二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 番外編四話 悪龍vs無限龍 ( No.262 )
- 日時: 2012/11/18 16:37
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 8.dPcW9k)
その青いポケモンが、グレースの元へ静かに降りてくる。
青と白を基調とした、戦闘機のような体格のポケモン。腹には赤色の逆三角形の模様がある。
ラティオス、無限ポケモン。ドラゴン・エスパータイプで、非常に珍しい伝説のポケモンだ。
「…そんな珍しいポケモンを、どこでゲットしやがった」
「ホウエンに立ち寄った時だ。アルトマーレという町でゲットした。だがザント、お前も伝説のポケモンに遭遇したことがあるのだろう?」
「…まあな」
ザントが苦い顔で頷く。組織のボスだった頃を思い出したのかもしれない。
気にせずグレースは続ける。
「言っておくが、こいつは今までの三体とは格が違うぞ。こいつだけ実力がやたら飛び抜けているからな」
「悪いがそれはこちらも同じだ」
「そうか。では見させてもらおう! ラティオス、龍の波動!」
まずはラティオスが龍の力を溜め込んだ波動を放つ。
「サザンドラ、龍の波動!」
サザンドラも同じ波動を撃ち出す。
威力はほぼ互角、若干ラティオスのものが強かったらしいがそれでも相殺され、爆発する。
「サザンドラ、大文字!」
サザンドラは大の字型の炎を撃ち出す。
「ラティオス、かわしてダイヤブラスト!」
ラティオスは大文字を潜り抜けると、青白く煌めく爆風を放つ。
「大地の力!」
サザンドラは床から土砂を噴き出させて爆風を防ぎ、
「龍の波動!」
爆風に紛れて接近していたラティオス目掛けて波動を放ち、ラティオスを吹っ飛ばす。
効果は抜群だが、しかしラティオスは平然として戻ってくる。
「その程度なら余裕だ! ラティオス、ダイヤブラスト!」
ラティオスは再び煌めく爆風を放つ。
「サザンドラ、大地の力!」
サザンドラは土砂を噴き出して爆風を防ぐが、
「龍の波動!」
その隙を逃さず、ラティオスは波動を放つ。
技を放ったばかりのサザンドラは急に動けず、波動を喰らう。
やはりラティオスの波動の方が若干強い。
「ッ、サザンドラ、大文字!」
サザンドラは吼え、大の字型の炎を放つ。
「要らんな。ラティオス、サイコキネシス!」
だが、ラティオスは念動力で大文字を止めてしまう。
「お返ししよう」
次の瞬間、大文字がサザンドラへ逆に襲いかかる。
「ぐっ、サザンドラ、龍の波動!」
すかさずサザンドラは龍の波動で迎撃。
大文字の中心を捕らえ、炎を打ち消すが、
「ダイヤブラスト!」
その隙にラティオスが煌めく爆風を放ち、サザンドラは爆風に吹き飛ばされる。
(流石はチャンピオン。普通に殴りかかるだけでは勝てんな…)
基本、ザントの戦法はごり押しであり、殆どの相手にはそれが通用する。
しかし、相手がチャンピオンほどの強敵となると、話が変わってくる。
(作戦を組み立ててみるか)
心の中でザントは呟き、
「サザンドラ、連続で龍の波動!」
サザンドラは波動を連続して撃ち放つ。
「ラティオス、かわしきって龍の波動だ!」
ラティオスはサザンドラ目掛けてまっしぐらに突き進む。
波動を的確に避けつつ一気にサザンドラとの距離を詰め、至近距離から素早く波動を放とうとしたその時だ。
「行くぞ! サザンドラ、クリムゾンエイト!」
早い内からザントは切り札を使う。
サザンドラの花弁のような真紅の光線は、ラティオスの波動をいとも容易く貫き、ラティオスに襲いかかる。
「…まずい! ラティオス、回避だ!」
ラティオスは何とか急上昇するが、真紅の光線がラティオスの右の羽の先端を貫く。
それだけで、ラティオスの羽全体に鋭い痛みが走る。
効果抜群とはいえど、羽の先端に当たっただけでこの威力。
「俺がごり押ししか出来ないと思うなよ。サザンドラ、龍の波動!」
羽のダメージでスピードが下がったラティオスへ、サザンドラは波動を放つ。
「たかが羽へのダメージなどで弱るラティオスではない! ラティオス、龍の波動で相殺だ!」
ラティオスも波動を放って相殺させ、
「ダイヤブラスト!」
煌めく爆風でサザンドラを攻撃する。
「サザンドラ、かわして大文字!」
サザンドラは爆風の範囲外へ飛び上がり、上空から大の字型の炎を撃つ。
「ラティオス、サイコキネシス!」
しかしラティオスは念動力で炎の軌道をそらす。
「ラティオス、龍の波動!」
「サザンドラ、龍の波動!」
お互いに蒼白く光る波動を放ち、やはり爆発し相殺される。
(お互いに有効打が無いな。奴のサザンドラのクリムゾンエイトの一発は積極的に撃ってはこなさそうだが、あの火力は、一撃で致命傷は確実、下手をすれば一撃で体力を持っていかれかねない。さて、どう隙を見つけるか…)
(奴のラティオスのもう一つの技が気になるが…何か隠し持っているか、それとも単にサザンドラに有効でない技か。警戒はするに越したことはないが、サザンドラは根本的な能力値でラティオスより少し劣る。さて、どう攻めるか…)
お互いに隙を窺い、策を考える二人。
しかし、既にこの時、ザントの頭には一つの策が浮かんでいた。
テストが終わったので、また更新スタートです。テストがボロボロだったけどそんなこと知らない。さて、グレースの最後の手持ちは、何と伝説のポケモン、ラティオス。ザントのサザンドラに僅かですが能力が勝る、恐ろしい奴です。ぶっちゃけこいついればイビル潰せるんじゃね? と思った貴方、イビルとてそう甘くありませんよ。次回は、ザント対グレース、決着です。それでは、次回もお楽しみに!