、鋭い葉を放ってカイロスを襲う。
先ほどはカイロスの体に傷をほとんど付けられなかった葉っぱカッターだが、成長でパワーアップしているため、シザークロスと互角だ。
しかし、カイロスの猛攻はそこで終わらなかった。
「瓦割り!」
シザークロスを止められながらも、カイロスは手刀を振り下ろす。
咄嗟に大きな葉を構えるリープン。ダメージはあったが、瓦割りのダメージは和らいだ。だが、
「シザークロス!」
構えた葉っぱをふと退けたところに、カイロスはハサミでリープンに切りかかった。
流石にこれは避けられない。リープンはシザークロスを正面から受け、大きく仰け反り、後ろへ下がった。効果は抜群だ。
「リープン!」
リープンは辛うじて起き上がる。しかし、辛うじてだ。もう一撃攻撃を受ければ、リープンは持たないだろう。
カイロスはゆっくりと迫ってくる。電光石火を使ってこない所を見ると、それだけ余裕があるのだろう。
「そろそろ終わりにしましょう! カイロス、シザークロス!」
カイロスは地を蹴って、走り出した。
一気にリープンとの距離を詰めていく。
「くっそ、リープン、避けろ!」
しかし、リープンは動けなかった。飛び上がろうとしたところで、突然足をつまづかせたのだ。
「もらった!」
カイロスはシザークロスで、リープンを貫く。
はずだった。
突然カイロスが転んだのだ。しかし、リープンは草結びは覚えていない。
「…? いったい、何が?」
突然のカイロスのおかしな行動に、タマナは目を凝らしてカイロスの足元を見る。
そこは、先ほどカワラベが地面をぬかるませた所だった。
「な…」
タマナは声の出ない状況だった。まさか二度もこれに引っ掛かるとは思わなかっただろう(レオも狙っていたわけではないのだが)。
「よし、これはチャンスだ! リープン、成長から葉っぱカッター!」
リープンは体を成長させ、続けて、カプリン戦の時と同じように、尋常ではない量の葉っぱカッターを放った。
カイロスはまだ起き上がれていず、必殺の葉っぱカッターをまともに喰らった。
「まだです! カイロス、電光石火! そして瓦割り!」
何とか起き上がったカイロスはすぐさま猛スピードで近づき、手刀を振り下ろす。
「これで終わらせる! リープン、最大パワーで風起こし!」
リープンは、持っている大きな葉っぱを全力で振った。
今までで一番の威力の風が巻き起こり、カイロスは風に吹っ飛ばされ、壁に激突した。
「ああ、カイロス!」
カイロスは、戦闘不能だった。
「まさか、ここまで強いとは思ってませんでした。うちの完敗です」
「いやー、あのカワラベのぬかるみがなければ、僕は負けてました。勝ったのは実力だけじゃない、運がよかっただけかもしれませんし」
「でも、運も実力のうち、とも言いますし。ま、とにかく、これを受け取って下さい」
そう言って、タマナはある者を差し出す。少し横に伸びた星型の形をした、金色のバッジだ。
「これはスピカバッジ、アロンジシティジムを制覇した証。また暇だったら、うちと勝負してくださいね」
「ありがとうございます!」
こうして、レオは初めてのバッジを手に入れた。
その時だった。
「タ、タ、タマナお姉ちゃーん!」
誰かがジムの中に入ってきた。レオよりも四、五歳年下くらいの男の子だ。
「僕の友達のポケモンが、イビルとかいう変な奴らに捕られたんだ! 取り返してよ、タマナお姉ちゃん!」
「何ですって?」
タマナの表情が途端に険しくなった。
えー、今日を持ちまして、この超更新頻度は終了です。明日からは部活が再開されるので、最高一話更新となってしまいます…。しかも塾も再開なので、更新できない日も増えてしまうかも…。さて、今回は、レオがジムリーダーのタマナを倒し、スピカバッジを手にしました。そして、謎の組織フラグです。次回は、謎の組織「イビル」初登場です。それでは、次回もお楽しみに!